大道芸ワールドカップin静岡での当日ボランティアの感想。その②

-スタッフの確保が最優先。その為の環境作り-

適切なポイントスタッフの人数が揃っていれば、一人あたりのタスクも減り負担軽減になりますし、余裕をもった管理体制はポイントの保安と円滑な進行を行う上でも重要です。

以前、実行委員長が若年層のボランティア数が伸び悩んで人手不足であると仰っている記事を目にしましたが、そうであればもっとSNSや広告等を活用し募集をおこなう必要性を感じます。

特にSNSでの発信はコストはかからないし、おこなう価値は大いにあります。
普段、静岡市内を歩いていてもそういう募集情報を目にする機会はないので、Daidogei自販機くらいアピールできると強いと思いますが...。

この自販機の側面に募集ポスターとか貼れないのかな。


共催である静岡市には、まちは劇場推進課というのがありますが、ここからも人員を派遣していただければ非常に助かるのではないかと思う。
同課の職員の方が会場にいらっしゃるのは何度か見かけましたが、フェス期間中も協力体制があってもいいのではないでしょうか。

交通費に加えフェス期間中は宿泊施設も高額になる為、遠方から参加するスタッフの方は金銭面の負担も大きくなります。
なので募集をかけるなら地元の方にフォーカスを当て、ボランティアに興味を持ってもらう事が参加の敷居が低く、時間・金銭的負担も少ないです。

学生や普段仕事をされている皆さんの、貴重な連休にボランティアに来ていただくわけなので、スタッフ自体も楽しんで参加できる環境を作らねばならないと思うし、そういった思い出と共にフェスを終えてもらうことで、リピートしての参加に繋がると考えています。
学生さん等はボランティア証明書を発行する等の何かしらのケアがあってもいいのかなとは思う。

感想その①でワールド部門の復活の話をしたのは、混雑緩和とは逆の話になりますが、フェスに様々な魅力がある事でボランティアに興味を持ってもらうきっかけになるというのもあります。
今のようなボランティア主体の運営であるなら、ボランティアが増える事で魅力あるフェスが作れ、魅力あるフェスにはボランティアが集まるという相互関係になると思います。

スタッフも増え、ポイントが増える事で来場者の行先の分散ができたら混雑の解消に繋がりますが、ポイント数が減っているのには、コロナでの規模縮小以外の別の問題があります。
かつて駿府公園内にあったポイントのいくつかは、公園内の整備と駿府城跡の発掘調査の為、使用ができなくなりました。

そういう事情もあるので、物理的に使えなくなった場所に代わって、文化会館前のエリアなどはもう少しだけ開拓の余地がありそうでした。
例えば市民文化会館前のレンガ作りのエリア(現・富士テクノロジーポイント)や常盤公園などは広さがあるので、東側・西側などで分割することが可能なように思えますし、うまくやれば隣接するポイントのスタッフでヘルプを出す事で両ポイントを管理するなど可能なように思えました。

富士テクノロジーポイント。ショーケースを行う市民文化会館前の好立地。
富士テクノロジーポイントから100mほど行った場所。以前はここもポイントになってた。
階段に腰掛けられるので見下ろしのステージになるし、場所も広い。


-連続での公演を静岡で行うのは問題が多い-

公演スケジュールによってはインターバル無しで転換をし、連続で公演する時間帯があります。ただ、ひと枠30分でスケジュールを作っていて混雑する"静岡では"連続の公演は静岡ではやめたほうがいいと考えています。

最後まで見ようと最初のアーティストの段階から前列で同じ場所取りしている方が当然出ます。お客さん目線ならばこういった時間帯はとてもお得に感じるし、そういう風にスケジュールが出来ているのですから、連続で並びのアーティストを見るために初めから場所取りするというのは無理もない話だと思います。

最前列が移動してもらえないと転換の際に投げ銭を入れる流れの邪魔にもなってしまいますし、何よりも人がステージに向かってごった返す中、あの辺りに座られたままというのは危険です。

それにアーティストBのみ見に来たお客さんは、アーティストAの段階から連続して場所を取っている人がいると、Bの公演前に早めにポイントに到着したとしても、アーティストBを前の方で見るためには、興味がなくてもアーティストAから見て前にいける位置に陣取るかタイミングを見計らって、前のほうに入り込まなくてはなりません。

ポイントの構造にもよりますが、転換の際アーティストBがポールや台など大きな機材などをステージに持ち込む場合はすでにお客さんが座っている状態だと安全に導線が確保できない事もあり得ます。

スケジュール上のひとつの枠が30分なので、例えばアーティストAが25分の演技をした場合、投げ銭タイムを含むことを考えれば、アーティストBはほぼ確実にスケジュールは押します。
アーティストBからしたら演技前に集中できないし、お客さんがいる前でバタバタと準備をしなくてはならないので演技前の空気作りなどもできないでしょう。

また駿府公園内は二の丸以外、ステージに砂が乗るのでアーティストの安全面を考慮するならステージの掃除はした方が良いですが、この場合アーティストAの写真撮影対応にポイントスタッフは人を割かれますし、ポイントを離れる・入るお客さんの導線確保や席誘導などで、担当の人数次第では掃除すら難しい時があります。

パフォーマンスが終わった後も次のアーティスト目当てのお客さんの場所取りがあると、投げ銭を入れに行くお客さん流れと、入れた後の導線の妨げになります。ごちゃごちゃに人が入り乱れるので迷子やケガや対人トラブルが起こる可能性も考えられます。

だいぶ昔、映画館でバイトしていたのでこういった場内転換の混雑は理解していますが、映画館には転換のためのシステムとオペレーションがありお客さんの流れが管理されています。
静岡(というか大道芸)にはこういったシステムはありませんし、場内の動きをお客さんのモラル頼みで投げてしまっている以上、インターバル無しのこういった連続の公演は、混雑する"静岡では"避けた方がいいというのが僕の考えです。

サテライト会場に限っては状況が違うので、これは当てはまりません。

-選択する余地を作る事で、混雑を緩和する-

タイムスケジュールをあえて分かりにくくするというのも混雑緩和には効果があると思います。

現在のスケジュールページは視覚的に非常にわかりやすい分、お得に見える時間帯や隣接するポイントに人が集中しやすいと思います。
「アーティストBを見たいけど、連続でやるみたいだし or 近くでやるしついでにアーティストAも見るか。」という具合になります。
遠いポイントを行ったり来たりと歩き回るのは大変なので、自分がお客さんならそういうスケジュール組みをします。

静岡のガイドブック。
パッと見ただけで、お得に連続で見れるところや、ハシゴできる観覧スケジュールを組みやすい。
日本の大道芸フェスは恐らくすべてこのデザイン。


他のフェスのガイドブック例をいくつか挙げますが、以下の写真のようにパッと見でスケジュールは見辛くはなるものの、視覚による直観ではなく、自分で見たいアーティストを決めて選択する自由度が増えると思いました。

海外のフェスのガイドブックの公演スケジュールの一例。
言語の壁があっても、これは分かりにくい。
開始時間/上演時間/グループ名/ショーのタイトル/ジャンル/公演ポイントが書かれている。
別のフェスのスケジュール。
こちらは少しシンプルだけど同様のデザイン。こちらにはポイント番号とアーティストの紹介ページ番号が記載されている。


日本語にして静岡のスケジュールにするとこのようになる。
誰がどこで何時からやるか等はわかるが、効率的な予定はパッと見で立てにくい。
実際に駅前で3組連続の公演があるが、すぐにはわからない。


アーティストの紹介ページに公演時間が記載されていると、お客さんは興味を持ったアーティスト中心でスケジュールが作りやすい。

バスカーフェスと、1時間以上のプログラムがあるアートフェスだと、スケジュールの作りとデザインにも差があるので、どれがいいというのはケースバイケースですが、静岡のガイドブックのようにパッと見でスケジュールを組みやすい親切なデザインはポイントに集客が望めるので混雑を管理できるのであればこれでいいのだけれども、今は管理できるギリギリという所。

”見れるものを選ぶ”より、”見たいものを選ぶ”ガイドブックを作る事でお客さんに小休止の時間を作り、一か所に集中することを解消し、連続しての場所取り等も減らせるのではないかと思います。

とはいえスマホからガラケーに戻すような不便さもあるのは否定できないので、これに関しては何とも言えません。

誤解されたくないのですが、これがいいよ。という事ではなく、静岡に合った工夫を色々してみるのもいいのでは。という事です。

静岡の過去のガイドブックには似たようなページがある時があった。
お目当てのアーティストから鑑賞スケジュールを選びやすい。


次で最後です。
その③へ続きます


いいなと思ったら応援しよう!