⑤ 考えるためのプロトタイプ

この記事は武蔵武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース『クリエイティブリーダシップ特論』の講義内容と私自身の心得や気づきについてまとめてみました。

|登壇者|

ソフトディバイス 八田 晃                      株式会社ソフトディバイス代表取締役。1996年よりインタラクションデザイナーとして、家電、情報機器、自動車などの先行開発を中心に様々なUIデザインに関わる。2007年同社CTO、2008年より現職。プロダクトにおけるUIデザインを「人のふるまいのデザイン」からの視点で捉え直し、プロセス上流においても作りながら考えるための簡易プロトタイピング手法を各種開発、実践の場として「softdevice LAB」を設立。            (引用:https://and-softdevice-001.peatix.com/?lang=ja)

今回はプロトタイピングをキーワードとして八田さんのワークとソフトディバイスでの実践状況についてお話を伺いました。

”Predicting the Future by Making”

「わからないこと作っちゃう」と八田さんはおっしゃっていた言葉は、自分がCLの授業始めてから一番感じたことと似ているだと思います。まだ分からないのに作っちゃうではなく、分からないからこそ作ってみよう。「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ」WindowsのUIの原型となる「ALTO」というコンピュータの開発者、アラン・ケイの格言からソフトディバイス社の社是もインスピレーションを受けています。

八田さんは最初、プロダクトデザイン関連の仕事に携わってきたが、現在はインターフェースデザインの分野まで広げていてユーザインタフェースをデザインしています。まだ発見されていないニーズを応じ、未来の商品を考えるための開発でのプロトタイピングをたくさん作ってきました。

インターフェース・デザイン                                                                                      人と機械の「接面」(インターフェース)のデザイン。機器の使いやすさ(操作性=ユーザビリティー)を向上させる、用語、色彩、形状、反応など、様々な要素の総合デザインを意味する。インターネットやゲームなど画面のデザインについては、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)という表現も使われる。画面のデザインは、コンピューターという仮想環境内でユーザーが求める目的を達成するための、新しい道具のデザインと捉えることができる。従って、視覚的デザインに加えて、ユーザビリティーに配慮したデザインが求められる。インターフェース・デザインは、コンピューター自体はもちろん、コンピューターが介在する電子機器には必須のデザインである。(引用:shorturl.at/bguD9)

最初インターフェースデザインという言葉を聞いた時、何となくイメージが湧いてきましたが、範囲が広すぎで具体的にどういうことやっているだろうと想像できませんでした。その後、八田さんがいくつが事例を紹介してくれて、例えば初代iModeのメニューのデザインや自動運転システムインターフェースなど、意外と身近なものだと思いました。

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「考えるためのプロトタイピング」

ソフトディバイス社最も重視するデザインプロセスは「Sketch」というステップです。全体のかなり早い段階からスケッチを描くようにラフなプロトタイピングを行いつつ、ブラッシュアップを重ねます。まさに「プロトタイプを作るためのプロトタイプ」という言葉がすごく印象に残りました。

”rough & dirty”

プロトタイピングをする時、見た目を気にせず最低限機能するものを作る。CLの授業始めてからプロトタイプを作る機会が多くなり、最初はたくさん時間かかって、本当にこれでいいのかと自分で悩みました。ようやく作り始めてもクオリティに引っかかり、もっと大事な部分に目を向かいませんでした。まだまだ何回だけ挑戦しましたが、見た目より今考えたアィデアを実際に作り、他の人とディスカッションするのは余程効率高いと実感しました。今後もこの考え方を身につけるようにやって行きたいと思います。

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