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アメリカ海軍の最新戦略計画「NAVPLAN 2024」

はじめに

このブログは、アメリカ海軍の最新戦略計画「NAVPLAN 2024」の要約です。

特に、2027年に中国との戦闘をアメリカ海軍が想定しているという見解について、実際にはその背景に中国が2027年までに戦争準備を整えるように指示していることがあるという点について触れます。

このブログは、米中関係や国際安全保障に関心のある方、特にアメリカの軍事戦略や防衛計画に興味がある方にとって参考になる内容です。

また、報道や「NAVPLAN 2024」の情報をより深く理解し、正確な背景を知りたい方にも役立つと思います。

「NAVPLAN 2024」の原文は、以下のリンクからご覧いただけます:
https://www.navy.mil/Leadership/Chief-of-Naval-Operations/CNO-NAVPLAN-2024/


NAVPLAN 2024とは?

NAVPLAN 2024は、アメリカ海軍が2024年に発表した最新の戦略計画です。

この計画は、2027年に向けて海軍の即応性を高め、長期的な軍事力の優位性を確保することを目指しています。

発行者は、アメリカ海軍作戦部長(Chief of Naval Operations)であるリサ・M・フランチェッティ提督です。

NAVPLAN 2024は、2022年の計画を引き継ぎ、海軍が直面する新たな課題や技術革新に対応するための具体的な指針を示しています。

中国との戦争の可能性

オンライン上では、アメリカ海軍が2027年に中国との戦争を前提に準備を進めているという情報が目立ちますが、実際には中国政府が2027年までに戦争準備を整えるように指示していることが、背景とされています。

この指示に対抗する形で、アメリカ海軍は自らの戦闘準備をしているという内容です。

NAVPLAN 2024の一環として、2027年までに海軍を戦争に備える態勢にするための具体的な取り組みが進められており、その中心にあるのが「Project 33」です。

Project 33とは?

Project 33は、2027年に向けたアメリカ海軍の即応性を高めるための戦略的プロジェクトです。7つの主要目標が設定されており、それらは次の通りです:

  1. 整備遅延の解消: 艦船や航空機の整備遅延を解消し、即応性を確保。

  2. ロボティクス・自律システムの導入: 戦場での新技術導入により、艦船や航空機、ドローンなどのプラットフォームを効率的に展開し、即応性を向上させる。

  3. 指揮統制センターの強化: 分散型戦場での指揮統制力を強化。

  4. 人材の確保: 必要な人材を募り、維持する施策を展開。

  5. サービスの質向上: 兵士の士気を高めるための生活環境の改善。

  6. 戦闘訓練の強化: 現実世界および仮想環境での訓練の強化。

  7. インフラ復旧: 戦闘に必要な重要インフラの修復と強化。

「Project 33」は、中国との戦争に備えるための取り組みを中心にしていますが、ロシアやイランなど、他の脅威にも対応し、アメリカ海軍の即応性と長期的な戦力強化を目指す包括的な計画です。

中国以外の脅威について

中国に加えて、NAVPLAN 2024では以下の国々も、以下の理由で脅威として認識されています。

  • ロシアは、ウクライナへの侵攻と核兵器保有数が世界最大であることが理由で、アメリカとその同盟国にとって重大な脅威とされています。また、ロシアは海軍力を維持しており、北極圏や大西洋など複数の地域で戦闘力を保有しています。

  • イランは、中東における不安定化の要因であり、特に紅海での商船攻撃を通じて海上交通を脅かしているとされています。また、イランは無人機やミサイルを使用してイスラエルへの攻撃を行い、地域全体を戦争の危機にさらしているとされています。

  • 北朝鮮は、アメリカとその同盟国に対する継続的な脅威であり、特に核兵器やミサイル開発を通じて地域の安定を揺るがしているとされています。

中国以外の脅威について

NAVPLAN 2024では、中国以外にもいくつかの国が脅威として挙げられています。

ロシアは、ウクライナ侵攻を受けて国際的に非難されつつも、依然として大規模な軍事力を保有しています。

また、イランは中東地域での不安定化を引き起こしており、特に紅海を通る商船を標的にするなどの行動がアメリカ海軍にとって脅威です。

北朝鮮も引き続き米国やその同盟国に対するリスクを高めています。

未来のアメリカ海軍のビジョン

NAVPLAN 2024は、2027年以降に向けたアメリカ海軍の長期的な戦略も視野に入れています。

技術革新が鍵となり、ロボティクスやAI、自律システムの導入によって、海軍の即応性と戦闘力がさらに強化される予定です。

この長期的ビジョンを通じて、アメリカ海軍は次世代の脅威に対処できる力を持ち続けることを目指しています。

まとめ

NAVPLAN 2024は、中国を中心とする複数の脅威に対応するために策定されたアメリカ海軍の戦略計画です。

特に、中国が2027年までに戦争準備を整えるよう指示していることを背景に、アメリカ海軍は「Project 33」を通じて戦闘準備を加速させています。

この計画により、アメリカ海軍は現在の脅威に対抗しつつ、長期的な軍事的優位を確保しようとしています。

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