モーツァルト:弦楽四重奏曲 第12番 変ロ長調 K.172

00:00 I. Allegro spiritoso
04:30 I. Adagio
09:38 III. Menuetto
13:21 IV. Allegro assai

再生時間 17'' 46'

モーツァルトの**弦楽四重奏曲第12番 変ロ長調 K.172**は、1773年に作曲された作品で、モーツァルトが17歳の時期にウィーンで書いた6つの弦楽四重奏曲の1つです。これらの四重奏曲は「ウィーン四重奏曲」とも呼ばれ、当時の弦楽四重奏の様式を採り入れつつ、モーツァルト独自の創意が発揮された作品群の一部です。

### 作曲の背景
1773年のウィーン滞在中に、モーツァルトは弦楽四重奏という形式に特に興味を抱いていました。彼はその前年にハイドンの影響を受けた初期の四重奏曲をいくつか作曲しており、その経験をもとにさらに技術的に洗練された作品を生み出そうとしていました。ハイドンの影響は、特に四重奏という形態の成熟や、声部間の対話を重視した構成に見られます。

K.172の弦楽四重奏曲は、その中でも豊かな和声と巧みな対位法、そして若きモーツァルトの感性が溢れる表現力が特徴です。この作品では、弦楽四重奏という形式が単に楽器同士の伴奏やメロディの分担に留まらず、各楽器がそれぞれ独立した対話を行うような書法が見られます。

### 構成
この四重奏曲は、以下の4つの楽章から構成されています。

1. **第1楽章: Allegro**
- ソナタ形式による第1楽章は、明快で親しみやすい主題から始まります。変ロ長調の明るく活気に満ちた性格を持ち、旋律的にも和声的にも調和のとれた展開が特徴です。特に2つの主題の対比や、提示部と展開部での和声進行の工夫が見どころです。

2. **第2楽章: Adagio**
- 変ホ長調で書かれた第2楽章は、ゆったりとした旋律が優雅に展開されます。情感豊かな和声と、美しい装飾音が絡む音楽で、内面的な深さを持った瞑想的な雰囲気を醸し出しています。この楽章は、モーツァルトの若さを感じさせつつも成熟した感性が現れる部分です。

3. **第3楽章: Menuetto - Trio**
- メヌエットとトリオの形式を持つ第3楽章は、典雅でリズミカルな舞曲風の音楽です。特にメヌエット部分は堂々としており、トリオ部分では軽やかな雰囲気が展開されます。この楽章はモーツァルトの遊び心と、伝統的な舞曲形式への敬意が感じられます。

4. **第4楽章: Allegro**
- フィナーレは再び明るい変ロ長調で、軽快で活発なフィナーレとしてこの作品を締めくくります。この楽章もソナタ形式に近い形で書かれており、明確な主題が繰り返され、楽器間での対話が鮮やかに展開されます。

### 楽曲の特徴
モーツァルトのこの時期の四重奏曲は、彼が弦楽四重奏という形式に深く入り込んでいたことを示しています。ハイドンの影響を受けつつも、彼の個性的な旋律感や和声感が表れ、声部間の均等な役割分担が見られます。特に、ヴァイオリンが主導するのではなく、各楽器が互いに対話することで音楽が成立する点が注目されます。

1955年2月にバリリ弦楽四重奏団(Barylli Quartet)が録音したモーツァルトの「弦楽四重奏曲 第12番 変ロ長調 K.172」の演奏者について解説します。

### バリリ弦楽四重奏団(Barylli Quartet)について
バリリ弦楽四重奏団は、1945年にオーストリア、ウィーンで結成され、1950年代を中心に活動した弦楽四重奏団です。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによって構成されており、当時のウィーンの音楽文化の中心的な存在でした。彼らの演奏は、伝統的なウィーンの解釈と様式を反映し、柔らかく、リリカルな音色が特徴です。

#### 演奏者:
1. **ヴァイオリン1**: **ワルター・バリリ**(Walter Barylli)
四重奏団の中心人物で、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターも務めていました。バリリは、豊かな表現力と技術の確かさで知られ、モーツァルトやベートーヴェンなど、クラシックのレパートリーで高く評価されていました。

2. **ヴァイオリン2**: **オットー・シュトラッサー**(Otto Strasser)
ウィーン・フィルの副コンサートマスターで、四重奏団の中で第二ヴァイオリンを担当していました。シュトラッサーは、バリリのリードに柔軟に応じつつ、繊細かつ協調性のある演奏を提供しました。

3. **ヴィオラ**: **ルドルフ・シュトラング**(Rudolf Streng)
ウィーン・フィルのヴィオラ奏者で、四重奏団の豊かな中音域を担いました。彼のヴィオラ演奏は、温かみのある音色とリズム感に優れており、モーツァルトの複雑な和声をしっかりと支える役割を果たしました。

4. **チェロ**: **エマヌエル・ブルームベルク**(Emanuel Brabec)
ウィーン・フィルの首席チェロ奏者で、四重奏団の低音域を支えました。ブルームベルクは、重厚でありながら柔らかさを持つ音色が特徴で、モーツァルトの音楽の中で旋律的な役割とリズムの基盤の両方をバランスよく保っていました。

### 演奏の特徴
バリリ弦楽四重奏団によるモーツァルトのK.172の演奏は、ウィーン伝統の美学を反映し、深い感情表現と洗練された技術が見事に調和しています。特に、この時期のウィーン・フィルのメンバーによる演奏は、モーツァルトの古典的な響きを最も自然に表現したものとして評価されています。

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#モーツァルト #弦楽四重奏曲第12番 #変ロ長調 #K172

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