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郷愁のディスコ(downtempo)

まだ五月の後半だと言うのに、既に日本全体が夏の気配に包まれている。
やさしい春の日差しは一気に熱を帯びて、祭りを目前に控えた少年のように血走って行く。

海外の色々な音楽を聴きながら私は、かつて音楽ではなく詞で音楽業界に殴り込みをかけて行った頃の自分を思い出していた。
先端を異常なまでに尖らせ隙を見せない、与えない猪突猛進な生き方は業界内に多くの敵を作って行った反面、そんな私の生命力を信じて仕事を託してくれる仲間を得る切っ掛けにもなった。

「少しは大人になれよ。」と言う当時のおじさま世代の音楽ディレクター陣の多くは、当時の遊び人たちだった。大きめの携帯電話とシステム手帳を持って、さも大量の仕事を抱えて居るかのような素振りでオフィス内を闊歩しているように見えたが、実際はそうでもなかったと後からぞろぞろ後日談が私の耳に入った。
大人になる…とは言い替えれば「多少は女を売って多少の遊びにも甘んじて上手くやっていけ。」と言う意味と、多分同じだった。

私は遊ぶ為に音楽業界に突進して行ったわけではなかったので、彼らの言う「遊び」には到底応えられないし興味もなかった。
でも、女(男)を武器にして遊んでる人たちのメイクやファッション、高級ブランドの何々…と言う彼らの飾りにはとても興味が湧いた。

ある意味私は大人だったかもしれない。
20代前半にして物欲を捨て、家族も居てその家族を養う為に仕事を選ぶ余裕さえなく仕事をして、深夜の一杯の醤油ラーメンで疲れた体を温めることだけを安らぎに走り続けて居た、、、そんな生き方を子供はしないから。

都内某所のクラブ「マハラジャ」に行列が出来ていた時代に、その真裏でしんみり地味ーにシャンソンやらラテンのヴォーカルの伴奏をしていた私は、流行とは一切縁のない暮らしを黙々と続けていた。
その反動でこの今、この歳になってダンス・ミュージックやdowntempo…等と呼ばれるかなり若い世代が愛好するような音楽を、衝動的に聴きたくなる。


今夜はこんなトラックを…?
普段私が演奏している音楽とは185度違うジャンルの音楽…かもしれない。

Club Squisito-Moonwalker Re-touch feat. Odyzë (Preview Esclusive)
https://soundcloud.com/club-squisito-1/club-squisito-moonwalker-re-touch-feat-odyze-preview-esclusive





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