偶然が運命になるには行動が大事です 11
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秋元:大樹ってハリウッド興味ある?
大樹:…モグモグ……ないっすね。
返事をしながら天ぷらを口にいれる
秋元:即答だな 笑
大樹:今さら英語覚える気もさらさらないですし。
何より子供がまだ小さいんで、長期滞在は無理っすね。
秋元:だよな。
大樹:断るの分かってて聞きいたんでしょうけどなんかあったんですか?
秋元:実はある映画関係者にハリウッドでやれるレベルの脚本家はいないかって聞かれてな。
大樹:もしかして俺の名前を出したんですか?
秋元:出した。
大樹:…………俺に無許可で何やってんすか 苦笑
秋元:その関係者の話しだと最近ハリウッドでもリメイクとかナンバリングの映画が多くなってきた昨今に0から作れる新人脚本家を募集してるらしくてな
そういう人材には結構な予算と監督まではいかないが多くの権限が与えられるって話しらしい。
大樹:そこまで聞いてもやっぱり興味ないですね。それにもう新人って歳じゃないんで 笑
秋元:そうか……でも昨日
大樹に決まっちゃったんだよ。日本代表。
大樹:代表?
秋元:実は各国で選ばれた代表が出れるアメリカで大規模に行われるオーディションがあって。
今話したのはそれに合格した1人だけが貰える権利なんだよ。
大樹:なるほど……でも決まったとか言われてもやらないっすよ。
スケジュールも埋まってるんで 笑
秋元:だろうな、でもこの話しには続きがある
大樹:続き…怖…
秋元:代表に選ばれた人が仮に出られなくなった場合、また選び直すんじゃなくて。
その代表が自分の代わりを指名するって言う規約があるんだ。
大樹:ハハッ そういう事ですか。
だから俺の事 代表にするように関係各位に働きかけましたんですね?
秋元:あぁ。
大樹:目的は○○を代表にする事。
秋元:そうだ。
流石に無名すぎる人間を推薦するのは俺でも無理だからな。
大樹:秋元さんの思惑通り
確かに○○なら面白いモノ作ってくれると思いますよ。
秋元:先日のドラマの脚本は見事だったからな。
大樹:確かに。
秋元:それなら…
大樹:でも…今の○○では権利を得れないと思いますよ?
秋元:師匠のお前が弟子を悪く言うのか?
大樹:いえ…アイツの想像力は本物でしょう。
でもその能力を発揮出来る機会がまだ限定的すぎます。
秋元:原因はわかってるのか?
大樹:彼の中にいる齋藤飛鳥の存在が大きすぎる事でしょうね。
秋元:……創作は孤独、そして孤独は戦い。
俺らの宿命だな。
大樹:はい。
その点、私生活と仕事を分けられない未だに中途半端な○○には両方共に成長する為にもまだ孤独でいる必要があります。
秋元:2人を切り離すって事か。
大樹:それでどうなるか分からないですけど…
恩人だから側にいたいのかそれともそんなの関係なくても側にいたいのかそれを○○も飛鳥も知る良い機会だと思います。
2人には本当の意味で幸せになって欲しいんで
秋元:師匠というか親だな 笑
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「齋藤飛鳥さんクランクアップでーす」
飛鳥:ありがとうございました!
1クール無事に走り抜け終わりを迎えた
マネ:この後は打ち上げだよ?
ちゃんと覚えてる?
飛鳥:もちろん。
ひと段落して家にいる○○にも遅くなる事を伝えていた
飛鳥:これで…少しはイチャイチャする時間出来るかな…ボソ
なんて少し妄想したけど
それは後日すぐに崩れた
マネ:週刊誌が事務所に飛鳥の事で電話しに来たらしい…
飛鳥:!!
マネ:飛鳥って、私たちに何か隠してる事ある?
隠してる事……○○の事かな…
でも、それは大樹さんのおかげで事務所にも了承を得られてたはず
だから私は
飛鳥:……ない。
そう答えた
マネ:ホッ…
そりゃそうだよね…飛鳥に限ってこの前の主演の人と恋愛なんてしないよね。
飛鳥:ハッ?なにそれ!
想像の斜め上を行き過ぎて声が裏返ってしまっていた
飛鳥:確かに色々と助けてもらったけどそんな感情1ミリもないよ。
マネ:だよね…多分週刊誌はドラマの撮影中に愛を育みましたっていう噂作りたいんだよ。
飛鳥:最低…
マネ:記事が出るかは未定らしいけど…
ドラマが終わってすぐっていう話題性だけで記事を出すかもしれない。
だから今後もし記者に突撃されたらその時の受け答えには気をつけて。
飛鳥:………分かった。
飛鳥:最低だ……ボソ
最初に浮かんだのは…乃木坂そして後輩たちの事…
彼女達にも嫌な世間の目のターゲットにさせてしまうそんな不安に駆られた
でも今すぐに会いたくなったのはメンバーじゃなく○○だった
…ただ記事が出る前に真実を知って欲しかった
飛鳥:…ただいま
○○:おかえり〜
飛鳥:どうしたのこれ!
○○:久しぶりに明日は休みでしょ?
だから料理振る舞ってゆっくりして貰おうかと用意してみました。
テーブルに並ぶ料理は私の頭の中の嫌なことを全て吹き飛ばすほどのインパクトがあった
飛鳥:ありがとう///
確かに撮影終わってもゆっくりできてなかった
○○:まぁ、これより美味しいもの日頃食べてるだろうけど今日だけは俺の気分に付き合って 笑
飛鳥:そんな事ない…
○○:ほら、冷めちゃうから食べよ!
飛鳥:うん///
記事の事をいの一番に言いたかったけどそれどころじゃなくなっていた
○○飛鳥:いただきます!
飛鳥:…パクッ……うま!
○○:良かった〜。
一応味見はしたんだけど、好みって人それぞれだからちょっと不安だったんだよね。
飛鳥:本当に美味しいよ!
○○:そのおかずとかは奈々未さんに作り方教えてもらったんだ。
飛鳥:へ〜
教えてもらってすぐにこんなの作れるなら梅も喜ぶ!
○○:なんで梅の話し?
飛鳥:そっか○○には言ってなかった。
実はドラマも終わったから梅と久しぶりにチートデイやろうって話ししてるんだ。
○○:チートデイ…前に誘われた記憶あるな。
確か…用意するの手伝って欲しいとかだったような…
飛鳥:その通り!
梅も自分で言った事覚えてて用意するの手伝って欲しいんだって。
だからこれだけ料理出来る○○なら大喜びだと思う。
○○:そっか……予定確認してみる。
飛鳥:予定って次の仕事決まったの?
○○:ありがたいことにね 苦笑
飛鳥:すごいじゃん!
それじゃ早くやらないと出来なくなっちゃうって梅に言っとく。
○○:…お願い。
その後も料理と会話、そして晩酌程度のお酒を楽しみながら時間を過ごす
飛鳥:ごちそうさまでした!
○○:お粗末様でした。
飛鳥:その言葉嫌い…苦笑
○○:TVで間違えて言ってた時あったもんね 笑
飛鳥:知ってるんだ。
○○:そりゃ視聴者だったからね。
飛鳥:恥ずい///
ピピピ お風呂が沸きました
○○:あ!そうだ。
お風呂も入れたんだった。
飛鳥:本当に至れり尽くせり。笑
○○:でしょ?
撮影本当に頑張ったからね。
飛鳥:それを言ったら○○もでしょ?
○○:まぁ俺は一話分の台本だけだし。
それ以外はお手伝いだから 苦笑
でも…次の仕事頑張ったら飛鳥になんかしてもらおうかな。
飛鳥:じゃあその時は手料理 振舞ってあげる。
○○:楽しみにしてる。
飛鳥:じゃあお風呂入ってくる。
○○:うん。
飛鳥:また覗くなよ!
○○:またって 苦笑
一回も覗いた事ないから。
飛鳥:笑
お風呂では口だけ水面につけてブクブクしながら
「上がったらどうしよう」
なんて呟いたけど結論は出ないまま上気せる前にお風呂から出てリビングに行くと
食器達を洗い終わった○○がこちらに背を向けてソファでくつろいでいた。
いつからだろう…
その背中がこんなに背中が大きく
遠くに離れていくように感じるのは
ギュ〜
ソファに座った○○の背後から立ったまま抱きついた
○○:ワッ……
飛鳥は抱きついたは良いものの恥ずかしてくて何も言わない
○○:どうした?
飛鳥:………
○○:シャンプーのいい香り…
飛鳥:///
○○:そろそろなんか喋ってくれますか〜 苦笑
本当はこのまま何も言わないで抱きついていたい
でも…
飛鳥:寂しい…
そんな言葉が口が出ていた
○○:なんだそれ 笑
飛鳥:真剣なんだから笑うなよ〜。
○○:梅とか…前に来てたさくちゃんとか呼べばそれも紛らわせられるんじゃない?
飛鳥:そう言う寂しいじゃない!
ここで止めとけば良かった…
でも、今の私が○○のどこにいるのか
興味…そして確認その為に足を踏み入れた
飛鳥:本当は○○も気づいてるんでしょ!?
○○:…………
飛鳥:この前…キスまでしたのに…
それから何もなかったかのように過ごしてるって私からしたら結構ショックなんだよ?
だからもう直で聞くけど私って○○にとって何?
彼の答えが好きな人、友達…親友…ルームメイト
それなら少しは希望があるかもでも…
○○:………恩人かな。
飛鳥:それだけ?
○○:………今はそうかな。
飛鳥:そっか……だったら馴れ馴れしく抱きついたりしてゴメン。
飛鳥はすぐにその背中から離れた
○○:謝んないといけないのは俺の方。
この前は自分の作った話しと目の前で起きてる事がリンクしてキスなんてしちゃったけど…
俺にはまだ飛鳥の隣にいるのは無理なんだ。
だけど…
飛鳥:ゴメンもう部屋いくね…
○○の話しをすべて聞けなかった
○○:………
いや…聞きたくなかった
さっきまでの幸せなムードを自分から壊しに行ってしまったのは私だから…
私はアイドルだけど、その前に女の子だから恋愛もキスもエッチも好きな人としたい…
もしその相手が○○なら嬉しかった
だから一歩一歩近づきたくて…
でも○○を知れば知るほど
○○が世間に知られれば知られるほど
その背中は2歩3歩と離れて行く気がしてた
心の隅では分かってた
だけど今日聞かされた週刊誌の話し…
私の事が好きとは違う所で勝手に話しが進もうとしている
それが私を焦らせて1歩以上を踏み出させてしまった…そしたらこれ
飛鳥:最悪だ…ボソ
私は現実逃避する為に毛布を頭から被って目を瞑った
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