【効果絶大】「ハズさない見出し」に共通する14のポイント
ジョン・ケープルズ『ザ・コピーライティング』を読む
効果の出る広告、出ない広告の違いとは?
アメリカの広告業界で58年間も活躍し続けたコピーライターが1932年に原書初版を刊行、その後4度改訂され、今なお90年以上も読み継がれている『ザ・コピーライティング』。2008年刊行の改訂新版もロングセラーとなり、12万部を超えるベストセラーとなっている。
著者のジョン・ケープルズが持っていたのが、テストを繰り返し、効果を検証する「科学的広告」への強いこだわりだった。
そして本書から強烈に受けるメッセージは、その認識さえあれば、広告にはモノやサービスを売るうえで途方もないポテンシャルが潜んでいる、ということだ。
訴求ポイントがズレてしまえば、どんなにカッコイイ文章や美しいコピーが書けたところで、広告効果は得られないのである。しかし実際には、その肝心な訴求ポイントがズレてしまいがちだ。
せっかく大きなポテンシャルを持っている広告なのに、それが活かし切れていないことこそに、問題がある。そんな点も、ケープルズは鋭く指摘する。
うまくいく広告は、「買い手にとって1番いいこと」に焦点を当てている。「売り手にとって1番いいこと」に焦点を当てた広告が、うまくいくはずがないのである。広告の作り手はわかっているつもりなのに、これをやってしまうのだ。
「ハズさない見出し」14の訴求ポイント
本書でケープルズが言おうとしている「コピーライティング」は、単に言葉を発想したりする表面的なものではない。もっと本質的なものだ。その本質さえつかんでおけば、広告の効果は大きく変わる。モノやサービスはもっともっと認知され、支持される。
にもかかわらず、言葉や表現などの表面的なものに気を取られ、本質が忘れ去られている広告がいかに多いか。逆に言えば、プロのコピーライターでなくとも、訴求ポイントを間違えなければ、効果的な広告を作ることができる、ともいえる。
そしてケープルズは驚くべきことに、売上をアップし続ける効果的な訴求ポイントの14の例を本書で掲げている。これは広告の訴求ポイントをハズさないうえでの、大きなヒントになるだろう。
これ以外にも、「みんなと同じ」でいたい願望、お買い得品をあてにする気持ち、人気者になりたい、注目されたいという願望なども挙げられている。
「どう言うか」よりも「何を言うか」が重要
広告コピーについて、もっと端的にケープルズが言おうとしていることを書くなら、これだろう。「どう言うか」よりも「何を言うか」のほうが重要。ケープルズは、ある中古車ディーラーの新聞広告の例をもとに、こう書き記している。
商売をもっと繁盛させようと「より価値ある車」「低価格で長寿命」といった見出しのイメージ広告を出した。縁取り処理や厳選された書体を使った、見事なレイアウトの広告だったが、効果は出なかった。大失敗だった。
この文章を書いている私自身、コピーライターから書くキャリアを始めたと先に書いているが、実は広告コピーの世界を勘違いしている人は少なくない。広告コピーに何より必要なのは、美しい言葉を紡ぐことではない。確実に効果を生み出せる訴求ポイントを設計することなのだ。そうでなければ、効果は出せないからだ。
そしてケープルズは、効果的な訴求ポイントを見つけて活用せよ、と説く。
まずは訴求ポイント。この気づきは、広告効果を大きく変えるものになるはずである。
(本記事は『ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則』より一部を引用して解説しています)