共通の利益:ボトムアップでやらせたい上司とトップダウンで進むと思っている部下-3
降ってきた課題をいかに自分のものにしてチャンスを使い倒すか。
前回の記事はこちら:
先日、半期に一度の人事考課がありました。事前に自己評価シートを提出して、面談で会社側の評価と自己評価の答え合わせをします。今回はそれに関連した話です。
弊社は若手に挑戦を楽しんでほしいという意向があります。裏を返せば、若いという理由で否応なしに何でもやらされるとも言えます。
そう、こういうの。リンク貼って大丈夫かな?
この種の課題には、適応できる人としない人がいるように思います。言い換えれば、「やらされること」を自分の「やりたいこと」にできる人と、「やらされること」のまま嫌々対処する人がいるのです。
私は恐らくできるタイプかと。だからこんな文章を書いているわけで。
でも「やりたいこと」という言葉は聞こえが良すぎるので認めません。「利害の一致」です(笑)
「やらされること」と「やりたいこと」を重ねるには
トップダウンで降ってくるプロジェクトなんて不可抗力だ、と感じる人もいるかもしれません。どうすればそれを「やりたいこと」とみなすできるのでしょうか。
そんなの人によって違うとは思いますが、個人的な備忘録としてまとめてみます。
点と点をこじつける
私がいつも考えているのは、自分が望むゴールに近づけるように点と点をこじつけることです。
後で自分の仕事が楽になる方向に持っていく、別途企んでいたことをそのプロジェクトの枠組みにねじ込む、など。何でもいいですが、都合の良い考え方をします。
一度「やらされること」を「やりたいこと」にするコツを掴めば、次の課題にも対処しやすくなると思います。上の人間にとっても、その人の「やりたいこと」が見えてきて、次に新しい課題を与える時の参考になるはず。・・・信じています。
余談ですが、スティーブ・ジョブズの connecting the dots は弊社の社長のお気に入りのネタです。
自己満足で十二分
極論、結果が伴わなくても、自分が満足できればそれでいいと私は思います。
降ってきた課題ではありませんが、昨年末、担当者がおらず宙ぶらりんになった事業部ごとの発表を私が拾い上げました。「翻訳事業部は新卒から70歳までの社員がいた。今は半数以上が子育て中だ。これからも幅広い世代が活躍できるよう、協力し合っていきたい」などと勝手なことを喋るためです。
これは、テレワークの増加やフレックス制度の導入を促したいという魂胆でした。結局誰にも響かなかったようで、何も変わりませんでしたが、そういう意見が存在することを知らしめて、検討に値する事柄だと認識させる程度の効果はあったはず・・・というのが私のお花畑な見解です。
ちなみに現状は、テレワークは週一日のルールはそのままで、家事の合間に打刻したり、休日出勤を申請したり、断ったうえでテレワークを増やしたり、常に「柔軟な対応」をしています。
私も「所用により」テレワークに切り替えることがあります。家庭の事情では断じてありません。
認識を合わせるには
こういうトップダウンは人材育成であり、強制や抑圧は本来意図されていないと思います。でも、下の人間が不平不満をぶちまけていると、状況が「搾取」に見えてきてしまいます。それはお互い望んでいません。だから、互いに「やらされること」と「やりたいこと」が重なる点を見つけるのが鍵なのだと思います。
下々の人間が共通解を見出す方法は上記の通りですが、上の人間はそのために何かしているのでしょうか。
その一つが、人事考課であるように思います。
弊社の自己評価シートというものは、目標達成できたかできなかったかはあまり関係がないようです。内容の良し悪しよりも、社員の自己評価とマネージャーからの評価が一致しているか、齟齬があればなぜずれているのかを把握することを重視しています。人事考課は認識のすり合わせの場とのこと。
そこで示される「やりたいこと」を加味して、会社側がやらせたいこととの均衡点を見つけやすくしてくれているのかもしれません。
私は常に会社を利用して自分が学びたいという姿勢ですが、そういう仕組みには助けられている気がします。自分の勉強になって、それが会社にとっても嬉しいことなら万々歳ですよね。素晴らしい「利害の一致」です。
今日のテーマソング: