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正面打ち一教(表・入身)合気会と心身統一の違い

先日の右足親指の骨折以来、稽古は休止中ですが、今日は正面打ち一教の指導内容の違いについて触れていきたいと思います。

心身統一合氣道の正面打ち一教(入身)

では早速、心身統一合氣道の方から、「氣に合するの道」(心身統一合氣道で現在売られている数少ない教本)より抜粋。長文ですがあえて省略せず記載します。

正面打ち一教、二教、三教、四教、入身転換というのは合氣道の基本中の基本といって良い。
先ず一教入身である。相手がこちらの正面に向って打ってくるのに、呼吸投げのように畳を打たせてしまえば簡単であるが、正面打ち一数の技は相手が打ち込んでくるのを、その相手の打ち込んでくるその方向へ返すのである。
相手も氣を入れて打ってくる。こちらも氣を入れて手を出す。当然氣と氣がぶつかり合い衝突する事が当然である。
私が若い時分に合気道を学んだ時は、相手には逆らってはいけない事になっていた。相手が一教入身で来たらこちらは、その通りに倒れてやらねばならなかった。そうして投げつ投げられつしている中に自然に呼吸力が強くなると教えられていたのだ。事実はそんな事をしていても呼吸力は強くはならない。
一九五三年、私が世界普及を思い立ち最初に訪れたのが、ハワイであった。ハワイでは全島の警察官を教えた。しかし、警察署長の命令で勤務時間外に私の稽古を受けなければならない警察官が喜ぶ筈はなかった。皆私の隙を見つけて恥をかかせて稽古を止めにしようと思っていたようだ。おまけに太平洋戦争のあとである。日本人である私から素直に学ぼうなどとする者は皆無であった。
従って一教入身などで、こちらのいう通りに受身など取ってくれない。皆手を振りかぶって力任せに打ってくる。
力持ちの大男の多いハワイである。小男の私など、一打ちで潰されてしまう。しかし私は考えた。絶対的天地は一つ、天地の理も不変である。若し、私が出来ないという事はどこかが間違っているという事であると。
一教入身が出来ないという事は一体何処が間違っていたのだろうか。
私は日本にいた時、相手が手を振り上げていったら、それに両手をついていって上げなさいと教わった。しかし、ハワイには大男が一杯いる。私が両手を上げてついていっても届かない。私の伸びきった手のところへ相手にガチャンと打ち下ろされたら一たまりもない。出来ないのが当たり前である。そのうち氣がついた。正面打ちというのは、私の正面を打ちにくるのである。私の両手が相手を迎えにゆかなくても相手が私の正面まで打ち下ろしてくるのであるから、待っていてそこで導き返せば良いわけである。
しかし、相手の力が正面にくる時は勢いがついているから、それを相手に押し返すことは出来ない。どうしたら相手の力を相手の方向へ返すことが出来るであろうか。
心が身体を動かすのである。相手が打ち下ろしてきてからでは返しようもない。相手の氣が、私の正面に来た時に返すことである。

藤平光一著「氣に合するの道」より引用

まず最初に原理として知っておく必要があるのは、自分の指先から消防ホースの水が思いきり出ているイメージをもちながら、一教運動をすることが重要です。(これを氣が出ていると表現します)
その場合、相手の正面打ちは一教運動の指先を切り下ろすことができずに、左側か右側どちらかに自然に逸れていくようになります。

上記を知っていることを前提に、私が心身統一合氣道の道場で直接習った際は、以下の点を習いました。

  1. のびのびと氣を出して、一教運動を行う。

  2. 相手の正面打ちに対して、一教運動で出した手をぶつけにいかないこと。

  3. 下ろしてきた相手の正面打ちと、額の前に出した自分の一教の手を一緒に下す。

  4. 一緒に下す際は手の力で下ろすのではなく、臍下の一点からお辞儀をするように下す。その時の手のイメージは、木の葉が自分の足元に自然に落ちるように。(手に力を入れて相手の手を下す訳ではないということだと思う。)

藤平先生が本の中で説明している内容も、①相手が振り上げた正面打ちについていかないこと。②相手が振り下ろす正面打ちを導くこと。の2つのポイントについて同じ考え方であると思います。

補足で以下の動画をご覧ください(藤平光一至上演武)1:09あたりから正面打ち一教の説明です。

相手の正面打ちと一緒に、一教を下す際には相手の指先の方向を相手に返すことが重要です。

合気会系の正面打ち一教表

それでは合気会系の正面打ち一教表はどうかというと、やはりどの先生の技を見ても、共通して言えるのは、相手が正面打ちでインパクトに達する前に抑えているということ。
前述の「相手が手を振り上げていったら、それに両手をついていって上げなさい」という表現と合っているように思う。

※上記は合気会本部道場長 植芝充央先生の指導内容

※上記は白川竜次先生の指導内容

私が通っている現在の道場ではあまり正面打ち一教の指導を受けていないので、今の先生からどのようなことを言われるかはわかりませんが、やはり相手を導き投げるまでのプロセスが違うように思います。

身長が高い人は良いと思いますが、私自身は小柄な体格なので、自分としては心身統一のやり方(相手の正面打ちを額の前まで待ってから、一緒に下す方法)でないと、投げられないケースが多々あるように思います。

皆さんはどのように習っていますか?
コメント欄で教えていただけると幸いです!

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