飛び出せ!佐久間探検隊
第六回 阪堺電車の駅番号と幻の駅の謎
ドモ。佐久間探検隊の隊長、佐久間ディックです。
今回は阪堺電車の終点、浜寺駅前電停にやって来ました。
電停に掲示してある、阪堺電車の路線図。
実はこれには謎があるんです。
浜寺駅前電停の駅番号は、HN31。
しかし隣の船尾電停の駅番号は、HN29なんです。
その先の石津電停は、HN28なのに。
丁度、HN30の駅番号が欠番になってます。
その謎を探検隊は調査してみました!
浜寺駅前電停を出発する。
大きい道路は国道26号線。
道路の隣には、広大な浜寺公園が広がっている。
すぐ先のバス停は、浜寺公園駅前通バス停。
今は石津川駅前と、堺市立総合医療センター前を結ぶ路線のバス停。
かつてはここと、北野田駅前を結ぶ路線のバス停だった。
堺市を横断する路線であり、所要時間は1時間。
しかも30分間隔だった。
衰退が窺える。
ちょうどモ504号がやって来た。
モ504号は1957年にモ501号~モ505号の5両が登場した。
カルダン駆動、空気ばね台車を装備した先鋭的な車両。
当時流行した、和製PCCカー(高性能路面電車)の貴重な生き残りである。
1985~86年に冷房化もされ、今日でも元気に走っている。
浜寺公園にはローソンがある。
しかし外観は、景観を考慮した地味なもの。
ちょっとわかりくいと思うのだが。
探検隊はさらに北へと進む。
線路際に線路を置いてある場所が。
ここから工事列車が線路を積み込む。
積む貨車は、97式軽貨車。
元は帝国陸軍の鉄道連隊で使われてた、年代物である。
牽引は、もっぱらモ161型の役目。
参考までに以前撮影した、工事列車の返却回送。
真夜中にも関わらず、かなりの人が撮影していた。
線路を置いてある場所のそばには、踏切が。
踏切の向こうには、南海本線の踏切が見える。
ちょうど電車が通過中。
踏切を横目にし、先へ進む。
南海本線を跨ぐ前、何やら怪しい施設が。
施設のアップ。
実はこの施設、海道畑という電停のホームの基礎の跡なのである。
阪堺電鉄との乗り換えの電停で、1944年に廃止された。
一旦側道に入り、ホーム跡の全景を見る。
1944年というと、阪堺電鉄が大阪市電気局(後の交通局)に買収された年。
と同時に湊ノ浜から浜寺までが廃止された年でもある。
それを考えると、
海道畑電停の役目が乗り換え用だったというのには、疑問が残る。
戦前の利用客の奪い合いは、激しいものだった。
南海と阪和の間では、社員同士が殴り合いをするほど。
それを考慮すると、
阪堺電鉄から一人でも利用客を奪う事
が真の目的だったように思えて、仕方ない。
阪堺電鉄の路線が廃止され、利用客が奪われる可能性が無くなったので、
海道畑電停は廃止されたのではなかろうか?
国道に戻り、北へ進む。
浜寺公園北交差点。
阪堺電鉄の路線はこの交差点を右奥から左手前へと斜めに横断し、
浜寺公園内に乗り入れ、終点の浜寺電停があったそうだ。
次の交差点を右折する。
右折した先には、南海本線の踏切が。
南海本線には高架化の計画があり、現在すでに工事は始まっている。
この踏切も、近い将来姿を消す事となる。
踏切から見た南海本線と阪堺線の立体交差部。
南海本線の高架化工事により、阪堺線もここから姿を消す。
南海本線の踏切の先にある、阪堺線の踏切。
連続しているので、渋滞のネックとなっている。
ここも近い将来、姿を消す。
阪堺線はここから北の地に仮電停を設け、
南海本線の工事終了後、浜寺公園駅まで戻ってくる予定。
どうやら駅番号HN30は、その仮電停に充てられるらしい。
仮電停の名はまだ決定していない。
個人的には浜寺公園駅とは遠いので、
海道畑の名が復活したら、嬉しいのだが。
この坂も近い将来、姿を消す事となる。
踏切を渡り、右折して阪堺線に沿った道路を歩いてみる。
閑静な住宅街が広がっている。
道を歩くと、先に工事現場が。
高架化工事が既に始まっている現実を実感させられる。
東側から見た、南海本線と阪堺線の立体交差部。
年代物の煉瓦が使われた橋脚部も、近い将来お別れ。
7100系は果たしてその時に残っているのだろうか?
下り線に残るホームの基礎の跡。
いつまで見られるのかなぁ?
道路は阪堺線に代わって、南海本線に沿って歩く形となる。
道の先に、踏切が。
実は先程、線路を置いてある場所の横の踏切から見えた、
南海本線の踏切であった。
先に見えるのは、その阪堺線の踏切。
探検隊は踏切を渡り、浜寺駅前電停へと来た道を戻るのであった。
なお踏切を渡らず、南海本線沿いに歩けば浜寺公園駅の東口に行きつく。
こうやってレポートしてきたがこの区間の風景、
近い将来に大きく変貌するのは確実である。
また阪堺線にも堺市内区間の存続問題があり、
高架化工事完成後に阪堺線が戻ってくるかは、多少の不安が残る。
果たしてどうなるのか?
探検隊は期待と不安を感じていた。
「阪堺電車の駅番号と幻の駅の謎」
おわり