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モノローグロム

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2020年1月の記事一覧

whisper

whisper

〝お静かに〟

耳元で囁くような柔い声が聞こえた気がした

顔をあげると、灰色の水彩から降り注ぐ雨
プラットホームにいる人らは みんな無口だ

雨の音がする

細かい雨の紋様が 灰色のパノラマに溶けていく

その柔い囁きが聞こえると、
頭で考えていたあれこれは消え失せて

目の前にいる〝誰か〟の姿を
その輪郭を知らずしらずのうちになぞっている

煮詰まっている時ほど
絡まっている時ほど

〝わた

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伽藍堂。

伽藍堂。

音がなっている

ずっと、耳の奥で、音が

音を手掛かりにしてそれが音楽へたどり着いたとき、

胸の奥を引っ掻くような
ささやかで的確な痛みが この目を閉じさせてしまう

「あの頃に、戻りたいの?」

いつも自分に問いかける

あなたは、あの頃が恋しいの?戻りたいの?と

断続的な情景

写真のように止まった時間の内側で
また風が流れている

止まったままの被写体
モノクロの雲 それだけが薄く線を

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Fascinate.

Fascinate.

下唇の造形が圧倒的に美しい君の、
斜めから見る横顔に 気がつくと魅入ってしまう。

「魅入る」って言葉の意味、
〝魔性のものが人にとりつく〟って意味なんですって。

特に意味を持たないような、
無自覚そうな仕草のあれこれを思い出して
なるほどな、なんて独りごちている。

なにを美しいと感じるかは人それぞれ。
計算し尽くされたものに美を感じることもあれば、
無自覚な魔性に取り憑かれたりもする。

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ライティングの勉強をはじめた。

ライティングの勉強をはじめた。

ピン、とくるきっかけが有って、コピーライティングの勉強をはじめた。

小説家になりたい気持ちは変わらずあるけれど、
もっと自分の為だけではない言葉を勉強してみたくなった。

「文章を書く」
…という行為をもっと多角的に知りたいと思って、
右も左もわからぬままコピーライティングのセミナーに参加してみた。

以前の自分だったら絶対に行かなかっただろうけど、
今なら不安より好奇心の方が勝っている。

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Falling Uphill.

Falling Uphill.

年が明けて、今日で2週間。

自分の心根の正体をぼんやりとわかっていながら、
なるべくいい人間でいようと模索している。

優しさにはきっと種類がある。
求めてられる角度も温度も違う。
正義とおなじように、そこには正解がない。

優しさについてずっと考え続けているけれど、
結局は自分と向き合うことから始まるような気がする。

自他を混同しない強さ。
物事の側面まで見わたせる冷静さ。

何かしてあげよ

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時のゆくさき

時のゆくさき

人がまばらな夜のターミナル駅で、
なんだか溜息が出る。

何かに悲観しているわけではないけど、
疲れているわけでもないけれど。

もっと根源的なものについて、深く思案したいような気持ちが消えないの。
表層的なものばかり 惑わされたくないからさ。
見えているものでしか判断できない価値観は欲しくない。
でも想像は、
想像することは果たしてあっているでしょうか。

分かりあおうとする距離にあるものを、

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