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182日目(謎のピンポーン)

僕が住んでいるアパートは四階建てで、一階に一世帯の計四世帯が住む縦長の建物です。
僕は四階に住んでいて、来たことある人はわかると思うけど狭い階段をクネクネ上がった最上階が僕の部屋で、隣人とかは無く階下へドンドンしない限りは割と住みやすい環境であるとも言える。
四世帯しか無いが互いに干渉することもなく、たまに顔を合わせれば会釈くらいで済むのがコミュ障の僕にはちょうどいい。

今までは自衛隊のプライベート空間さえ無い居室や、猪や猿が庭先に現れる山奥の実家で生活してきたせいか、高松シティーボーイになった今でも自宅にいる時は施錠をしないほどの大らかな心持ちではある。
深夜や早朝に他の階の住人が扉を開けると割と大きな音として聞こえるので、自衛官上がり特有のパッと目が覚める時はけっこうあるんです。

そんな中で、それが夢なのか現実なのか未だにわからないんですが、今年でちょうど7年になる居住歴で数回解せないことがある。
それはいつもの起床時間である早朝6時半より早い時間に玄関のチャイムがなってパッと目が覚めたことが数回あるのです。
数年前には雨漏りも発覚したくらいの古い建造物のせいか、自宅の玄関チャイムは古臭い独特な音がして、ピンポーンというよりはキンカーンという音がします。
過去数度の起床時間より早い玄関チャイムは、他の階で聞こえるような薄らしたものではなく、明らかに室内に響き渡る音でキンカーンと鳴って目が覚めるのです。
その音は夢の中で聞こえるようなボヤッとしたものではなく、現実に聞こえる音として僕を目覚めさせるのです。
ハッと目が覚めてしばらくは寝室から見える入り口方向を注視し、何者かが侵入してきた時の想定をしたりもするんですが、果たして今まで何度かあるその玄関チャイムは夢の中の出来事なのか、現実の音なのかは未だにわかっていません。

それでも、今日も玄関の鍵は開けっ放しです。
お暇な方はいつでも遊びきてください。

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