ハイドン：協奏交響曲 変ロ長調『協奏交響曲』Hob.I-105
09:17 II. Andante
14:15 III. Allegro con spirito
(チェロ）エンリコ・マイナルディ
フリッツ・レーマン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1951年9月＆1952年6月録音
ハイドンの交響曲第105番変ロ長調『協奏交響曲』は、一般には「交響曲第105番」として知られているわけではありません。この楽曲は、実際には「協奏交響曲 変ロ長調 Hob.I:105」として分類されることが多いです。以下に、この楽曲の背景と詳細について説明します。
### 背景
ハイドンは古典派音楽の重要な作曲家の一人であり、多くの交響曲を作曲しました。しかし、交響曲第105番は通常の交響曲とは異なり、独奏楽器と管弦楽が対話する形式の「協奏交響曲」として作られています。協奏交響曲は、協奏曲と交響曲の要素を組み合わせた形式で、18世紀後半に流行しました。
### 作曲の背景
この協奏交響曲は1792年に作曲されました。当時、ハイドンはロンドンを訪れ、そこで多くの新しい作品を発表していました。ロンドンの観客は新しい音楽を強く求めており、ハイドンの協奏交響曲もその一環として作られました。
### 楽曲の詳細
協奏交響曲変ロ長調 Hob.I:105は、以下のような編成と楽章構成を持っています：
#### 編成
- 独奏楽器：フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロ
- 管弦楽：弦楽器（第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス）、2本のホルン、2本のトランペット、ティンパニ
#### 楽章構成
1. **アレグロ**：力強い序奏で始まり、独奏楽器と管弦楽が活発にやり取りします。
2. **アンダンテ**：ゆったりとしたメロディが特徴の緩徐楽章。独奏楽器の美しい旋律が際立ちます。
3. **フィナーレ（アレグロ・コン・スピーリト）**：生き生きとした終楽章で、独奏楽器と管弦楽がダイナミックな対話を繰り広げます。
### 音楽的特徴
- **対話形式**：独奏楽器と管弦楽が交互にテーマを受け渡す形式が特徴です。
- **旋律の美しさ**：各独奏楽器には印象的な旋律が与えられており、特に第2楽章のアンダンテではその美しさが際立ちます。
- **リズムの活発さ**：フィナーレでは速いテンポとリズミカルな要素が楽曲に活気を与えています。
ハイドンの協奏交響曲変ロ長調 Hob.I:105は、彼の創造性と技術の高さを示す作品であり、独奏楽器と管弦楽の対話を通じて聴衆を魅了します。この楽曲は、ハイドンがロンドンで受けた影響と、18世紀後半の音楽の多様性を反映しています。
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