#376 契約書の甲乙丙
ビジネスにおいて「契約書」を締結したことがある方、またそれに触れたことがある方は、タイトルにある甲や乙、丙を見たことがあると思います。
例えば、「●●株式会社(以下、甲)」のように、ある登場人物を「甲」という記号に置き換えて話が展開していくのが日本の契約書です。
なんでわざわざ甲乙なんて使い慣れない記号を使うんだろう。
実はこれ、ただの慣習なんです。
通信簿が始まり
今の時代、学校の通信簿は1とか5など数字が使われています。
しかし、明治時代の通信簿は「甲乙丙丁」が使われていました。
甲はいい評価、丁にいくに連れて悪い評価です。
「甲乙つけがたいなあ」というセリフがまさしくです。
甲の方が高いランクになります。
そんな名残が今の契約書に残っているのです。
読みづらくない?
昔の名残とはいえ、甲乙丙って契約書以外でみかけないわけじゃないですか。
日常で使うことなんてないし!
契約書に触れてきてない人が、例えば突然重要な書類にサインを求められて、以下、甲と呼ぶ、なんて書かれても混乱するじゃないですか!
使い慣れてないから、契約書に触れてる人でさえ読み違えることあるはずなんです。
あ、甲と乙間違えた、みたいな。
ただの慣習であって、契約書は必ず甲乙にしなければいけない!という法的拘束力はありません。
甲乙の使用が一般的なので、別の契約書を作成する時に使いまわせるから、とかメリットなんてそれくらいじゃないですかね。
事実、不動産の売買契約書は「売主」「買主」と分かりやすく表記されています。
ここで甲と乙が使われるものなら売主も買主も混乱しそうです。
もしかしたら昔は使われてたのかも・・・?
でも甲乙に慣れてないエンドユーザーが契約書を読み違えてしまい、それがクレームとなったため、売主買主の表記になったなんているバックグラウンドはありそうです。
いっそのこと、会社同士で締結する契約書も「A」とか「●●株式会社、略して●●」みたいの、その登場人物がもっとわかりやすい表記になればいいなあなんてそんなことを思いました。