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月面サナトリウム
2017年2月28日 01:45
記憶が経年劣化していくにつれ産まれた町は変わっていく。変化は止められない。作り出されるものも壊れていくものも方向こそバラバラに留まることなく変わり続けていく。変化を拒否して留めることにエナジーを使っていては、人の生命は余りにも時間が足りない。忘れないように、写真に収めて切り取ろうとする。記憶が塗り変わってしまわないように、あの日の色彩や感傷を留めておけるように。町と
2017年2月17日 00:54
分かり合えないと知りながら、分かり合えたならと思ったり。信じたいと願っては、信じられないなと心は言っている。相反するものの片側と片側を手にとって、天秤にかけるような日々。正しさの所在は不明。選択の連続の毎日で、細胞分裂の一番端っこみたいな今日から、いつか通り過ぎていった車窓の向こうを思い出す。田園風景の向こうに見える山稜。澄んだ空気。夕暮れ時の橙に沈む、黒いシルエッ
2017年2月5日 23:49
目には見えずに、流れていくような喜怒哀楽の境界線はいつもぼやけている。いや、正しくはぼかしている。気が触れるのと感情が振り切れるのは私の中では同じ意味を持つようで、近頃はのらりくらりと漂うように自分にさえきれない舵を持て余してただ毎日を回遊する。全て自分の事なのに、どこまでも他人行儀だな。角がない人間になりたいと、ずっとそう思っていた。当たり障りないとかではなくて、