190625 杉山立枝と大獅子

晴れ。暑くはない。

例の情報交換は盛り上がる。プライスコレクションではないが、こんな時に現実的な金策を繰り出せる成人でありたかった。コレクターではないので笛をためこむつもりは毛頭ないが、紹介された銘管がどんな音色かは気になる。

良いことは重なるもので、笛の修理が完了した旨連絡をいただく。今回の笛は手に入れた時は歌口より上がない状態だった。筒はぼろぼろ、笛袋は筆で謂れが書いてあった。どこまで本当なのかよくわからないが一噌十六管の獅子(大獅子と小獅子)二管のうちの一管らしい。とはいえ割れもひどく、漆も塗り直しになったので実際は新管みたいなもんだろう。日曜に受け取るので楽しみだ。

ちなみに大獅子は杉山立枝が黒田公より借りて吹いていたという話が有名だ。彼の死後は記録に残っているものだと某森田流の笛方の家に移ったようだ。とはいえ別所でも大獅子の話は聞くのでどれが本当なのかわからない。雅楽器の収集家として有名な井伊直亮の史料など読んでいると銘のある道具の流通は雅楽・能を問わずビジネスとして確立していたようで、同銘の道具が複数あってもおかしくない。私が有している銘のある笛も同銘のものを史料上少なくとも四管見つけている(現存は確認せず)。

なお、もう一つの獅子である小獅子については焼失したとある。火事跡で道具の焼失を確認したかどうかは不明なので、焼け残ってその後流通した可能性もある。ひょっとしたら先の笛はそれかもしれない。まあこういうのは夢があった方が良いので筒と箱をあつらえてみようかと思う。

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