ショパン ノクターン 作品15 Chopin Nocturnes for piano, Op.15

00:00 Nocturne No. 4 in F Major, Op. 15, No. 1
04:16 Nocturne No. 5 in F-Sharp Major, Op. 15, No. 2
08:40 Nocturne No. 6 in G Minor, Op. 15, No. 3

再生時間 13''49'

ショパンの《ノクターン Op.15》は、1830年から1833年にかけて作曲され、1834年に出版された3つのノクターン(第4番ヘ長調、第5番ヘ短調、第6番ト長調)を含む作品です。このノクターン集は、ショパンのノクターン様式がより洗練され、劇的な要素が加わり、音楽的な表現力が豊かになった時期の作品です。

この作品は、当時のロマン派の流れを汲みつつ、ショパン独自の抒情性と洗練されたピアニズムが際立っており、ジョン・フィールド(1782-1837)の影響を受けつつも、彼のノクターンよりもはるかに個性的で詩的な表現が確立されています。

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## **各曲の解説**
### **第4番 ヘ長調(No.4 in F major)**
このノクターンは、穏やかで甘美な旋律を持ち、透明感のある和声が特徴です。曲は **A-B-A** 形式(複三部形式)で書かれており、最初のA部分では、優雅な右手の旋律がシンプルな伴奏とともに流れます。
B部分では、一転して短調になり、より情熱的で内省的な雰囲気に変わりますが、再びA部分が回帰することで静けさと安定感を取り戻します。

この曲は、ショパンのノクターンの中でも比較的シンプルながら、洗練された美しさが際立っており、夜の静けさとロマンティックな夢想を感じさせます。

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### **第5番 ヘ短調(No.5 in F-sharp minor)**
このノクターンは、より劇的で情熱的な性格を持っています。 **アレグロ・アッサイ(Allegro assai)** で開始され、激しいパッセージが印象的です。
左手の伴奏は短調の雰囲気を強調し、右手の旋律は不安定で揺れ動くような感情を表現しています。

中間部では、和らいだ旋律が現れ、一時的に穏やかな雰囲気になりますが、すぐに冒頭の激しい部分が回帰し、最後は短調の和音で劇的に終わります。この曲は、ショパンのノクターンの中でも特にドラマティックな要素が強く、ベートーヴェン的な激しさを感じさせます。

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### **第6番 ト長調(No.6 in G major)**
このノクターンは、華やかで流麗な旋律を持ち、ショパンのノクターンの中でも特に光に満ちた雰囲気を持っています。
**アンダンテ** で始まり、右手の旋律が優美に流れますが、中間部ではより不安定な雰囲気が生まれ、一時的に緊張感が高まります。

このノクターンは、まるで星空の下で静かに語りかけるような雰囲気を持ち、リリカルでありながらも、内面的な深みを備えています。

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## **作曲の背景と経緯**
ショパンが《ノクターン Op.15》を作曲した1830年代初頭は、彼がワルシャワを離れ、ウィーンを経てパリへと移住する過渡期にあたります。この時期は、ショパンにとって音楽的な成熟が進むと同時に、ポーランドの政治的混乱(1830年のポーランド蜂起とその鎮圧)によって精神的にも大きな影響を受けていました。

ショパンはこのノクターンをウィーン時代に着想し、パリで完成させました。彼のノクターンは、一般的な夜想曲の概念を超えて、より内面的で個人的な感情を反映する作品へと発展しました。特に第5番ヘ短調は、ショパンの祖国ポーランドの運命に対する苦悩や悲しみを反映しているとも言われます。

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## **ギオマール・ノヴァエスの1956年録音について**
ブラジル出身のピアニスト **ギオマール・ノヴァエス(Guiomar Novaes, 1895-1979)** は、ショパンの演奏で名高く、その独特な詩情あふれる解釈が特徴でした。彼女はアルトゥール・ルービンシュタイン、クラウディオ・アラウと並び、ラテンアメリカを代表するピアニストの一人とされています。

ノヴァエスの演奏スタイルは、 **非常に流麗でありながら、明瞭なタッチと豊かな音色を備えており、ショパンのノクターンに適した詩的な表現** を得意としていました。1956年に発表された彼女の《ノクターン Op.15》の録音は、その **洗練されたフレージングと自然なルバート** によって、他のピアニストとは一線を画す演奏とされています。

ノヴァエスのショパン演奏は、単にテクニックに頼るのではなく、楽曲の持つ感情の深みや詩的な要素を際立たせる点で評価されており、特にこの1956年録音では、 **内省的な静けさと、感情の揺らぎを表現する美しいタッチが特徴的** です。

彼女の解釈は、19世紀のショパン演奏の伝統を受け継ぎつつ、20世紀においても **自然で洗練されたアプローチ** を示したものといえます。

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## **まとめ**
《ノクターン Op.15》は、ショパンのノクターンの発展の中でも重要な作品であり、 **抒情的な旋律、洗練された和声、劇的な表現の融合** が見られる一連の作品です。

ギオマール・ノヴァエスの1956年録音は、その詩的で流麗な解釈によって、ショパンの持つロマンティックな側面と内省的な深みを見事に表現しており、ショパン演奏の名盤の一つとして知られています。

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