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第二のチャンス:『説得』から読み解く人生とキャリアの転機 - ジェーン・オースティンのブッククラブ メンターの夏休み企画③


夏休みは、日頃の忙しさから離れ、心身ともにリフレッシュする絶好の機会です。ジェーン・オースティンの『説得』は自己成長と再生の物語を通して、過去の決断を見つめ直し、未来に向けて新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。

本記事ではアン・エリオットの物語を通じて、自分自身を信じる力と、人生における第二のチャンスの価値を探ります。ビジネスパーソンにとって、過去の経験から学び、変化を恐れずに新しいチャレンジに挑むことは自己実現に不可欠です。この夏、文学の力を借りて、自分自身の内面と向き合う時間を過ごしてみませんか?




第二のチャンス:『説得』から読み解く人生とキャリアの転機



ジェーン・オースティン ブッククラブへ、ようこそ!
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書籍紹介


ジェーン・オースティン 最後の作品「説得」1818年



ジェーン・オースティンの『説得』の主人公、准男爵家の次女、27歳のアンエリオットは父親 や姉妹から使用人のように扱われながらも、社会的地位や物質的な価値を越えた人と人との絆を大切にする芯のある優しい女性。物語ではアンが過去の決断を振り返りながら未来への道を探る様子が描かれます。

アンは、若い頃に家族と母親代わりを気取るラッセル夫人の説得によって貧しいが有望な海軍士官フレデリック・ウェントワースとの婚約を断念しました。しかし8年後、成功を収め戻ってきたウェントワース大佐との再会は、彼女の人生に新たな展開をもたらします。自分の心に従い、真実の愛を追求する勇気を見出します。

アンの言葉「人生で最も困難なことは自分自身を知ることです」は、現代のビジネスパーソンにとっても自己認識の重要性を示唆しています。 



19世紀の英国社会の厳格な階級制度と性別の役割を背景に、自己発見と第二のチャンスのテーマを探求しています。アンの成長と決断は、現代のビジネスパーソンが直面するキャリアの選択や人間関係の課題にも通じる普遍的なメッセージを持っています。





🚩 職業病?からあれこれ書き連ねていますが、皆さんはまずこの素敵な小説を純粋にお楽しみください。主人公は、結婚という結果があってもなく ても、純粋な愛情を一途に持ち続け、”ハッピーエンド” に向かって生きていますよ🔔



はじめに


説得』の物語は、アン・エリオットが若い頃に痛感した後悔と葛藤、そして彼女が成長してから直面する第二のチャンスを描いています。


アンの言葉「私たちは皆自分の過去を振り返って後悔することがありますが大切なのはそれを乗り越えて前進することです



では、この古典的な物語が現代のビジネスパーソンに伝えるメッセージとは何でしょうか? 次のトピックの考察からヒントが見えてきますよ。


トピック


ブッククラブ風に3つのトピックを意識しながら読んでいきましょうか
1.
アン・エリオットが若い頃に海軍士官ウェントワースとの婚約を断った決断は、現代のビジネスシーンにどのような教訓を与えますか?
2.
アンがウェントワース大佐との再会を通じて得た洞察は、現代の人間関係やキャリアにどのように適用できますか?
 3.
説得』における重要なテーマは、再会と再生ですが、もう一つの大切なポイントは? 

各トピックの背景説明は末尾にあります👇



主要テーマ


説得とは他者を動かすだけでなく自分自身を信じる力でもあります。アンがウェントワース大佐との関係を再評価する過程で示されるように、自分自身を説得して過去の決断を受け入れ新しい未来を受け入れることも含まれます。社会的期待ではなく自分の心に従うことの大切さを学びます。





トピックの背景


社会の期待と自分の価値観

アンの決断は、他人の期待に応えようとする圧力と自分の本当の願望の間の葛藤を示す時代を超えた普遍的なテーマです。ビジネスパーソンは、他人の意見に左右されることなく自分自身の価値観に基づいて決断することの重要性を理解しています。

キャリアの選択と人間関係の修復

アンの再会は、過去の決断を受け入れ、新たなチャンスを探求することの重要性を示しています。これは、現代の人間関係やキャリアにおいても、過去の失敗や後悔にとらわれず前向きに新しい機会を追求することの大切さを示しています。

「待つ」という行動の意味

再会と再生が重要なテーマであると同時に、「待つ」という行動もストーリーにおいて大切なポイントだと思います。

アンは、若い頃にウェントワースとの結婚を断念しますが、彼女は彼を忘れることなく待ち続けます。この「待つ」という行動は、現代人たちにとっては忍耐が必要なことかもしれませんが、物語ではアンの忠実さと彼女の愛の強さを象徴しています。

また、「待つ」という行動は、アンが自分自身を説得し自己成長を遂げるための時間でもありました。結局、彼女の忍耐と成長が報われ、再会と再生が実現します。このように、「説得」では「待つという行動が個人の成長と愛の成就という重要なテーマと密接に結びついています

🚩『説得』を読みながら、松下幸之助氏著「道をひらく」の『時を待つ心』を思い出しました。仕事で先が見えない時期に自分を励ましましたよ。

『わるい時がすぎれば、よい時は必ず来る。
おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ。
時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。
だが何もせずに待つことは僥倖を待つに等しい。
静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている。
たくわえられた力がなければ、
時が来ても事は成就しないであろう。』(一部抜粋)     



いかがですか?
この古典的な物語が現代のビジネスパーソンに伝えるメッセージとは何でしょうか?」の問いかけから
皆さん、それぞれの答えを見つけ始めているのではないでしょうか。



結び


『説得』は、効果的な説得の力第二のチャンスの価値を教えてくれます。アン・エリオットの物語は、現代のビジネスパーソンにとっても、自分自身を信じ過去の後悔を乗り越え新たなチャンスを掴む勇気を与えてくれます。これは長期的な視点を持ち一時的な失敗に動じないことの大切さを教えてくれます。
 
現代のビジネスパーソンが直面する課題には、ワークライフバランスやキャリア選択などがあります。アンが内的な葛藤に決着をつけ自身の価値を理解し幸福を優先する選択をすることは、自己実現の重要性を際立たせています。



【コラム☕】

ジェーン・オースティンの作品は、心の結びつきから得られる精神的な幸福を重視し、人間の弱さや変化、成長の可能性を探求しています。

アン・エリオットは、ウェントワース大佐との過去に囚われた弱いヒロインから、「忍耐」と「諦め」の葛藤を乗り越え、自らの幸福を見つけ出す力強い女性へと成長します。

オースティン自身も、妥協せずに生涯一人の男性への愛情を抱き続けた人物でした。独身で生涯を終えています。彼女の最後の作品である『説得』において、主人公が長年の内面的葛藤を乗り越える姿を描くことで、オースティンは自身の過去の愛情や人生の葛藤を昇華させたのではないでしょうか。



🎦「説得」と「The Lake House(イルマーレ)」

2006年の映画「The Lake House」では、キアヌ・リーブス氏とサンドラ・ブロック氏が主演し、時間を超えた恋愛が描かれています。この物語において、ジェーン・オースティンの「説得」が重要な役割を果たします。

サンドラ・ブロック演じるキャラクターが「説得」を読んでいるシーンがあり、物語の中で再会と再生のテーマが強調されます。「説得」は、失われた愛と再会の物語であり、映画「The Lake House」における時間を超えた愛のテーマと共鳴します。この小説が映画で引用されることで、登場人物の感情や物語の深みが増し、観客にとってより魅力的なものになります。



古典の智慧が現代ビジネスに生きる理由:3作品の共通ポイント

ジェーン・オースティンの作品からは、現代ビジネスに生きる智慧が得られます。古典の智慧を現代のビジネスに活かし、より良いキャリアと人生を築きましょう。

1. 自己認識と自己成長
自己認識を深め、自己成長を遂げる力は、全てのビジネスパーソンにとって重要です。エリザベス、エリノア、アンの成長過程は、この力の重要性を示しています。
 
2. 感情の管理と理性的な判断
感情を適切に管理し、理性的な判断を下すことは、ビジネスシーンでの成功に繋がります。全ての登場人物が、感情と理性のバランスを取ることの大切さを教えてくれます。
 
3. 多様性と包括性の推進
偏見を乗り越え、他者との共感を深めることは、現代の多様な職場環境において不可欠です。オースティンの作品は、多様性と包括性を推進する上での教訓を提供します。
 
4. 自己成長における内省の価値
オースティンの登場人物たちは、自分の行動や感情を内省し、自己成長を遂げます。この内省のプロセスは、現代のビジネスパーソンが自己改善を図る際にも重要です。自己評価と内省を通じて、自分の強みや改善点を見つけ、成長の機会を掴むことができます。
 
5. コミュニケーションスキル
オースティンの作品では、登場人物たちのコミュニケーションが物語の鍵を握っています。明確で誠実なコミュニケーションは、誤解を避け、信頼関係を築くために不可欠です。現代のビジネスパーソンも、効果的なコミュニケーションスキルを磨くことで、より良い人間関係を築き、職場での協力を促進することができます。
 
6. 人間関係の本質
オースティンの作品に描かれる人間関係は、時代や文化を超えて普遍的なテーマを持っています。友情、家族愛、恋愛などのテーマは、古今東西において変わらず重要です。ビジネスパーソンは、これらの人間関係の本質を理解することで、職場での関係構築やチームワークの向上に役立てることができます。




いかがでしたか?
次回もお楽しみに! 何かヒントやきっかけになればうれしいです。
with all of my thanks and friendship💛



付録


参考


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