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「長期履修制度」の申請、面白そうだったので付き添ってみた。

1.まえがき

こんにちは、DIa共同代表の【未開人】です。
突然ですが、皆様は東京大学における「長期履修制度」をご存じでしょうか?余り知られていないのですが、東京大学には「長期履修制度」と呼ばれる制度が存在します。「視覚・聴覚・肢体その他の障害があるため長期にわたり修学に相当な制限を受ける」と認められた、在学期間1年未満の学生が申請することができる制度のことで、教養学部規則の第22条に定められています。これにより、在学年数は留年と同じ扱いになるが、授業料は1年分払えばよい、という制度です。面倒くさいですね。

長期履修制度を申請するためには、教務課に申請を行った上、審査を通過する必要があります。今回は当サークルに、長期履修制度を新たに申請したい学生から連絡が入りました。そこで私【未開人】が当該学生に付き添うとともに、嬉しいことに今回の申請の様子についてリポートを書く許可を得ました。学生の詳細な情報はプライバシー保護のために伏せますが、仮にA君としておきます。

今回の申請の日程が14日の正午までだったのですが、学生Aからその連絡を受け取ったのは12日。そのため翌13日に行くことにしたのですが、学生Aは申請が午前中しかできないと読み間違えていたようです。本人曰く「僕ADHDなんで」とのことです。書類のダブルチェックのおかげで助かった。冗談でなく、ADHDの場合、書類を書いたり日程を確認する時点でふるいに掛けられるので、支援者が必要です。本当に重症だと一人で支援の申請すらできないという残酷な現実があります……。

2.教務課いってみた

紆余曲折ありつつも、なんとか当日にA君と合流することができました。彼曰く「起きれるかわからないっすわ」とのことでしたので、胸をなでおろしました。東京大学の教務課は16時までしか開いていないのですが、A君は5限後起床がザラだそうなので、起きれたのは奇跡に近いそうです。どうして起きれたのか尋ねてみると「一夜漬けしました」との回答が得られました。健常者にとってもそうですが、発達障害者にとっては睡眠不足はあらゆる精神的な不調を引き起こす原因です。窓口に行って書類を申請することすら命がけになります。

今回伺ったのは駒場キャンパスのアドミニストレーション棟。長期履修やバリアフリー制度の申請の場合、伺うのは3番窓口になります。メンタルがやられると定期的にお世話になることになる窓口です。

▲赤くなってるここ。休学・留年・他クラス履修などでもお世話になる。

A君と一緒に三番窓口に突入。A君が丁寧に「長期履修制度の申請に伺ったのですが」と職員に告げると、職員が急に私に目線をやり戸惑いだしました。それもそのはず、極めて個人的な情報を扱う長期履修制度に複数人で申請に来る訳がありません。「お二人で申請に来たんですか? それともこちらの方はお友達?」との職員の質問に、「友達です。興味があるそうなので連れてきました」と淡々と答えるA君。興味があるといって長期履修に付き添う狂人を未だかつて見たことがないのか、職員はかなり戸惑っていました。加えて、当時の私の装いはメガネにチェックのネルシャツ、ジーパンというイカ東スタイル。おまけに無精ひげがかなり伸びていました。職員が立ち去った後にA君が「この二人で来たら【未開人】さんの方が申請者に見えますよね」とヘラヘラ笑っていました。殺してやろうと思った。

最初の職員さんが立ち去った後、二人目の職員さんが現れて具体的な説明を始めました。

まずは具体的な日程調整です。長期履修の必要性があるかを面談を通じて確かめるのですが、この場で日程を決めるのと、メールを通じたやり取りで決めるののどちらがいいかを聞かれます。このメール対応というのが凄まじくて、即日送られてきます。しかも、A君は案の定というか返信を放置してしまったのですが、2日程すると再確認のメールが送られてきます。加えて、対面で行うのと、Zoomで行うのとどちらがいいのかを聞かれます。連絡先に関しては入学の際に登録してあるアドレスを調べて送ってくれるので大変スムーズです。

以上のやり取りを含めて10分にも満たなかったと思います。A君がバリアフリーの申請を既に行っていたからスムーズに進んだという点はあると思います。持ち物としては学生証さえ持っていけばなんとかなるといった感じです。

バリアフリーの面接に関しては、A君から追って情報提供があるので「後編」にて公開しようと思います。それではよい一日を。


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