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a16zがValar Labsに投資した理由

(この記事は公認翻訳ではありません)

「Wheels for the mind(知的自転車)」。知的自転車はMacintoshの初期の広告やカタログのイラストに登場し、荷台にMacintoshをくくりつけて疾走する姿に描かれています。

自転車は人がペダルを漕ぐことで人間の力を増幅し目的地に早く快適に移動することを可能にします。スティーブ・ジョブズにとってテクノロジーはまさにこの自転車のようなものでした。テクノロジーは人間にとって代わるものではなく、人の創造性や能力を引き出し、増幅し、作りたいものや成し遂げたいことをより早く快適に実現するためのツールなのです。」
- スティーブ・ジョブス -

AIはこの美しい考え方の次のレベルを見せてくれる。特にヘルスケア領域以上にこの自転車を組み立てるのが楽しい環境は今他にないだろう。今のヘルスケア領域の進化は人間の限界によって遅くなっている。

Valar Labsはこの課題に真正面から立ち向かっている。彼らはAIというツールをがん治療のツールボックスに入れようとしている。本日、Pear VCおよびDCVCのパートナーと共にValarのシードおよびシリーズAの資金調達を共同リードしたことを発表できることを嬉しく思っている。

ヘルスケアの中のAI: プロの頭脳の為の自転車

AIはどのようにヘルスケア領域にインパクトを残せるのか?スタートアップはそもそもヘルスケア領域の頭脳の為に自転車を作れるのか?作る価値があるのかどの自転車なのか?我々a16z bio + healthはヘルスケア領域のAIアプリを検討するための複数のフレームワークを考えてきたが、一番シンプルでよく使うフレームワークは下の図のフレームワークだ。人間に取って、簡単・難しい。AIに取って簡単・難しい。どの軸も枠もインパクトを残せるが、右上の領域で起きる発明を私はマジックと呼んでいる。トレーニングが難しいAIが人間一人では無限に時間があっても絶対にできないタスクを実現可能にしてくれる。私たちはValar Labsの AI診断プロダクトは、まさにこのマジック領域で発明を起こしていると信じている。

AI vs Human の軸

がん診断の為のソフトウェア:

米国では年間約200万件の新しいがん診断があり、世界中でさらに多くの診断がある。これらの診断を行うために、患者の腫瘍の生検がスライドに置かれ、病理学者が顕微鏡で観察してがんとして組織学的に分類される。コロナ禍の間に、これらのスライドの多くがデジタル化され、病理学者によるバーチャルレビューが行われた。これはすべてのがん患者がすでに腫瘍の組織学的画像を医療記録に保持していて、ケアチームが容易にアクセスできることを意味している(多くの場合完全にデジタル化されてる)。

がん診断が確立された後、次のステップは治療オプションを推奨することだ。治療法を選択するために、腫瘍医は臨床試験の結果と治療ガイドラインに依存しており、これらは通常、特定の治療法に反応するすべての患者の割合(全体の反応率、ORR)に関するデータを提供する。しかし、このデータは個々の患者に適用するのが難しいことがよくある。反応率35%の治療法が承認された場合、3人のうち2人は反応しないことになる。反応しない患者を特定することで、貴重な時間を節約し、厳しい副作用から守ることができる。

患者がすでに持っているこれらの組織学的画像に戻りましょう…これらのスライドに、今日私たちに伝えている以上の情報が含まれているとしたらどうだろう?これらの画像に、人間の病理学者には見えないがAIには理解できる隠れた洞察が埋もれているとしたらどうだろう?これらの情報を使用して、患者の病気の進行を予測することができるとしたらどうだろう?特定の治療法にうまく反応するかどうかを予測することができるとしたらどうだろう?

これらの質問に答えるためにValarチームは世界中の腫瘍医、がんセンター、および研究チームと提携し、臨床応答データと慎重にペアリングされた数千の患者標本画像の大規模なレジストリをいくつか構築した。彼らはこれらのデータでAIアルゴリズムをトレーニングし、AIが人間には見えないものを学習できることを示す結果を発表した。ValarのAI診断テストは膀胱癌患者の個々の癌の攻撃性や、膵臓癌患者がFOLFIRINOX治療法に反応する可能性、または卵巣癌患者がプラチナベースの化学療法に高い反応率を持つか低い反応率を持つかを予測できる。

これらの初期データの強さにより、臨床研究パートナーは、膀胱癌のためのValarの最初の臨床グレードのCLIA検証済み診断製品(Vesta)の早期アクセスプログラムに参加することに興奮している。まだ学ぶべきことはたくさんあるが、腫瘍医から繰り返し聞いたフィードバックは、「この情報が知ることができれば、すべての患者と提供者が知りたいと思うだろう」。

Valarチーム:コードをクリニックに迅速に移行

Valarの共同創設者である Anirudh Joshi、Damir Vrabac、Viswesh KrishnaはスタンフォードのAndrew NgのAIラボで研究者として出会いました。彼らはAIを使って患者に大きな変化をもたらすことに強い動機を持ち、がん治療について学ぶために迅速に動いていた。

彼らの技術的な速さよりも印象的なのは彼らが影響を与えようとしている臨床シナリオの深い理解だ。この理解を得るために、彼らは数多くの腫瘍医や病理学者にコールドメールを送り、最終的には心を通わせた。彼らは新しい治療法を開発しているバイオファーマ企業と話をしている。診断および償還の専門家とのつながりも築いてきた。彼らは全国的な腫瘍学会議に出席し、データを発表し、フィードバックをもらう存在にもなってきた。

ある著名な腫瘍医は、Valarチームと協力することが好きだと言っていた。なぜなら、彼らは「完全な謙虚さと臨床的に何をしているのか学びたいという意欲」を持っているからだ。この意欲は、自分たちのAI、ソフトウェア、実行能力において最先端であるチームにとってまれな特性だ。そして、これは、すべての腫瘍学者の頭脳に最高の新しい「自転車」を開発、検証、配布、スケールするために必要とされるスキルの組み合わせでもある。

元記事:

Valar Labs:


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