子供の人数について考える。

将来のことを考え始めた思春期ごろから、実際に結婚し出産し、息子が1歳になるくらいまで、子供は絶対に3人欲しいと思っていた。

3人から社会が生まれるというし、何より自分が3人きょうだいでとても仲がいいからだ。

願わくば男女構成も自分と同じで、3人の子供を育てたいと思っていた。


しかしいざ第1子である息子が1歳を迎え、自分の年齢的にも2人目について考える時期がやってくると、積極的に2人目を欲しいとは思っていない自分がいることに気づいた。

正確に言うと、「第1子を望んだ時ほど切望しているか」と問われると、間違いなくそうではない、という感じ。

「そろそろ?」という気持ちや、なんとなく既定路線としての「2人目」という気持ちはよぎっても、どうしてもどうしても欲しい、という気持ちは今の自分にはない。

むしろ、「この愛しい愛しい息子1人だけで十分なのでは?」という気持ちが、7割くらいある。


2歳差3歳差で子供を産むとなると、当然妊娠時の上の子の年齢は1歳や2歳だ。

まだまだ甘えたい盛りの子供がいる中で、赤ちゃんを産むこと。

それは、私にとって、「自分が満足のいく愛情のかけ方」を100%実践することができなくなることを意味すると、最近思っている。

複数の子供を育てている友人たちは、「もちろん大変さは増すけど、愛情は人数分倍になるから大丈夫だよ!」と背中を押してくれる。

もちろんいざ生まれたら差を付けずに愛情をかけていきたいし、何とかはなると思う。

それでも、毎晩、仰向けの私にうつ伏せでぴったりと重なり、安心して眠る息子のおでこにキスをしながら「大好きだよ」と囁く時、「ここにもう1人赤ちゃん」を、考えることがどうしてもできない。

今息子にしてあげられていることが、今まで通り100%はできなくなるし、逆にまだ見ぬ2人目に息子が生まれてからこれまでしてあげたすべてのことを同じだけしてあげることもできない。

そんなことは当たり前なんだけど、今の時点では自分の気持ちに折り合いがつかない。息子を、もっともっと全力で愛したい。


そして、そうやって迷っている時点で、「欲しくて欲しくてたまらない」と思えていない時点で、2人目を迎えるべきではないと思っている。もちろん、あくまでこれは個人的な価値観として。

いかなる出生に対しても否定をするつもりは一切ないけれど、自分自身が1人の人間をこの世に迎える主体となるときには、覚悟をもって、準備をして、迎えたいと思う。

自分自身が「私なんか生まれなければよかったんだろうな」と思う幼少期を過ごしたので、自分の子供には一瞬でもそんな思いを抱かせたくないし、事実として望まれて望まれて生まれてきてほしいと思う。

だから、少なくとも今じゃないんだと思う。


「2人目」が頭によぎり始めた夏頃、転職のお誘いがあった。

転職するなら、新しい職場で最低1年は働いてからでないと育児休暇を取得することはできない。

キャリアを取るか、それとも2人目を取るか。

もっと言うと、もしここで2人目を取らないなら、年齢的にも3人目は考えられないかもしれないということ。

そういったことを考えたとき、自分の心はさほど悩みもせず転職に傾いた。
むしろ、潔く「今すぐ2人目」を考えることをやめられる口実ができてありがたいとさえ思った。
やはり、私には、私たちには、今じゃないのだ。

ちなみにもとより夫は「今いる人間の幸せ」を第一に考えており、息子を妊娠する前は一生2人だけでも構わないと言っていたし、息子が生まれてからはこの子1人で構わないと言っている。


もう1年か2年経ったら、気持ちが変わるかも知れない。
その時は柔軟に、また「2人目」について考えてみようと思う。
40歳くらいまでは、どちらかに決めつけなくてもいいかな、と思っている。

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