アメリカ株:金利と株価の関係
はじめに
このブログでは、金利と株価の関係について学んだ内容をメモとしてまとめました。
金利が経済や株価に与える影響について、経済の動向を予測する際に役立つ情報を整理しました。
また、金利だけでなく、消費者信頼感指数(CCI)や製造業指数(PMI)といった景気の先行指標も併せて紹介し、景気判断に役立つ指標を総合的にお伝えします。
金利とは?
金利は、資金の貸し借りに対する「借り手が支払うコスト」または「貸し手が得る報酬」としての利率を指します。
金利には、特に経済に影響を与える短期金利と長期金利があります。
短期金利
FRB(連邦準備制度)が政策金利として調整し、1年未満の資金借入の基準となります。企業や消費者が毎日の金融活動で利用するため、日々の取引に影響します。
長期金利
10年国債利回りなど、長期の資金調達のコストとして市場の需給で決まります。主に経済成長やインフレ期待に応じて変動します。
金利と経済
金利が上がると、借入コストが増えるため、企業投資や消費活動が抑制され、景気が冷え込む傾向があります。一方で、金利が下がると借入がしやすくなり、経済活動が活性化しやすくなります。この関係が、FRBが景気を調整する際に金利政策を用いる理由です。
金利はどのように決まる?
短期金利
中央銀行が設定する政策金利に基づき、金融機関間の取引で日々変動します。通常、景気の早期刺激策として利用されます。
長期金利
市場が経済の成長やインフレに対する期待を反映して決定します。
特に逆イールドカーブ(短期金利が長期金利を上回る状況)の解消は、景気後退の兆候と見なされます。
ただ、金利は一般に遅行指標とされるため、景気の現状を反映するものの、将来の景気を予測するにはタイムラグがあります。
そのため、金利だけでは景気の動向を迅速に捉えるのが難しいのです。
これに対し、先行指標は、将来の景気を見極めるために重要な役割を果たします。先行指標を金利と組み合わせて活用することで、より早く経済の兆候を把握しやすくなります。
その他の景気指標(先行指標)
景気の先行指標として、消費者信頼感指数(CCI)製造業指数(PMI)が特に信頼性が高いとされています。
消費者信頼感指数(CCI)
The Conference Boardが毎月の最終火曜日に発表します。消費者の経済への信頼感を示し、消費活動の先行指標として重要です。
一般に、CCIが100を下回ると、消費者心理が弱まり、景気が減速するリスクが高まるとされます。
製造業指数(PMI)
S&P Globalが毎月初めに発表し、製造業の拡大・収縮を示します。
PMIは50を基準としており、これを下回ると製造業が収縮していることを示し、景気減速の兆候とされます。
この2つの指標は、消費活動と生産活動の両面から経済の現状と見通しを把握するために選ばれています。
さらに、その他の先行指標と併用することで、より正確な景気予測が可能になります。
金利と株価の関係
金利の上昇時
一般的に、金利が上昇すると、債券などの安全資産が株式よりも魅力的になるため、株価が下落しやすくなります。
金利の下落時
また、逆に金利が下がると、企業が資金調達をしやすくなり、経済活動が活性化されるため、株価が上昇しやすいです。
現在の景気
短期金利は現在4.83%、長期金利は4.11%で、逆イールド解消の兆候が見られます。このことは、景気後退が近い可能性を示唆しています。
CCIは68.9、PMIは47.2で、いずれも景気減速リスクを示しています。消費者の購買意欲が低下し、製造業の活動も縮小傾向にあることがわかります。
これらの指標から、不況入りが6〜12ヶ月以内に起こるリスクが高まっており、近い将来の経済への影響に注意した方がよさそうです。
不況期の投資戦略
不況期には、リスクが低く、安定した収益が期待できる資産への投資が重要です。不況の際に資産の価値を守り、できるだけ安定した収益を得るために、以下のような投資商品が注目されます。
国債
安全性:国債は政府が発行するため、返済のリスクが低く、安定した投資対象です。景気が悪化する際、特に長期国債は多くの投資家にとって安全資産として魅力的です。
安定した利回り:不況時には株式市場が不安定になるため、相対的に安定した利回りが期待できる国債が人気となります。利回りは低いですが、元本が保証される点が魅力です。
配当株
防御力のある株式:生活必需品や公益事業などのディフェンシブ銘柄が代表的で、消費者需要が不況時にも安定しているため、株価も比較的安定しています。
配当収益:高配当株は不況時にも収益源として注目され、株価が下落しても配当が安定して支払われる可能性が高いです。これにより、株価の変動リスクを補うことができます。
REIT(不動産投資信託)と金
REIT:不況期でも商業用不動産や住宅用不動産からの収益を得られ、不動産の賃料収入が安定している場合、投資家に定期的な収益をもたらします。
金(ゴールド):金はインフレ対策としての価値も高く、不況や不安定な市場で資金を守る手段として選ばれることが多いです。金価格は、景気悪化時に上昇することが多いため、リスクヘッジとしての役割を果たします。
これらの中でも、最もリスクが低く、安定した利回りが期待できるため、安全資産の国債が第一選択肢として勧められています。
まとめ
金利の変動が株価や景気に与える影響を理解することで、経済のサイクルや市場の動きを把握しやすくなることがわかりました。
金利は遅行指標として景気を示すものの、消費者信頼感指数(CCI)や製造業指数(PMI)といった先行指標を併用することで、将来の景気動向も見極めやすくなります。
不況期には国債や高配当株、金などの安全資産に目を向け、安定した収益を確保することが重要であることがわかりました。
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