安井息軒《周禮補疏》000a・周礼注疏序

《周禮補疏》卷第一

飫肥 安井衡著

〈周禮注疏序〉

◯君有五期,輔有三名。(1-1a )

按《禮記》卷首《正義》引《易緯・通卦驗》云:「天皇之先,與乾曜合元,君有五期,輔有三名」。《注》云「君之用事五行,王亦有五期。輔有三名,公、卿、大夫也。」【①】

①《禮記‧曲禮上》:《禮記》。〔注〕陸德明《音義》曰「此《記》二禮之遺闕,故名《禮記》。〔疏〕案《易緯・通卦驗》云「天皇之先,與乾曜合元,君有五期,輔有三名」。《注》云「君之用事五行,王亦有五期,輔有三名,公・卿・大夫也」。


◯燧皇始出握機矩。(1-1a )

按《禮記》卷首《正義》又引「遂皇出握機矩」注云:「遂皇謂遂人,在伏羲前,始王天下也。矩,法也。言遂持斗機運轉之法,指天以施政教」。

《禮記‧曲禮上》「禮記」〔注〕陸德明《音義》曰「此《記》二禮之遺闕,故名《禮記》。〔疏〕又云「遂皇始出握機矩」。《注》云「遂皇謂遂人,在伏犧前,始王天下也。矩,法也。言遂皇持斗機運轉之法,指天以施政教」。


◯表計寘,其刻日【①】,蒼牙通靈,昌之成,孔演命,明道經。(1-1b)

按:「表計」建八尺之表,以計日影長矩也。旣計日影長矩,乃寘其晝夜刻數及分至啓閉等之日也。「蒼牙」,伏羲也。始畫八卦以通神明之德,故云「通靈」也。「昌」,文王也。「孔」,謂仲尼。「命」,天命,日夜運行於上者。文王作《彖》,《易》於是乎成。仲尼陳天命作《十翼》,《易》道於是乎明。「道經」謂《易》。引之者謂”燧皇在伏羲之前”也。

①阮元《十三経注疏校勘記》19-1a「其刻日」:浦鏜云,「曰」誤「日」。◯按《緯書》古奧,「其刻日」三字,未得其注解,未必爲王伐切之字也。今本《易緯通卦驗》「日」作「白」。
・池田秀三〈周礼疏序訳注・周礼注疏序〉は「曰」(say)に改む。〈注13〉:原文曰作日。(略)今、『尚書正義』『御覧』引に據りて改む」と云う。蓋池田説是也。
※校者:本段の息軒按語を見れば、息軒が舊本に拠り、「日」(day)を以て解するは明らかなり。本稿は息軒《周礼補疏》の校本なれば、底本に従い「日」に作る。なお、本書の阮元・浦鏜を引用すること多ければ、息軒が本字の問題を知らなかったことは有り得ない。


斗機云(1-1b)

浦鏜【①】云:「斗機」當作「運斗樞」。【②】

按:《禮緯》有「斗威儀」。「儀」與「機」聲近,然《緯書》旣滅,安知其無名「斗機」者哉。依原文爲是。

①阮元《十三経注疏校勘記》1-1a「斗機云」:浦鏜云,疑作「運斗樞」。
②池田秀三〈周礼疏序訳注・周礼注疏序・注20〉:『校勘記』「浦云,斗機
疑運斗樞之誤」、喬松年輯『春秋運斗樞』(『緯攟』巻五所収)按語「序引此文作斗機、定是斗樞之誤。」按ずるに、浦・喬是に似たれども、未だ盡くさず。上文に「機矩」の語あり、かつまた諸書引く鄭注みな「斗機運轉之法」といえば、直ちに誤りと爲すを得ず。今姑く舊に據る。
※校者:池田説は息軒説と暗合す。


故紀於鳥,爲鳥師。(1-2a)

《十行本》【①】作「爲鳥師」無「故」字,是也。【②】

①「十行本」は南宋時代に木版で出版された現存する最古の刊本。
②阮元《十三経注疏校勘記》19-1b「爲鳥師而鳥名」:閩・監・毛本「爲」上衍「故」。
・加藤虎之亮《周禮經注疏音義校勘記》(p.16上段右):疏浙正人輯何本原文同。閩・監・林・毛本・金秦殿福本首衍「故」。


故皆云「師」以目之。(1-2a)

按:「雲師」「龍師」之屬,皆謂天子。此「師」當作「氏」。


言司徒者,以後代官况之。(1-2a)

《十行本》,「况」作「況」。【①】

①阮元《十三経注疏校勘記》19-1b「以後代官況之」:閩・監・毛本「況」改「况」,非。下準此。


使重爲句茫。(1-2a)

諸本「范」作「芒」。「芒」,芽也。【①】

①阮元《十三経注疏校勘記》19-1b「使重爲句芒」:毛本「芒」誤「茫」。
・加藤虎之亮《周禮經注疏音義校勘記》(p.16上段右):諸本及《左傳》同。毛本「芒」誤「茫」。
※校者:息軒《周礼補疏》の底本は毛晉刻本(汲古閣本、崇禎本)だろう。


註云「窮桑」帝少皞之號也。(1-2b)

阮【①】云,杜注無「帝」字。

①阮元《十三経注疏校勘記》19-1b「帝少皞之號也」:案杜注無「帝」字。此衍。


案《鄭語》云:「重、犁爲高辛氏火正。」(1-2b)

阮【①】云:《鄭語》「重犁」作「夫黎」。

按:此本「黎」皆誤「犁」,下不復出之。【②】

①阮元《十三経注疏校勘記》19-1b「重犁爲高辛氏火正」:案《鄭語》云「夫黎爲高辛氏火正」。
②阮元《十三経注疏校勘記》19-1b「重黎之天地官」:閩・監・毛本「黎」作「犁」。


以餘官紀之。(1-2b)

諸本「紀」作「約」。【①】

①阮元《十三経注疏校勘記》19-1b「以餘官紀之」:毛本「約」誤「紀」。


帝曰「疇資,若時」(1-2b)

諸本「資」作「咨」。【①】

①阮元《十三経注疏校勘記》19-2a「疇咨若時登庸」:毛本「咨」誤「資」。


唯驩兜共工放齊𩨬四人而已。(1-2b)

按:「鮌」【①】誤「𩨬」。

①鮌:禹の父、または「鲧」。舜の命を受けて治水に取り組むも失敗し、左遷された。息軒は「𩨬」を以て「鮌」の誤りと為す。按ずるに、安説是也。

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