今日の気分はこの曲
Vol.26「ガメラマーチ」大映児童合唱団
1968年3月20日公開された、
大映の映画「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」の主題歌。
以降大映が倒産した71年12月までに公開された、
「ガメラ対深海怪獣ジグラ」まで主題歌になり、
「ガメラの歌といえばこの曲」という決定版的な歌です。
作詞は当時大映の社長だった永田雅一の息子で専務・副社長、
ガメラシリーズのプロデューサーでもあった永田秀雄。
作曲は「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」で音楽を担当した広瀬健次郎です。
広瀬健次郎の作品といえば石川進が歌って、
日本レコード大賞童謡賞を受賞した「オバケのQ太郎」
同じく石川進が歌った吉沢やすみ原作のアニメ、
「ど根性ガエル」が代表作です。
でもこの曲、歌詞が良いですね。
歌いだしの「イカスぞガメラ」には時代を感じますけど。
その後の「日月火水 日月火水」は、
はやる子供を落ち着かせる為でしょうね。
その後のフレーズは、一番が対バルゴン戦、二番が対ギャオス戦、
三番が対バイラス戦の様子を表しています。
シンプルながら的確に映画の内容を表現してますね。
シロウトながらレベルはかなり高いと思います。
神様が与えた偶然でしょうが。
ガメラシリーズの監督を務めた湯浅憲明監督によると、
この曲にはこんな裏事情があったそうです。
会議室から永田専務が張り切って出てきて、
「おいガメラの歌が出来たから、みんな聞け」
とスタッフの前でこの曲の詞を朗読したそうです。
詞についてですが、
相手は「永田ラッパ」の異名をとる絶対的権力者の社長の息子で、
ガメラシリーズのプロデューサーでもある人物。
お付き合いで全員が拍手をしてたら、
「湯浅君、みんなが感激していいと言ってくれたから、これ使ってくれ」
ということになり、レコーディングとなったそうです。
今だと立派なパワハラ案件ですね。
で、レコーディングに当たってなんですが、
とにかく予算がありませんでした。
そこでそこら辺のガキ、
もとい子供たちを集めてレコーディングしたそうです。
つまりクレジットされてる”大映児童合唱団”なんて存在しないのだとか。
しかし怪獣によって、テーマの方向性が全く違うのが面白いですね。
会社の違いが出てるのでしょうか。
後に東京音大の学長も務めたクラシック畑の大家が作曲したゴジラ、
朝ドラの主人公のモデルとなった国民的作曲家が作曲したモスラ、
などの東宝怪獣と比べると、大映のガメラは
作詞 社長のドラ息子であるシロウト
歌唱 そこら辺の子供を集めたもの
と、かなり差がありますね。
どっちが良いか悪いかは、言いませんけど。
個人的には、ガメラを応援したくなりますが。
判官びいきなんでしょうかねぇ?
という訳で大映児童合唱団の名曲、「ガメラマーチ」についてでした。