モーツァルト：弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 K.428/421b（Mozart：String Quartet No.16 in E flat major, K.428/421b）
07:09 II. Andante con moto
14:22 III. Menuetto: Allegro
21:23 IV. Allegro Vivace
アマデウス弦楽四重奏団が1951年に録音した音源
モーツァルトの弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 K.428/421bは、彼の生涯で作曲された23曲の弦楽四重奏曲の中でも特に重要な位置を占めています。この作品は、1783年にウィーンで書かれ、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンに献呈された6曲の「ハイドン・クォーテット」の一つです。モーツァルトはハイドンの作品に深く影響を受け、その敬意を表してこれらの四重奏曲を作曲しました。
### 第1楽章: Allegro non troppo
この楽章はソナタ形式で書かれており、冒頭から聴衆の注意を引きつける力強い主題が提示されます。この主題は、その後の展開部で様々な形で変奏され、対位法的な技巧を駆使しながら加工されていきます。再現部では、より和声的に豊かな形で主題が戻ってきます。
### 第2楽章: Andante con moto
この楽章は、より抒情的で、感情的な深みを持っています。モーツァルトは変ホ長調の穏やかな雰囲気を生かして、美しい旋律を展開します。繊細な弦楽器のテクスチャーが特徴的で、各楽器の声部が独立しているため、会話するような対話が楽しめます。
### 第3楽章: Menuetto: Allegretto
メヌエット楽章は、より伝統的なダンス形式を採用していますが、モーツァルト特有の創意が感じられる作りとなっています。中間のトリオ部分では、より穏やかでリリカルな音楽が展開され、対照的な雰囲気を作り出しています。
### 第4楽章: Allegro vivace
終楽章では、エネルギッシュなアレグロ・ヴィヴァーチェが聴かれます。ソナタ形式の再び採用され、主題が様々な方法で展開されます。この楽章は、技術的にも要求が高く、演奏者には精密なアンサンブルと速いパッセージの正確な演奏が求められます。
モーツァルトのこの四重奏曲は、彼の弦楽四重奏曲の中でも特に洗練された作品であり、ハイドンへの敬愛とともに、自身の音楽的な成熟を示しています。
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