ハイドン 弦楽四重奏曲 ハ長調「鳥」, Op.33, No.3,Hob.3:39
04:58 II. Scherzo: Allegretto
07:41 III. Adagio ma non troppo
13:33 IV. Rondo: Presto
再生時間 16'' 11'
ハイドンの弦楽四重奏曲 ハ長調「鳥」, Op.33, No.3, Hob.III:39は、ハイドンの弦楽四重奏曲の中でも親しみやすい魅力を持つ作品として知られています。この四重奏曲は、1770年代にハイドンが弦楽四重奏という形式を確立した「ロシア四重奏曲」(Op.33)の一部に含まれています。「鳥」という愛称は第1楽章の旋律が鳥のさえずりを連想させることから後世に付けられたもので、ハイドン自身が名付けたものではありません。
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### 作曲の背景と経緯
1. **時代背景**
ハイドンは1770年代後半、エステルハージ侯爵の宮廷楽団での活動を続けながら作曲を行っていました。この時期、彼はオペラや交響曲の作曲に加え、室内楽の分野でも新たな挑戦を行っていました。
Op.33の弦楽四重奏曲は1779年に発表され、当時「全く新しい、独自の形式で書かれている」とハイドンが述べたことが記録に残っています。これは、形式的な自由度やユーモアを取り入れた表現の進化を指しています。
2. **出版と献呈**
Op.33の6曲はロシアの大公妃マリア・フェオドロヴナに献呈されたことから「ロシア四重奏曲」とも呼ばれます。出版後すぐに広く受け入れられ、ハイドンの室内楽作家としての名声を確立しました。
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### 楽曲の詳細な説明
**第1楽章:** *Allegro moderato*
ハ長調。4分の2拍子。第1ヴァイオリンが奏でる軽快な主題が特徴的で、その跳ねるような旋律が鳥の鳴き声を彷彿とさせます。シンプルながらも巧妙な展開を見せ、楽章全体が明るく軽やかな雰囲気に包まれています。
**第2楽章:** *Scherzo. Allegretto*
ハ短調。4分の3拍子。スケルツォ形式で、独特のリズム感と鋭い対比が特徴です。トリオ部分では明るいハ長調に転じ、全体的にリズミカルでユーモラスな印象を与えます。
**第3楽章:** *Adagio*
変ホ長調。4分の3拍子。ゆったりとした美しい旋律が中心で、特に第1ヴァイオリンの歌うような表現が印象的です。シンプルな伴奏と優雅な主題が静かな感動を呼び起こします。
**第4楽章:** *Rondo. Presto*
ハ長調。8分の6拍子。軽快なロンド形式で、快活な旋律が次々と展開されます。特にリズムの変化やダイナミックなコントラストが聴衆を楽しませます。終結部では、エネルギッシュなフィナーレで締めくくられます。
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### 音楽的特徴と影響
- **新しい形式の試み:** ハイドンはこの作品でユーモアや遊び心を重視し、後のモーツァルトやベートーヴェンの弦楽四重奏曲に影響を与えました。
- **対位法と旋律の活用:** 各楽器の役割が均等に分担され、対位法的な要素が随所に見られます。また、旋律の軽やかさや親しみやすさが魅力です。
- **即興的な要素:** 特に第4楽章では即興性を感じさせるフレーズが見られ、聴衆を引き込む力を持っています。
この四重奏曲は、ハイドンのウィットと作曲技術が見事に融合した作品であり、18世紀後半の音楽の中でも際立つ存在と言えるでしょう。
プロ・アルテ弦楽四重奏団(Pro Arte String Quartet)は、20世紀前半において最も名高い弦楽四重奏団の一つであり、1931年12月1日に録音されたハイドンの弦楽四重奏曲 ハ長調「鳥」, Op.33, No.3, Hob.III:39は、彼らの歴史的な録音の一つです。この演奏は、プロ・アルテ弦楽四重奏団が持つ音楽的特徴と、当時の演奏スタイルの記録として重要です。
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### プロ・アルテ弦楽四重奏団について
1. **結成と背景**
プロ・アルテ弦楽四重奏団は1912年にベルギーで結成されました。当初はフランスとベルギーを中心に活動しており、室内楽の分野で高い評価を受けました。特に、ヨーロッパで活発に活動していた1920年代から1930年代にかけては、彼らの録音が世界的な知名度を築くきっかけとなりました。
2. **メンバー構成(録音当時)**
- **第1ヴァイオリン:** アルベール・ゴランスキー(Alber Golaerts, 1885-1944)
弦楽四重奏のリーダーであり、繊細で表現力豊かな演奏スタイルで知られていました。
- **第2ヴァイオリン:** ローレンス・ファーブル(Laurent Fabre, 1890-1946)
内声部のバランスを支えながら、精密なアンサンブルを維持する役割を果たしました。
- **ヴィオラ:** ジョルジュ・ヤンセン(Gérard Jansen, 1887-1943)
温かみのある音色で、和声の要として四重奏全体を支えました。
- **チェロ:** フェルディナン・ルポー(Ferdinand Lupo, 1893-1952)
重厚で豊かな低音を提供し、四重奏に深みを与える存在でした。
3. **レパートリーと特徴**
プロ・アルテ弦楽四重奏団は、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどの古典派の作品を得意としつつ、現代音楽の推進にも貢献しました。彼らの演奏スタイルは、均整の取れたアンサンブル、繊細な音色、そしてリズム感の鋭さに特徴があります。
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### 録音の詳細と評価
1. **録音場所と技術**
この録音は1931年12月1日にロンドンで行われました。録音技術は電気録音が主流となった時代のもので、当時としては高品質の音響を実現しています。
2. **演奏の特徴**
- アンサンブルの均整の取れた精度が際立ち、特にハイドンのユーモアや遊び心が見事に表現されています。
- 楽器の音色は柔らかく、内声部の動きや対話が明瞭に聞こえ、各楽器の役割が丁寧に際立っています。
- テンポの選択は当時の演奏慣習に沿ったもので、比較的穏やかでありながら、生き生きとしたリズム感が印象的です。
3. **批評と影響**
この録音は、当時の室内楽演奏の基準を高める重要な作品と見なされています。また、プロ・アルテ弦楽四重奏団の録音は、その後の四重奏団に多大な影響を与え、室内楽の発展に貢献しました。
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### 歴史的意義
プロ・アルテ弦楽四重奏団による「鳥」の録音は、ハイドンの音楽の解釈において歴史的な価値を持つだけでなく、当時の演奏美学や技術を伝える貴重な記録です。この録音は、現在も古典派音楽の演奏史を学ぶ上で重要な資料として評価されています。
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