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今日の気分はこの曲


Vol.16「時の過ぎゆくままに」沢田研二

1975年8月21日に発表された、沢田研二の14枚目のシングル。

沢田研二自身が主演したTBSドラマ、

「悪魔のようなあいつ」の挿入歌として企画され、使用されました。

作詞は当時最高のヒットメーカー、阿久悠。

作曲は大野克夫です。

実はこの曲、所謂「詞先」で作られてます。

出来上がった詞に対して6人に曲を依頼して競わせ、

結果として大野克夫の曲が採用されました。

そのメンツがかなり豪華なんですよ。

当時沢田研二のバックバンドだった井上尭之バンドから、

井上尭之と大野克夫の2人。

元ジャッキー吉川とブルー・コメッツの井上大輔。

ザ・ワイルドワンズのリーダー、加瀬邦彦。

ドラマにも出演していたシンガー・ソングライターの草分け、荒木一郎。

阿久悠とは名コンビだったヒットメイカー、都倉俊一。

豪華すぎて鼻水が出そうです。

この6人だったら誰の作曲でもヒット確実なのに、

競わせて絞り込んだのですから。

何という贅沢!

選定したドラマのプロデューサー、久世光彦もかなり悩んだと思います。

自分がプロデューサーだったら6曲ともレコーディングして、

ミニアルバムを発売しますよ。

採用されなかった5曲がどんな曲だったか、非常に気になります。

個人的に一番聞いてみたいのは、荒木一郎の曲ですね。

多彩な曲を作れる人だから、果たしてどんな曲調になってたんだろう?

あとこの曲は、あるミュージシャンの実質上の引退作でもあります。

バンド時代から凄腕として有名だったのに、

彼はこの曲を最後にそれをあっさり捨てて別の方向へ進みました。

今では彼をミュージシャンと認識してる人が少ないのが、残念な現状です。

彼の名は、岸部修三。

今は「メロンおじさん」など役者として有名な、岸部一徳です。

彼はザ・タイガース時代はもとより、

その後のPYG~井上尭之バンド時代にも優れたベースを残してます。

ザ・タイガース以降の代表曲としては、PYGの「花・太陽・雨」。

この曲では作詞も担当しています。

あと名作ドラマ「太陽にほえろ!」のオープニング。

それに「傷だらけの天使」のオープニング。

レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズが来日時に聞いて、

しきりに彼に会いたがったのは有名な話。

後のインタビューで「俺よりいいんじゃないかと思ったぐらいだ」と、

語ってます。

俳優として地位を築いてからは、ちょこちょこベースを演奏してますが、

また本格的に復帰して欲しいなぁ。


カバーですが、まずは高橋真梨子によるカバー。

歌は上手いんですよ。

でもこのアレンジは詞に合ってないように思います。

このアレンジじゃ他の曲でも良いと思うのですが。

次は岩崎宏美によるカバー。

ピアノの演奏が良いですね。

歌詞の「壊れたピアノで 想い出の歌」に合わせてるんですね。

またしっとりとしたボーカルが、詞の雰囲気に合ってます。

最後は布施明によるカバー。

いや~凄い歌唱力ですね。

ビブラートの使い方が、憎いほど。

それにマイクの位置が凄いですね。

あんなに離れてるのにしっかり収録されてるってことは、

ディナーショーとかの距離で聴いたら迫力が凄いのでしょうね。


という訳で沢田研二の名曲、「時の過ぎゆくままに」についてでした。



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