新卒研修の目的と方法、伸ばすスキルと良くある誤解の説明|札幌のエンジニア組織レポート
ダイアモンドヘッド株式会社 札幌開発の小菅です。
これから新卒として働く方や選考を検討されている方向けの、札幌開発で新卒研修をどのようなスタンスで行っているのかを紹介する記事です。
始めに補足すると、色々な方法を試して来ている中で、これからも時代に合わせて新卒研修の方法を変えて行く予定のため、現時点での情報となります。
新卒研修の目的
入社して5年後、10年後に最も成長している状態になれる新卒研修を目的としています。
そのために以下の2点を強く意識した新卒研修を行っています。
1.仕事を楽しくするマインドの獲得
長いエンジニア人生を過ごす上で、最も大切なマインドの1つが「仕事を楽しく過ごす」です。働いている方であれば、このマインドの重要性を理解できると思います。
そのために研修を通じて「同期たちとの関係性の構築」や「視野を広く持って仕事の意味を理解できる状態」になれるような時間を使って行きます。
2.学習する習慣の獲得
授人以魚 不如授人以漁、魚を与えるのではなく釣り方を知る。の考え方がITエンジニアの成長と相性が良いと感じています。
そのためには自分で考えた上で「学習の方法を知る」「学ぶのが楽しいと思える」「成長を実感できる」ような研修の時間を過ごしてもらうのが望ましいです。
新卒研修の方法
これらの研修目的を達成するためには、アクティブラーニングで行われる複数人での学習や、体験して、その内容を他者に教える手法が効果的でした。
そのため先輩や後輩が居る中で、物事の連続性やストーリー性を持っている「研究室タイプ」の研修を行っています。
他の人に教える行為はラーニングピラミッドの最下段の90%に位置しています。経験した後に、次の人へ伝えることで学習の定着を図れます。
新卒研修で伸ばすスキル
今のITエンジニアはビジネスへの関与が深くなりました。ITエンジニアが長く活躍し続けるにはマネジメント要素を取り入れた以下3つのスキルをバランスよく伸ばすのが重要と考えています。
テクニカルスキル:ITだと、技術力または技術への理解力
ヒューマンスキル:ITだと、目的を達成するための対人能力
コンセプチュアルスキル:抽象的に概念を理解する力
どのような仕事・時間を過ごす上でも、テクニカルスキル・ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルが一定求められます。
新卒研修は出来る限り複数名でチームを組みヒューマンスキルを伸ばせるよう心掛けています。
またコンセプチュアルスキルを伸ばすため、企画・趣旨説明・発表など、相手へ物事を伝えて理解してもらうための機会を適時行う形で新卒研修を進行するように工夫しています。
新卒研修の良くある誤解
ここでは研修に当たりよくある誤解を説明して行きます。
間違い:現場で使うスキル習得が研修の目的
現場で今使っているスキルが永続的に使われ続ける保証はありません。
柔軟性を持ってスキルを身に付ける習慣や、仕事を楽しく過ごすメンタリティの習得による得られる生産性の方が現場に貢献します。
間違い:現場の教育工数を減らすのが研修の目的
どのような現場でも教育工数が必ず発生します。この工数はプロジェクト固有であり、他への転嫁はできません。
12カ月×月160時間を一緒のプロジェクトで働くと合計1,920時間です。2年であれば3,840時間です。全体の10%をプロジェクトで一緒に仕事するための教育工数として計画に含めると384時間です。
この固定となる時間の10%を5%と半減すると192時間の節約になりますが、新卒研修やプロジェクト内の教育により生産性が25%上がれば960時間の付加価値を生み出せます。
そのため付加価値の総量を重視する考え方を優先して採用しています。
間違い:新卒研修済みなので現場は放任してよい
現場固有の情報や仕事の進め方は研修では身に付けられません。スキルが伸びるのも、活躍するのも、現場の影響は大きいです。長く一緒に働く人を放任するのは好ましくありません。
間違い:昔はこうだったから今もこうした方が良い
10年間と今であっても情報が圧倒的に違っており学習方法も変わってきました。
「自分の方がスキルがあるから」「自分の方が経験があるから」と自分基準になりがちですが、時代に合わせて成長してもらうのが、好ましい結果につながりやすいです。
また活躍できる方は最初から出来ますので「新卒だから」「新卒として」など色眼鏡で見ない方が大きな成果を得やすいです。
研修の心構え
最後に、スキルの修得や熟練度など全員が同じではありませんし、同じ研修を行っても同じ成果を得られる訳ではありません。
研修を行うにあたり以下のような点を意識して自然体で参加してもらえればと思います。
新卒研修は組織形成と新卒社員の素養に大きな影響を与える重要な時間です。積極的に活用しましょう。
勉強を始めるのに遅すぎるはありません。研修を行うのに引け目を感じなくても大丈夫です。
今のスキルより3年後に身についているスキルの方が多くなるよう、学習する姿勢や行動、それを適える環境を意識すると望ましい結果を得やすくなります。
新卒採用に興味をお持ちの方へ
弊社の新卒採用に興味のある方は以下の新卒サイトをご参照下さい。
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以上となります。ご拝読ありがとうございました。