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“書ける”ようになったObsidianのその後
こんにちは、炭素です。
Obsidian記事第二弾。前回と比較して変わったところなどを記録がてら公開します。
前回の発端がObsidian Syncの年額更新時期だったわけですが、今回もお支払いメールが届いたのをきっかけに見直しをしています。
相変わらず技術的な解説はありません。あらかじめご了承ください。
これまでのあらすじ
Obsidianを使っているようで全く使えていなかったので、試行錯誤の痕跡だけが残ったVaultを放棄して、新しいVaultにお引越し。
継続する能力がなさすぎて、これまでまともなメモはほぼゼロ。そんなめんどくさがりを極めた自分でも“書ける”Vaultを目指しました。
短文投稿SNSのノリでDailyにメモを書き溜め、文脈ごとに別Noteへ切り離すスタイルとなった新Vault。八割はくだらない話。役に立つかはわからないけど、書く頻度は圧倒的に増えました。
Obsidianの起動すらめんどくさいので、モバイル環境からはマクロやショートカットを使ってアプリを開く前に書き始めるようにしています。
書いたノートのフォルダ分けもタグ付けもめんどくさい。なのでしません。
エイリアスを設定した親ノートと、それに関連している内容の子ノートにリンクをもたせるだけの単純構造。タイトルだけはしっかり書いて内容がわかるようにします。
なるべくプラグインを減らし、しかしDataviewには依存しまくり。なんか矛盾してるけどシンプルかつ便利なのでヨシ。
結果、鬱蒼とした森みたいなVaultが完成。丸一年ほど使い、今に至ります。
約一年での変更点
メモとりの流れを変えた
AndroidやiOSでObsidianアプリを開く前にメモを書けるよう、マクロやショートカットを使ってローカルのデイリーノートに直接書き込むスタイルは続けています。
しかし実際に使っていく中で、それでもやっぱりめんどくさかったので、ちょいちょい改良を加えております。
去年作ったばかりの頃、マクロ/ショートカットの流れはこうでした。
メモ入力画面を表示する(メモとり開始)
同時にObsidianが起動する
同期完了したら送信ボタンを押す
メモ内容が今日のデイリーノートに時刻付きで追記される
同じ内容をSNSで投稿するかどうか選択
投稿する場合、メモ内容をクリップボードにコピーしてSNSアプリを起動
つまりメモをとった直後、SNSに同じ文章を投稿する前提だったわけです。
これはそもそも「SNSに投稿する内容をまずメモしたい」という前提から始まっているため、当然といえば当然でした。
そして現在の流れはこう。
メモ入力画面を表示する(メモとり開始)
同時にObsidianが起動する
書き終えて同期完了したら送信
メモ内容が今日のデイリーノートに時刻付きで追記される
メモ内容がクリップボードに記録され、メモとり終了
SNSへの動線を丸ごとカットしています。クリップボードに突っ込むだけです。
前の流れだといちいち投稿するかどうかを選ぶのが煩わしかったため、こうなりました。投稿したいなら、あとからまとめてクリップボード履歴からぺたぺた貼るだけ。
投稿先も自由に選べるようになったため、より自由度は上がりました。ただしSNSにおける投稿の頻度は激減しました。めんどくさいのでいいや、となりがちです。
頭の中から産地直送、思考ゼロ秒のSNS体験をそのままメモとりに全部スライドさせたような形となりました。
自動投稿的なフローを作るつもりはありません。インターネットで喋っちゃまずいこともガンガンメモしますし、投稿しても大丈夫かどうかを毎回選択するのは大変にめんどくさいはずです。
考えなくていいので、メモ頻度は若干増えました。ひらめきは鮮度が命ですね。
また、メモに使う環境も少し変えています。
今まではMacroDroidやiOSショートカットのダイアログに直接書き込んでいたのですが、これではうっかり長文を書いてしまったときにうっかり誤操作で消してしまったりなどすると、もう文章を取り戻すことができません。何度か泣きました。
なので現在は、まずなにかしらのメモアプリに記入して、それをObsidanに向けて共有するかたちをとっています。
そこまでするならObsidianに直接書けばいいのでは……?と思われそうですが、スクラッチパッドの立ち位置と考えれば意義はあると思います。
Androidでは「1秒メモ」というアプリを使い、iPadでは「QuickDraft」というアプリをSlide Overに配置しています。わたしの需要はニッチなほうだと思いますが、どちらも使い心地がかなり良いアプリです。
なお、最近は個人のデスクトップパソコンを使う頻度が増えたため、Obsidianを起動しっぱなしにしてQuickAddプラグインでデイリーノートに追記する機会も増えました。
これはもうシンプルにCaptureを使うだけなので、クリップボードへの記録すらしていません。パソコンだとコピペも楽なので特に捻りはありません。
なんか捻りたい気持ちもあるけど……こっちも誤操作で消し飛ばすことがあるし。もっと素早く書き始めたいときもあるし。
現状の対策としては、長文になりそうなときは直接Obsidianのノート内に書くことにしています。当たり前ですが、もっとも安全です。
速さのカバーはコミュニティプラグインの「Global Hotkeys」で、他の作業中にも呼び出せるようにしたりといった程度です。
フォルダが増えた
メモの分類がかったるいのでフォルダ分けはしない、というのが現Vaultのコンセプトなのですが、増えました。
以前はデイリー、その他のノート、添付ファイル、テンプレートの4フォルダ構成だったわけですが、ここにひとつ増えて5フォルダです。
増えたフォルダは、とりとめのないメモ書きの寄せ集めである「その他のノート」とはまた別のレイヤーに位置していると言えます。
“書く”ことではなく“見せる”ことを意識した場所です。
不確定なこと、疑問やタスク、はちゃめちゃな乱文が押し込められているメモノートとは違い、そのまま人様にお見せできるようなノートを集めています。
つまりこの記事の原稿が入っているフォルダです。他には一次創作の確定した設定資料などがあります。いざというときに内容そのままコピペして、外に出せるものたちです。
このフォルダはまだ実験段階であり、現状うまく活用できている自覚はありません。が、消す予定も特にないです。
元々のVault活用方針を邪魔しないようにフォルダを作ったため、意識しないと全然表に出てきません。
内部リンクを検知してDataviewでバックリンクを収集するようにしていますが、これを「その他のノート」フォルダ内に限定しているため、別フォルダ内にあるものはほぼ影響しないのです。
なんのために別フォルダを作ってまで“見せる”ノートを書くに至っているかというと、メモとりによる情報収集と整理、そしてそれを文章にまとめて出力する段階に至るまで、全部Obsidianで完結したかったからです。
以前はテキストエディタで書いていたのを、Obsidianで書くようにした感じです。あっちこっちにソフトを開くのが面倒になってしまって。
流石に小説の原稿を書くには使いづらいですが、資料やこういうブログ記事的なものは十分書けます。
このフォルダにある資料や原稿は、Obsidian内でのみ参照する前提で書いていません。
つまり内部リンクはほぼ使いません。自分用としている創作の設定資料には使っていますが、記事の原稿は内部リンクがあったって意味がないですので。タグも同様に使いませんし、ただのMarkdown形式のファイルという感じ。
しかしそうするとノート同士がバラけたままなので、今は別途キャンバスを作成してノートを並べています。関連するメモもそこでくっつけるようにしています。キャンバスの使い方、これでいいのかな……。
普段のメモがあまりにも乱雑すぎるため、それをきちんと見れる形に整えたい。ちょっと意識が育ってきたのかもしれません。
お腹が痛いときのメモは「おなかこわれ!れれれ!やばめ」みたいな感じ。SNSのノリになるとこうなってしまう。
しかしこれも大事なメモ。デイリーノートに書き込まれ時刻も残るので、いつお腹の調子が悪かったかが記録されます。焦り具合もわかる
前後の食生活を参照したりすると色々見えてきて面白いです。この日は前日に食べた鶏なんこつの唐揚げに敗北したようです。油がきつい年齢になってしまったなあ。
それらの雑多なログをもうちょっといい感じのレポートにまとめたりするなら、この新フォルダに入れておこうと思います。
丁寧に書き、居場所を決めて整頓し、見れるものにする。見せる機会があまりないのでまだ実験段階ですが、いずれ役に立つのではないでしょうか。
余談ですが、このVaultは森林のようなイメージがあったので「Woodland」と名付けてあります。
それにちなんで、デイリー以外のメモを雑多に入れているフォルダ名は「Forest」としており、エイリアスを設定してリンクを集める親となるメモは「Tree」、その先に繋がる細かなメモたちは「Leaf」と呼んでいます。
今回新規参入となった、“見せる”ノートが集うフォルダの名前は「Garden」です。
活かせるといいなあと思うんですが、如何せんやる気が常に底辺のため、普段はほぼ変化がないです。勝手に雑草が生えてこないだけマシかな。
お役立ちDataviewをつくった
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中身の詳細は割愛します。思いつきで並べただけの簡単なテーブル類です。
各デイリー内の未完了のチェックボックスを表示したり、プロパティのデータを収集して可視化したり、まだどこにもリンクされていないぼっちメモを忘れないようにしたりしています。
コールアウトで畳んでおくと邪魔にならず、見栄えもいいのでお気に入りです。中身は実用的だったりそうでもなかったりします。
最近は検索結果をカード化して表示するのも覚えました。見た目って大事。モチベーションが違います。
ところで、コールアウトってすごくかわいいですよね。
テーマにもよるとは思いますが、ふんわりと目に馴染み、色も鮮やかでアイコンがあり、ほどよく目立ちつつ、普段は見なくてもいいものを隠しておいてくれる。かわいいです。好きです。
標準で用意されたコールアウトだけでもかわいいですが、実はCSSをほんのちょっと書くだけでいくらでも増やせてしまうんですよね。
楽しくなってしまったわたしは現在、45種類のコールアウトをVault内に抱えています。使いこなせるわけがないよ。
多すぎてコードを覚えていられないので、Templaterを使って一覧から呼び出せるようにしたりしています。
そこまでして普段から使うのかと言われると、まあ使いません。でも見た目がかわいいので、たまに添える花としてはアリだと思います。
あの使いづらい色鉛筆を欲しがる女児的趣味は、今も変わらずのようです。
一部コミュニティプラグインの見直し
先程もちょっと出ましたが、「Global Hotkeys」を新たに導入しました。パソコンでの利用時、ブラウザなどにフォーカスしているときでもすぐにQuickAddのキャプチャ入力画面を呼び出せるので便利。
わたしは上記の用途でしか使っていませんが、他の使い道もあると思います。あまりホットキーを増やしすぎても、他のアプリケーションのショトカと競合したりなどの問題があるかも?
あと結構不安定なのかそれともおま環なのか、たまにObsidianが表に出てこないことがあるので、過信はできなさそうな感じです。
また、「Buttons」プラグインが開発者さんにより推奨されなくなったため、同様の機能をもつ「Meta Bind」に乗り換えました。
ちょっと難しくなりましたが、結果としてより便利に使えています。開発者さんありがとう。
モバイルから利用することが多いわたしにとって、タップひとつで複雑なコマンドを実行できるボタンには、それだけでも大きな価値があります。コールアウトを積極的に並べたがる理由も似たようなものだったり。
操作をキーボードメインにするかクリック(タップ)メインにするかは、Obsidianをパソコンで使うかモバイルで使うかによって、大きく意見が分かれるところだと思います。
現状の課題
使っていくうちに見えてきた課題がちらほら。
振り返りがめんどくさい
デイリーに書きっぱなしのメモが結構あります。それをノートコンポーザーで別のノートに切り出しておきたいのに、まあめんどくさい。
以前は「なにかのついでに気軽にちょきちょき」なんて書いておりましたが、あれはモチベーションが高いときのみ通用する技でした。平常時のわたしには無理だった。
とりあえずデイリーノート内に日々の必須タスクとして、前日の振り返りを加えてみました。これは結構な挑戦かも。
どんなに面倒でも一日一回は必ずデイリーノートを見るし、ノート内のタスクが未チェックだとカレンダーに目印が出るため、それを潰すために毎日続けていく方針です。
話はちょっと逸れますが、日々の必須タスクについては極力設定しないようにしています。デイリーノート内に書くタスクは「スケジュール」として、その日に必ずこなすはずの予定だけを入力します。
強制されるのはめんどくささの第一歩。億劫になってしまったら終わりですので、自分をとことん甘やかしていきます。
大量のタスクを置いたデイリーノートは、デイリークエストがあるタイプのソシャゲみたいな感じ。あるとき突然イヤになっちゃう。たとえ五分で終わるとしても、開きたくなくなる瞬間がいつか来ます。
離れている時間が長ければ長いほど、再開するのもまた億劫になるんですよね。
逆にプロパティ内にはタスクを積極的に置きます。こちらはカレンダーのドットに影響しないので、その日を過ぎたら気にならなくなります。
欠かすこともあるかもしれないけど、できれば毎日やりたいことを幾つか並べています。運動とか。
欠かさないのが理想ですけど、人間なのでサボっちゃうときもある。Habit Trackerなんて意識高め寄りなものも置いていますが、ガタガタでも気にしないように普段は畳んでいます。コールアウトは救世主。
やっぱり書けない日がある
体調が終わっている日はなにもないデイリーノートになったりします。これはもう……無理!
せめて「おはよう」「おやすみ」くらいは書けたらいいんですが(起床と就寝記録のためのマクロも完備済)、スマホが持てないくらいに憔悴しているときもあるにはある。こうなったら念力とかで書くしかないかもしれない。
ウェアラブルデバイスでなんやかんややるという手はありますが、多機能なものを持てるほど裕福なわけでもなく、肌が激弱の民ゆえに常時着けておくこともできず。
そこまで必死になってメモとらなくてもいいかな、が現状の感想です。なんでもかんでも残しておくとやっぱり便利なんですけどね。音声でなんやかんやする、が一番可能性あるかな……。
一応ちょっと元気になったら「おしまいの日だった」程度は書くようにはしています。
なにもないことも、またひとつの情報。未来からそれらを見て、今日こそちょっとなにかをしてみようと思えたら、一歩前進ではないでしょうか。
もっと活用したい
漠然としすぎですが、まだまだ便利にできるんじゃないのか?という思いは常にあります。
意識が低くてもObsidianは便利!というコンセプトで現Vaultを使っておりますが、もっと利便性を享受したい。しかし面倒さを上げずに便利にするには、どこをどうすべきか正直わからない。なにを残すにも、そのためのアクションが必要になってしまう。
これについては、アンテナを張って情報収集していくのが先かもしれません。
いろんな人の使い方を知って、自分の環境にも取り入れていくサイクルを作りたいところです。無理はせず、やる気があるときだけでも。
最近公式からリリースされた「Obsidian Web Clipper」を使うのも面白そうだなと思っています。
今のところわたしのVaultは、自分の言葉を蓄積する場となっており、外からやってきたものはほぼありません。新しい風といえるでしょう。
しかし置き場に悩むので、現状はまだ保留の状態。自分が書いたものと混ぜてしまっていいものか……とりあえず別のところに置こうか。いやそうするとGardenと同じ参照しづらい問題が……と、進んでいない感じ。
便利ではあるので、いずれ使うでしょう。
おわりに
心身共に不調な時期に入ってしまっているのですが、そんなときでも寄り添ってくれる環境というのは心地いいものです。
今使っているObsidian環境は、急かすでも強制するでもなく、でも必要な情報はいつでも目につくところに置いておける、人生の伴侶的お道具箱となりつつあります。
前回の記事は想像以上にたくさんの方に読んでいただき、こんな意識の低い使い方を見られてしまうなんて恥ずかしい……!という気持ちもなきにしもあらず。
しかしやはり、自分に合った形はこれなんだろうなあと思うので、このゆるゆるだらだらなメモぐらしを続けていく所存。ついでに誰かのお役に立っていたら幸いです。
また来年もSyncの年額請求が来るはずなので、こんな感じのだらっとした振り返り記事を書くかもしれません。
願わくばドルよ、もうちょっと安くなってくれ。