190626 七十種銘管録
晴れ。若干蒸してきたか。
昨日締めのオークションがあり一応参加していたのだが、うっかりしていたら終わっていた。自分が欲しいというより出品者のためにも妥当な金額まで価格を釣り上げることが目的だったのでまあ良かったとするか。
昨日に引き続き、能管の銘管について書く。今日は銘管の記載がある史料についてである。
能管においていわゆるオフィシャルな銘管とは明和に幕府に対して提出された七十種銘管録に記載されている銘管ということになるだろう。これは能管に関する資料であれば必ずといっていいほど参考資料に挙げているものだが、私が見てきた範囲では全て森田流奥義録の孫引きとなっており、原資料にあたった人がどのくらいいるのだろうと疑問である。
七十種銘管録以外となると、春日流、一噌流、森田流の家に伝わる銘管があり、これは戦前のインタビューや各流儀の家元の伝書に記載がある。そこに記載されている代表的なものとしては一文字(一噌)、翁(一噌)、瀧留(春日)、鈴虫(春日)青龍(森田)、駒止(森田)などがある。
その他、楽器考証という史料には雅楽器も含めて銘管が記載されており、これはウェブ上で確認できる。
http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/kanzegazo/KmView/029/029026001/kmview.html
銘管はみんな知っているから銘管なのであり、先に挙げた史料に記載されている銘管の多くは重複している。また、美術館や博物館に保存されていたり、プロの能楽師が保有していることを公表しているケースは限定されており、多くは失われたかその所在が不明となっている。