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月面サナトリウム
2015年9月8日 00:53
夏の終わりを告げる大雨。透明度の高い夏の心象と、呼吸をし続けた日々に。幾重にも降り積もったさようならと、戻らない時を綴った行間に。絶え間なく降り注いだのは、雨。繋いだ手の温度。雨の匂い。全てに許されたような気がした。ずっと埋まらなかった懐古主義の解答欄。引き算ばかりの毎日に、正しい答えは見つからなかったけど。だけど。ゆっくりと時間をかけて、いつの間にか埋まっていた。