ダンディ フランス山人の歌による交響曲 作品25

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再生時間 23'' 54'

### **ヴァンサン・ダンディ:《フランス山人の歌による交響曲》, 作品25 の詳細解説**

#### **1. 作曲の背景**
ヴァンサン・ダンディ(Vincent d’Indy, 1851–1931)はフランスの作曲家であり、フランク派の代表的な音楽家の一人です。彼はパリ音楽院で学んだ後、セザール・フランクの影響を強く受け、フランス近代音楽の発展に寄与しました。《フランス山人の歌による交響曲》(*Symphonie sur un chant montagnard français*, Op. 25)は1886年に作曲され、翌1887年3月にパリで初演されました。

この作品は、ダンディがフランス南部のセヴェンヌ山脈(Cévennes)地方を訪れた際に聴いた民謡を題材にしており、特にアルデシュ地方の山岳地帯に由来する旋律が用いられています。彼はこの曲を「交響曲」と名付けていますが、実際には独奏ピアノと管弦楽のための作品であり、ピアノ協奏曲と交響曲の中間に位置するような形式をとっています。

#### **2. 楽曲の構成**
この作品は単一楽章ですが、通常の交響曲のように三部構成(急-緩-急)を持っています。特筆すべきは、全体を通してピアノが独奏楽器として活躍するものの、典型的なピアノ協奏曲とは異なり、オーケストラとの緊密な対話が重視されている点です。

##### **第1部(Moderato)**
冒頭では、静かで荘厳な弦楽器による序奏が提示されます。その後、フルートが主旋律となる「フランス山人の歌(*chant montagnard français*)」を奏でます。この旋律は牧歌的でありながらも、どこか哀愁を帯びた雰囲気を持っています。ピアノが加わると、旋律は変奏されながら発展し、次第に力強い音楽へと変化していきます。

##### **第2部(Assez modéré)**
緩徐部分では、木管楽器とピアノが穏やかな対話を繰り広げ、フランスの田園風景を思わせる柔和な雰囲気が広がります。特に、ハープや弦楽器による透明感のある響きが際立ちます。ピアノのパッセージは技巧的というよりも、詩的な雰囲気を醸し出す役割を担っています。

##### **第3部(Animé)**
終楽章では、冒頭の旋律が再現されますが、より活気に満ちたリズムが加わり、力強い推進力を持ちます。ピアノとオーケストラが絡み合いながら、ダイナミックな展開を見せ、最後は壮麗なクライマックスへと向かいます。

#### **3. 音楽的特徴**
- **旋律の民俗的要素**: フランス南部の民謡を基にしているため、素朴でありながらも叙情的な旋律が際立つ。
- **ピアノとオーケストラの融合**: 協奏曲とは異なり、ピアノがオーケストラの中に溶け込むようなアプローチがなされている。
- **印象派的な響き**: ダンディの音楽にはフランク派の影響だけでなく、ドビュッシーやラヴェルのような色彩的なオーケストレーションも感じられる。

#### **4. 影響と評価**
この作品は、フランス音楽史において独特の位置を占めています。フランク派の精神を受け継ぎながらも、フランスの民俗的要素を取り入れたことで、ロマン主義と印象主義の橋渡しをするような作品となっています。

また、この交響曲はフランスの作曲家たちに大きな影響を与えました。特に、20世紀のフランスの作曲家たち(デュカス、ルーセルなど)が民族的な素材を交響的な文脈で扱う際の先駆的な例とされています。

#### **5. まとめ**
ヴァンサン・ダンディの《フランス山人の歌による交響曲》は、フランスの民俗音楽と交響的手法を見事に融合させた作品です。ピアノとオーケストラの対話が特徴的で、民謡の素朴さと交響的な壮大さが共存する独自のスタイルを確立しています。フランスの交響音楽の中でも、特に親しみやすく、美しい作品の一つとして高く評価されています。

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1934年5月24日と25日に録音されたヴァンサン・ダンディの「フランス山人の歌による交響曲」について、演奏者の詳細情報をお伝えします。この録音では、ピアニストのマルグリット・ロンがソリストを務め、ポール・パレーが指揮し、コンセール・コロンヌ管弦楽団が演奏を担当しました。

**マルグリット・ロン(Marguerite Long, 1874年11月13日 - 1966年2月13日)**
フランスのピアニストであり教育者です。ガブリエル・フォーレやクロード・ドビュッシーなど、同時代の作曲家との親交が深く、彼らの作品の初演や普及に貢献しました。ロンは、1920年にパリ音楽院の教授となり、多くの優れたピアニストを育てました。また、1943年にはジャック・ティボーと共に「ロン=ティボー国際コンクール」を創設し、若手音楽家の育成に尽力しました。

**ポール・パレー(Paul Paray, 1886年5月24日 - 1979年10月10日)**
フランスの指揮者であり作曲家です。パレーは、フランス国内外の主要なオーケストラを指揮し、高い評価を得ました。特にデトロイト交響楽団の音楽監督として、オーケストラの水準を大きく向上させたことで知られています。彼の指揮は、フランス音楽のエレガンスと明晰さを特徴としています。

**コンセール・コロンヌ管弦楽団(Orchestre des Concerts Colonne)**
1873年にエドゥアール・コロンヌによって設立されたフランスのオーケストラです。創設以来、フランス音楽の普及と新作の初演に積極的に取り組んできました。多くの著名な指揮者やソリストと共演し、フランス音楽界において重要な役割を果たしています。

この録音は、20世紀前半のフランス音楽界を代表するアーティストたちによる貴重な記録であり、ダンディの作品解釈においても重要な位置を占めています。

なお、1934年5月24日と25日に録音されたこの演奏は、78回転盤としてリリースされ、その後、CDなどの媒体でも復刻されています。現在では、インターネット上で音源を聴くことも可能です。

以下のリンクから、同作品の別の演奏を視聴できます。

[ダンディ: フランス山人の歌による交響曲](https://www.youtube.com/watch?v=d8cV7nyk00E&utm_source=chatgpt.com)

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#ダンディ #フランス山人の歌による交響曲 #作品25

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