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岐阜県立池田高校で
高校生にインタビュー記事の書き方を教える機会がありました。

高校生の書いた原稿を読んでいたらひとつの誤字を発見。

その誤字は「嫌煙」

原稿では「敬遠」と書くべきところで、「嫌煙」となっていたんです。
この二つの言葉、実は、会話では意外と間違いやすいんですよね。

「嫌煙」は「けんえん」と読みます。
「敬遠」は「けいえん」と読みます。

でも、しゃべっていると
「敬遠」も「けんえん」に近い「けぇえん」的な発音になりがちですよね。

ちょっと気になったので、
改めて意味を調べてみました。

けん‐えん【嫌煙】
他人の吸うタバコの煙から受ける害を嫌うこと。

(goo辞書)

けい‐えん〔‐ヱン〕【敬遠】
1 表面では敬う態度で、実際にはかかわりを持たないようにすること。「口うるさいので周囲から—される」
2 かかわりを持つことを嫌ってその物事を避けること。「めんどうな仕事を—する」
3 野球で、投手が打者との勝負を避け、故意に四球を与えること。「強打者を—する」

(goo辞書)

わたしが一番よく耳する敬遠は3番の野球で使われる「敬遠」ですね。
(そういえば、メジャーで活躍中の大谷選手は
あまり敬遠されたと聞かないのですが、
塁に出すと盗塁されちゃうからでしょうか?
それともメジャーリーグの風習なのでしょうか?)

ちょっと注目したいのが、1番目の意味です。
辞書の1番目に載っているということは、これが本来の意味なんだろうなと、さらに掘り下げてみました。

調べてみると元々は
「相手のことを敬いすぎて、近寄ることができない」
という意味だったとか。

たとえば、
推しアイドルが目の前にあらわれたときの
「尊い! マジ、ムリっ! 近づけないっ!!」
という感覚なのかもしれませんね(笑)

そう思って感じをよく見ると
「敬っているから遠く離れる」
という雰囲気が表れていますよね。

現在は「嫌う」ニュアンスが強いことばですが、
元々は「敬う(リスペクト)」だったんですね。

そこから考えてみると、
野球で利用する「敬遠」が一番元の意味に近いのかもしれません。

ボールをストライクゾーンに投げないということは、
相手を強打者として認めて敬っているといえますからね。

ことばひとつも、
こうしてじっくり味わうと奥深くて面白いですね!

もしも気になることばに出会ったら、
ちょっと調べて味わってみてくださいね!

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悠さん(悠木まこと)🐈ことば×ゆるAIで『つなぐ』情報発信📝岐阜のインタビューライター
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