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ワーケーションの業界構造はどうなっているのか

何度か自分がワーケーションしている中でちょっとこれ気になっています。業界構造というと大袈裟ですが、個人や企業がワーケーションする上でその活動をサポートしている会社や組織、団体などがあると思うのですが、一体どのような方々の協力のもと成り立っているか考えてみました。

あくまで自分の行く側の視点で見えてる範囲だけなので、紹介できなかった方々は気を悪くされずに、、

旅行の窓口業務をしてる会社や情報発信をしているサイト

ワーケーションといえばバケーションから来た言葉ということで、当然旅行業界が積極的に情報発信されています。具体的にはまず旅行代理店さんで、JTBやHIS、日本旅行や近畿日本ツーリストなどですね。窓口でワーケーションしたいと相談したら丁寧に相談に乗ってくれると思います。

また旅行予約サイトもそうですね。楽天トラベルやじゃらんなどでもよくワーケーション特集を組んで紹介していますね。あとはRETRIPなどの旅行キュレーションサイトも情報収集には便利です。


ホテルや旅館、ゲストハウスなどの宿泊施設

各地の宿泊施設もワーケーションしたい人を誘致するためにワーケーションプランを提案しています。リゾートホテルなどでは長期滞在プランなども用意してワーケーションする人を積極的に受け入れています。またゲストハウスは元々料金が安く長期滞在しやすいこともあってワーケーションの強い味方ですよね。ユーザー同士や地元の方との交流がしやすいのもポイントだと思います。


最近増えてきている多拠点居住サービス

LivingAnywhere Commons館山

多拠点居住サービスというのは全国いろいろなところに住めるサブスクや回数券型サービスです。有名なところではLivingAnywhere CommonsHafHなどがあります。特にLivingAnywhere Commonsでは現在51拠点(神戸も増えましたね)展開されていて、仕事ができるワークスペースも完備されているのでたくさんのワーケーションユーザーに利用されています。

自分も実際に館山と下田で利用させてもらいました。施設も各地域ごとに特色があってすごく楽しいです。宿泊もドミトリー(共同寝室タイプ)と個室があって、好みや条件に応じた滞在方法が選べます。こちらもゲストハウス同様が滞在者同士がコミュニケーションがしやすいようなスペースもあります。

館山のドミトリー
下田の個室
下田のコミュニティスペース


飛行機や新幹線などの交通機関

交通機関の広告でも結構ワーケーションの文字を目にしますよね。特に新幹線のあるJRでは出張族が多いこともあってかエキナカ×シェアオフィスを展開されておりワーカーに便利なサービスを行っています。交通機関の系列の旅行代理店もたくさん存在し、その沿線で行けるワーケーションプランを発売しています。


旅先でも仕事ができるコワーキングスペース

境港のコワーキングスペース SIGN IN(山陰というダブルミーニングらしい)

コワーキングスペースもワーケーションしている時に長く滞在する場所なので、ワーケーションユーザーにとって欠かせない場所でしょう。各地のコワーキングスペースを利用しましたが、スタッフの方が地元の方でその土地のいろんなことを教えてくれます。まただいたいスペースの一角には地元の案内パンフが置かれていてそれで情報収集もできます。

またコワーキングスペースは地元のスタートアップ企業などが利用していることも多く、その方々とコミュニケーションを取ることもできます。


地方自治体の場合は担当区分が様々

自分がワーケーションをする上でいろいろな地方自治体の方とお話をさせて頂きましたが、皆さん担当する部署がまちまちな印象です。組織も流動的なので現在はどのような状態かが分かりませんが、自分がお話したケースを整理したいと思います。


観光協会など観光を担当する部署

青森からすぐ近くの十和田湖

やはりバケーションという考え方のもと観光部署が主導権を持っている自治体もあります。やはりせっかく来てもらうからには楽しんでもらいたいですよね。大多数はこのパターンではないでしょうか。

各自治体ではリゾート地を中心にワーケーションプランや案内パンフが作られています。たしかに提案としてはリゾート地のダイナミックな自然や美味しい地場のグルメは魅力的ですごく映えますよね。またそれがフックとなることも事実でワーケーションに行く動機づけの一つにはなります。自分の場合は海鮮丼食べに行ってるまであります。


移住を促進されている部署

公式サイトより https://www.furusatokaiki.net/

移住を担当する部署がワーケーションを取り扱う、結構このパターンもあるようです。

ワーケーションが移住の入口になりえるということで、移住促進を担当されている部署が積極的に案内をされているケースも目にします。直接の担当でなくとも近いところにワーケーション担当の方がデスクを置き、連携を取ってる感じです。

各自治体ではやはり人口流出、過疎化が深刻となっており、移住誘致にかなり力を入れています。ちなみに東京にも各自治体が移住を誘致する活動の拠点を構えてて、有楽町の交通会館に「ふるさと回帰支援センター」という場所があります。

ここでは各地のスタッフが窓口におり将来的な移住も踏まえてのワーケーションということであれば相談に乗ってくれるでしょう。あと定期的に各自治体のイベントも開催されているので、現地のことを知りたいのであればそのタイミングで遊びにいってみるのも面白いと思います。自分も気になる地域のイベントには行ったりします。

特に地方自治体では最近「関係人口増加」という言葉で県外の方との関係を強めようとされています。ざっくばらんと言うと、その土地のことをよく知ってもらいたい、発信してもらいたい、お仕事で繋がりを作ってもらいたいという感じですね。

移住は関係人口の状態の延長線上にもあると考えられています。確かにワーケーションはまさに関係人口そのもの。行った場所は愛着が湧くので移住の選択肢としては考えやすいです。逆に一度も行ったことのない場所は不安です。ワーケーションはその関係人口を増やす手段の一つという感じですね。

違ったらごめんなさいなんですが、ぷち移住体験=ワーケーションとしてワーケーションの補助金などはこちらに近い部署が予算管理されている気がします。

※あくまで自分の理解です。気になる方は色んな方々が移住について研究されていますのでご自身で調べてみてください。


産業振興やスタートアップを担当されている部署

浜松市舞阪サテライトオフィス

先程ご紹介したコワーキングスペースのお話の深掘りになるのですが、やはりワーケーションユーザーはまだまだ少なく、コワーキングスペースの利用者はやはり地元企業の方が多いようです。地元の会社さんは皆さん月額の会員契約などをされていて、定期的に利用されているようです。

特にスタートアップ企業の方々はまだ流動的な状態なためオフィスを借りず、一時的にコワーキングスペースでお仕事をされているケースが多いように感じます。そもそもビジネス形態としてリモートワークが多いですもんね。

玉子が先か鶏が先かは分かりませんが、そのため地元のスタートアップ企業とコワーキングスペースは関係が密なことが多いように感じます。そして各自治体は最近スタートアップ企業への支援を強めています。その土地で「産業を作りたい」「雇用を増やしたい」という考え方からですね。

地方自治体ではコワーキングスペースへの支援や実際にコワーキングスペースを直接運営してたりすることもあります。上の写真のコワーキングスペースは浜松の協業センターという施設の中にあるのですが、なんと無料。新幹線と浜名湖が一望できる素晴らしい絶景で仕事できます。

その流れで自治体ではそのコワーキングスペースで仕事している県外からのワーケーションユーザーと接触することもあり、部署として連携していることが多いように感じます。

自治体の方がワーケーションのイベントなどをされる場合に、地元企業でのお仕事体験などを組み込むことがあるのですが、きっとこのような部署が関係されていてスムーズに実現できるんでしょうね。


街づくり団体や地元企業もサポート

浜松まちなかマネジメントが運営するコワーキングスペース Any

地方自治体のくくりではないのですが、同じ地域振興ということでご紹介しますと、各地方では街づくりを行う団体や地元企業もワーケーション誘致に力を入れています。地元企業は不動産関係の会社や地元グループ企業が多い印象ですかね。このような会社がコワーキングスペースを運営し、ワーケーションユーザーの受け入れに一役かっています。


まとめ

どうですか?思ったより裾野が広く感じませんか?
ワーケーションでは滞在期間中に移動、宿泊、ワーク、地元との交流など様々な活動を行います。ワーケーションはほんとにたくさんの方々の協力で成り立っています。

あくまで自分が経験しての感想なんですが、ワーケーションというのはその分いろんな部署や会社が発信する情報を横断するなため、正直情報収集が結構難しいなと感じます。

サムネの問いのワーケーションしたい時にまず「誰に相談すべき?」が、よく分からなくて困ってます。

誘致される側も単に旅行とは違う視点、立体的な視点が求められると思いますので、できれば「ワーケーション」担当という専門の人材が増えて、プランニングを手伝ってくれると嬉しいなと思います。

これもまさに「玉子と鶏」ですね。

行く人が増える。行きやすい環境が増える。どっちも増えて欲しいです笑

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