それからの僕はきっと夢でも見るように、色々な場所をふわふわと浮かんだり消えたりしながら彷徨い続けていたに違いない。夢はその箇所箇所でリアリティーを帯びていて、その間僕は全てを現実のこととして生きていたような気もする。でも一方、意識の何処かでは「これは夢ではないか…」と言う疑いを抱きながら、青とも黒とも闇ともつかない果てしないまでの無限の荒野をたった一人旅をし続けていたようにも思う。
肉体のない状況でのその旅を果たして「旅」と呼べるのかどうかは、もう今となっては分からない。夢のような、或いは思い出のような、だけど実体のない僕にとっては「生きる」「食べる」「考える」「排泄する」「営む」「憤る」「悲しむ」或いは「歓ぶ」…等の全ての感覚がぼんやりと霧の中の出来事のように、皮膚感覚を持たない全てはやはり夢を見ているような感じに近かった。
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