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モノローグロム

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日々の記録。
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#雑記

師走の徒然。

師走の徒然。

思い出すのは遠い日の青。

***

忙しない12月。
心を亡くすとかいて「忙」なんだと国語の先生が言っていた。毎年思い出す。
相も変わらず12月の私の心は行方不明。
感動も安らぎも、私の心には無縁のように通り過ぎていく。

人と違うと気づいたのは大人になってからかもしれない。
特別な才があるとか、ずば抜けた美的感覚があるとかそういうことじゃなくて、私はいつもどこかが変で普通の外側を生きているみた

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朝がはじまる。

朝がはじまる。

夢から覚める瞬間に、誰かに〝忘れないで〟と言われた気がした。

境目が曖昧な朝。
ぼんやりする頭で最初に目に入るのは、
自分で測って買ったカーテンの隙間から漏れる朝の光。

ベランダ側のカーテンは遮光なのに、測り間違えてしまって1cmくらい足りてない。
でも日当たりの悪い部屋で唯一朝だとわかる瞬間が、横になったまま目が合う隙間からもれた光だ。
床についてない方が掃除もしやすいし、次また引っ越してカ

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春の呪い。

春の呪い。

春は呪いだ、

自分で書いた物語の最後に、確かにそう言葉が連ねてあった。

生温い記憶を呼び起こす、春は呪いだ、と。

映像に引っ張られるようにして、欠片を拾い集めながら言葉を紡ぐ。
浮かんだ情景がその輪郭を失う前に、描写することに心が駆り立てられなぜだかいつも焦っている。

もしかしたらこの心はいつも空っぽなのかもしれない。
突然現れる景色で溢れてしまわないように
欠片と言葉を束ねている間は、こ

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ヴィオレ

ヴィオレ

きれいな言葉で世界を紡ぐ。
青いフィルター、夏の呼吸。

削ぎ落とした鋭角は
磨いて、磨いて、ひとつずつ夏の宝石に還す。

美しいものが好きだった。
あなたに笑っていて欲しかった。
私はわたしが生きていける世界を描きたかった。
誰かがかいたエンドロールに取り残されてしまわないように。

自分の中から取り出した美しさで
心象世界を組み立てる。

私は宝石ではないから、
補わないと削るばかりで美しさを

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not yet.

not yet.

美しいものが足りない。

映画を観たり
音楽を聴いたり
雑誌をめくったり本を読んだりして
眠ったりして

1日の大半、自分の意思で考えることをしていない。
触れたものに心を動かされることはあっても、
やるべき事をやらず
やらなくていい事も手付かずで
ただ時間という概念の中に心拍を打つだけの、
生きる人形のような毎日だ。

話すことが億劫になる。
誰とも話さないまま、自分の声を忘れてしまいそう。

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frasco

frasco

あっちもこっちも工事中。
地上が明るいから、私の街には夜が来ない。

今夜も快晴、青く、そして白く。

枕に耳を当てると地下鉄の走り去る音がする。
通りを歩く誰かの歌う声が聞こえる。
音がすると眠れないなんて、
はじめからそんな繊細にできてはいないし

9階の白昼にみた景色はまるで奥行きがない

水色の、ノートパソコンの上に突っ伏している
イヤフォンから可愛いあの子の泣いてるような歌声

才能に気

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Falling Uphill.

Falling Uphill.

年が明けて、今日で2週間。

自分の心根の正体をぼんやりとわかっていながら、
なるべくいい人間でいようと模索している。

優しさにはきっと種類がある。
求めてられる角度も温度も違う。
正義とおなじように、そこには正解がない。

優しさについてずっと考え続けているけれど、
結局は自分と向き合うことから始まるような気がする。

自他を混同しない強さ。
物事の側面まで見わたせる冷静さ。

何かしてあげよ

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