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【お知らせ】第1回デザイン研究講演会


講師:近藤存志 氏
「リュベトキンのペンギンプール:ピクチャレスクとイギリス・モダニズム建築の系譜」

日時:2025年2月16日(日)14:30~16:30 (受付14:00〜)
会場:デザイン史リサーチセンター東京
(住所)東京都新宿区下落合3-15-23-104
申し込み:先着10名
参加費:2000円(資料代、お茶代含む)
※当日、現金にてお支払いください。
デザイン史学研究会後援

【応募フォーム】
※先着制で定員に達したため、恐れ入りますが、この度の募集は締め切らせていただきました。(2025年1月27日更新)
https://forms.gle/jiTuSzg3UfoNHQAF9

近藤 存志(こんどう・ありゆき)
東洋大学福祉社会デザイン学部人間環境デザイン学科教授。日本学術会議連携会員。エディンバラ大学大学院博士課程修了。PhD in Architecture(エディンバラ大学)。著書に『時代精神と建築』(知泉書館)、『現代教会建築の魅力』(教文館)、Robert and James Adam, Architects of the Age of Enlightenment (Routledge)、『キリストの肖像』(教文館)、『光と影で見る近代建築』(KADOKAWA)、『ゴシック芸術に学ぶ現代の生きかた』(教文館)。

講演内容:
1934年6月、『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』は、竣工間もないロンドン動物園のペンギンプール(Penguin Pool, Regent’s Park Zoo, London, 1933-34)について、「園内で最もピクチャレスクな一角」と表現しました。
その数年後、ニューヨーク近代美術館が「イングランドの近代建築」(‘Modern Architecture in England’, 1937)と題した展覧会を開催し、これに併せてラースロー・モホイ=ナジ(László Moholy-Nagy, 1895-1946)によって短編映画「新建築とロンドン動物園」(‘New Architecture and the London Zoo’, 1936)が制作されました。
建築史家ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック(Henry-Russell Hitchcock, 1919-87)は、「イングランドの近代建築展」の開催に際して刊行された書籍に、同展と同じ表題の論稿を寄せて、その中で「今日、イングランドは近代建築の設計・建設活動において世界をリードしていると言っても過言ではない」と記しました。そしてさらに続けて、ロンドン動物園のペンギンプールが「イングランドにおける近代建築の発展が世界の注目を集めるきっかけとなった建造物」であること、またこの建造物によって「イングランドが、近代建築を現代における合理的な建築のあり方として受け入れただけでなく、最高の技術と美的創意を兼ね備えた建築の才に秀でた人びとに活躍の機会を提供していることが明らかにされた」と主張しました。
ロンドン動物園で「最もピクチャレスク」な空間にして、「イングランドにおける近代建築発展の象徴」となったペンギンたちのためのプール。—— 本発表では、「ピクチャレスク」(the Picturesque)と「18世紀後半に源流を持つイギリス・モダニズム建築の系譜」を手掛かりに、バーソルド・リュベトキン(Berthold Lubetkin, 1901-90)の傑作ペンギンプールがイギリスの美術史・建築史に占める位置に注目したいと思います。