モーツァルト 弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K 575(プロシャ王第1番)

00:00 I. Allegretto
05:29 II. Andante
10:23 III. Menuetto: Allegretto
15:37 IV. Allegretto

再生時間 21'' 54'

モーツァルトの弦楽四重奏曲第21番(K. 575)は、1790年6月に作曲された作品で、いわゆる「プロイセン四重奏曲」の一つです。この四重奏曲は、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世のために書かれたとされ、弦楽四重奏のジャンルにおける彼の後期作品の一つです。この時期のモーツァルトの作品は、音楽的な深みと形式の完璧さが融合しており、弦楽四重奏という形式の限界を押し広げる内容を持っています。

### 背景
「プロイセン四重奏曲」は、プロイセン王がチェロを得意としていたため、チェロのパートが特に目立つという特徴があります。この第21番K. 575でも、チェロが通常の伴奏的な役割を超えて、独立した旋律的な役割を果たしています。モーツァルトは当初、王のために6曲の四重奏曲を計画していましたが、実際に完成したのは3曲だけで、このK. 575はそのうちの最初の曲です。

### 構成
この四重奏曲は4つの楽章から構成されています。

#### 第1楽章:Allegretto
ソナタ形式によるこの楽章は、穏やかで優雅な性格を持っています。第1ヴァイオリンが明快な主題を提示し、その後、他の楽器がそれに応じる形で対話的に進んでいきます。チェロはここでも重要な役割を果たし、特に低音部だけでなく、メロディラインに積極的に参加します。

#### 第2楽章:Andante
ゆったりとした美しい旋律が特徴の緩徐楽章です。第1ヴァイオリンが主導する形で、穏やかで叙情的な主題が展開されます。ここでもチェロの役割が重要であり、通常のバスラインだけでなく、ソリスティックな要素を含んだメロディを奏でる場面が見られます。

#### 第3楽章:Menuetto: Allegretto
明るく軽やかなメヌエットです。三部形式で構成され、中間部ではチェロの旋律が特に際立っています。メヌエットは社交的で洗練された雰囲気を持っており、バランスの取れた形式美が印象的です。

#### 第4楽章:Allegretto
この楽章もソナタ形式で書かれており、全曲を締めくくるにふさわしい活発なフィナーレです。第1ヴァイオリンが主題を提示し、それが他の楽器に展開されていく形で、複雑な対位法的な要素が取り入れられています。楽章全体を通じて、チェロは引き続き重要な役割を果たし、四重奏の他のメンバーとの対話が聴きどころとなります。

### 特徴
この四重奏曲の最大の特徴は、チェロの役割が強調されている点です。モーツァルトは、プロイセン王の演奏技術を考慮してチェロに重要なパートを与え、その結果、各楽器がより対等に扱われるバランスの取れたアンサンブルが実現しています。また、モーツァルト晩年の作品らしい成熟した和声と豊かな旋律が、全楽章を通じて感じられます。

モーツァルトの弦楽四重奏曲第21番は、技術的にも音楽的にも高度な作品であり、演奏者たちに精緻なアンサンブル技術と感情表現が求められます。それと同時に、聴衆にとっても非常に魅力的で、洗練された構成が楽しめる作品となっています。

1955年にバリリ弦楽四重奏団(Barylli Quartet)が録音したモーツァルトの弦楽四重奏曲第21番ニ長調K.575(「プロシャ王第1番」)は、当時のウィーンフィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる質の高い演奏として知られています。バリリ弦楽四重奏団は、ウィーンの伝統的な演奏スタイルを体現したアンサンブルであり、その演奏はモーツァルトの作品に適した透明感のある音色と精緻なアンサンブルが特徴です。

### バリリ弦楽四重奏団のメンバー
1955年の録音当時のメンバーは次の通りです。

- **第1ヴァイオリン: ヴィリー・バリリ (Willi Boskovsky)**
ヴィリー・バリリはウィーンフィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めたヴァイオリニストであり、ウィーン特有のリリカルなスタイルと流れるようなフレージングが特徴的です。バリリ弦楽四重奏団のリーダーとして、全体の演奏の統一感と音楽的方向性を牽引しました。

- **第2ヴァイオリン: オットー・シュトラッサー (Otto Strasser)**
シュトラッサーは、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のヴァイオリニストで、バリリ弦楽四重奏団の創設メンバーの一人です。第2ヴァイオリンとして、内声部を支えつつも、音楽に豊かな色彩を加える役割を担いました。

- **ヴィオラ: ルドルフ・シュトラッサー (Rudolf Streng)**
ヴィオリストとして、シュトラッサーは四重奏のハーモニーの要となる役割を果たしました。彼のヴィオラは、柔らかく温かみのある音色で、モーツァルトの作品のエレガントさと調和を支える重要な役割を果たしています。

- **チェロ: ニコラウス・ヒューブナー (Nikolaus Hübner)**
ヒューブナーはチェリストとして、プロシャ王のチェロ愛好を反映したこの作品において、特に重要な役割を果たしました。モーツァルトの弦楽四重奏曲第21番は、チェロにメロディを与える場面が多く、ヒューブナーの表現豊かな演奏はこの録音の大きな特徴の一つです。

### 演奏の特徴
バリリ弦楽四重奏団の1955年の録音は、ウィーンのクラシカルな演奏スタイルに基づき、モーツァルトの音楽に特有の透明感とエレガンスが際立ちます。全体的に軽快で自然なテンポ設定がされており、各パートが緻密に対話しながら進行する構成となっています。特にヴィリー・バリリの第1ヴァイオリンは、楽曲の主題を明確かつ優雅に表現し、またヒューブナーのチェロは低音域での豊かな響きとリードメロディが際立っています。

この四重奏曲において、モーツァルトがチェロに与えた自由で豊かな役割を、ヒューブナーが高度なテクニックで見事に表現している点が、この録音の聴きどころです。また、アンサンブル全体としてのバランスが非常に良く、ウィーンの伝統的な音楽解釈を反映した精緻な表現が、この演奏の特徴です。

バリリ弦楽四重奏団によるモーツァルトの弦楽四重奏曲第21番の1955年録音は、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の名手たちによる名演として、今もなお高く評価されています。

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