日本最大級RTAイベントRTA in Japanのオンラインでの技術ボランティアって何するの?(初心者向け)
RTA in Japan Summer 2021が8月に開催されます!ゲームの募集が終了し、技術ボランティアの募集が始まっております。ですが、「技術ボランティアって何をするの?」「あまり想像がつかない...」という人のためになるべくわかりやすく解説するという記事になります。
注意事項
・RTA in Japanの配信やYoutubeチャンネルで公開されている動画をご覧になった方を前提とした記事です。
・技術ボランティアの仕事内容の記事ですが、前年のRTA in Japan 2020で開催したときの内容がベースとなっています。今回開催されるイベントではいくつか変更点ある可能性があります。
・記事を書いた私ですが、まだボランティア1回のみの参加です。間違いなく、複数回参加したボランティアの人だったり運営の方が確実に詳しいです。間違えた情報や思い違いのある情報があるかもしれませんがご了承ください。
・今回のRTA in Japan Summer 2021でRTAやったことないけどボランティアに関わりたい!だけど、「技術ボランティア」は何をするの?っていう人のための記事です。なるべく変に難しい用語は使わず大雑把にこんな感じで仕事するんですよ〜っていうのがわかるように書いています。
RTA in Japanとは?
日本で最大規模のRTAイベントです。毎年2回(夏・冬)開催し、RTAの発展のためにRTAプレイヤーたちが集まる交流の会となっており、RTAやったことがない人でも興味関心を高める目的で開催されています。
昨年のRTA in Japan 2020では、Twitch配信で訪れる一日のユニークユーザ30万人,総ユニークユーザ100万人以上(関係者からの情報)、同接で6万人以上を記録...と、日本で開催されるゲームイベントとしてもトップクラスの人気を誇ります。
ボランティア募集の意味
そんな規模のある本イベントですが、開催期間は5日間で累計100時間以上,なおかつ80個以上のゲームで100人を超える走者や解説者が関わっております。
本イベントは、主催者のもかさんを中心に計8名の方が運営に関わっております。しかし、前述の通り5日間休む暇もなく配信続けて、走者や解説者や配信視聴者などを全てまとめて円滑にイベントをこなさなくてはいけません。
おそらくではありますが、これだけの規模をまとめるのに人手が全然足りていないのが主な理由だと思います。
また、内部に関わることでRTAの興味関心を高めたり本イベントに関われる新たな運営スタッフを育てる意味もあるかと思います。
ボランティアの種類
募集しているボランティアは以下の2つに分けられ、さらに細かく2種類のお仕事になります。
・オンラインボランティア
1 チャットモデレーター:Twitchに投稿されるチャットの管理をし(不適切なコメントを対処したりする)、迷惑行為を防止させる仕事
2 Twitter管理:Twitterで次のゲームの概要や只今走っているゲームの特集などをツイートし、RTA in Japanの宣伝をする仕事
・技術ボランティア
1 走者配信確認:前走者の方が完走しそうなときに配信の準備のために走者と解説者の呼び出し、走者のゲーム画面(もしあればカメラも)が映像音声共に問題なく配信できているか確認
2 配信PC/NodeCG:走者や解説者のゲームプレイ画面やボイスや配信用のレイアウトをTwitchへ配信する仕事 、RTAに必要なタイマーの計測やTwitterに投稿された走者の応援ツイートを配信上へ表示したりする仕事
のようになっています。
私は昨年、技術ボランティアの方を行いましたので、どういう仕事をするのかということを話していきたいと思います。
技術ボランティアに必要なものと大まかな仕事内容
必要なもの
・それなりに高性能なPC
技術ボランティアは以下のような操作を行うので、まともに使うソフトが動かせずセットアップに大きく時間を使ってしまう可能性があります。
・運営が所持している配信するためのPCをネットワーク経由で操作する
・Webブラウザを複数のタブ起動して作業を行う
運営から指定がありませんが、個人的にはそれなりに負担がかかりにくいPCが必要だと思います。
私はあまりPCに詳しくありませんが、以下のようなスペックのノートPCだと正直厳しいのでは?と考えた方が良いかと思います。
※わかる人向けに書きますが、個人的にはこのくらいのスペックがあれば十分と考えています。
・CPU:Intel Core i5
・PassmarkのCPUスコア:6000以上
・メモリ:8GB以上
・ネットワーク環境がそれなりに良いこと
無線でも有線のLAN接続どちらでも良いです。ダウンロードとアップロード速度のネットワーク速度が10MbpsあればOKと思って良いかと思います。(以下で測定してみてください。)
http://fast.com/
・マイク
走者や解説者や他のスタッフの人たちとDiscordでのコミュニケーションに使用します。
マイクに関しては、そこまで高価なものじゃなくても良いかと思います。ボランティアの人が配信で話すわけでもないので、安価なヘッドセットでも断線等なければ使用しても問題ないかと思います。
また、PC内に内蔵マイクが搭載されていればそちらで十分かと思います。
・Discord
走者や解説者や運営やボランティアなどが集まり、業務報告や配信音声を流すためのチャットソフト
・Twitch
RTA in Japanの配信を行うライブストリーミングサイト
運営配信PCのOBSの映像と音声がTwitchのライブで流れます。
・Parsec(配信PC/NodeCG で必要)
運営が所持している配信PCにネットワーク経由でアクセスするソフト
配信PC上にあるOBSやVoicemeeterのようなソフトを操作するために使用します。
Windowsで既存にあるリモートデスクトップ接続と同じようなソフトと思った方が良いかと思います。
・OBS、OBS Ninja(配信PC/NodeCG、走者配信確認 で必要)
OBS
OBS Ninja
OBSはゲーム画面や音声をTwitchなどに配信するためのソフトです。
今回は走者のゲーム画面(複数の走者やカメラ撮影もOK)をOBS Ninjaというブラウザのツールを使用して運営配信PCにあるOBSへ取り込みを行います。
・Voicemeeter(配信PC/NodeCG で必要)
以下の音を調節するためのソフト
・Discordの配信音声
・セットアップ時に流れる音楽の音量
・ゲームの音量
Parsecで運営の配信PC内から操作します。
・NodeCG(配信PC/NodeCG で必要)
NodeCGは配信するための背景レイアウトを作成するものであり、そのレイアウトをOBSに取り込みます。背景レイアウトはNodeCGの管理画面上で操作を行うことができ、タイマーの開始停止とTwitterに投稿された走者の応援ツイートをレイアウトへ表示することも可能です。
以上のもの使い、どういうことをやるのか図にまとめると以下の通りです。
これではどういう風にやって行くのか分かりづらいと思うので次の章から仕事の流れについて書きたいと思います。
(赤線が走者配信確認の仕事で行うこと、青線が配信PC/NodeCGの仕事)
技術ボランティアの仕事の流れ
技術ボランティアは応募して採用されますと、応募から考慮し都合がつく日程が決められます。
時間帯によって走者配信確認または配信PC/NodeCGにシフトが割り振られます。
シフト時間の10分前くらいには、PCやマイクを準備したり必要なソフトを用意しておいてください。
DiscordのRTA in Japanのチャットにある「控え室」に入り、他のスタッフの方に挨拶をお願いします。
走者配信確認
1. 走者と解説者の呼び出し
前のゲームがもう少しで完走しそうなとき、走者と解説者がDiscordでオンラインか確認し、Discordのチャット上で以下のように書き込みます。
現在走行中のゲーム「〇〇」がもう少しで終了となります。
走者の□□さんと解説の△△さんは控え室に来てください。
運営が提供しているシフトに、次のゲームで担当する走者と解説者が掲載されていますので、それを頼りに担当の人を呼び出してください。
完走しそうというのはゲームやカテゴリでどう判断するのかは難しいですが、前のゲームで「もうそろそろ終盤」と話していたり最終ステージに突入したとかそういうタイミングで大丈夫かと思います。
2. 走者と解説者の音声確認、OBS Ninjaでゲーム映像と音声確認
走者と解説者が話す音声がちゃんと聞こえているか、OBS Ninjaでゲーム画面と音声がちゃんと表示されて音量も出ているか確認します。
もし、正しくなければその人に調節していただくようお願いする必要があります。
これまでで前のゲームが終了するまでに完了したいところです。
3. 前のゲームが終了してセットアップの画面に戻ったらDiscordの本番環境へ移動させる
走者と解説者はDiscordのRTA in Japanのチャットにある「控え室」に入っておりますが、前のゲームが終了したら「本番用」に走者と解説者のアイコンをドラック&ドロップで移動させます。
これが基本的な一連の流れで、またゲームが終了しそうなときに「1. 走者と解説者の呼び出し」の作業を行います。
配信PC/NodeCG
1. Parsecで配信PCへアクセス
シフト開始10分前くらいに、Parsecで運営が所持している配信PCへアクセスします。
2. OBSでゲーム画面やレイアウトの調整、Voicemeeterで音声調整
DS,GC,PS,PS4などゲーム機や走者の数などによって画面数や画面のサイズも違います。
OBSにはそれぞれにあったレイアウトが多数用意されていますので、ゲームやカメラありなどを考慮してそれぞれに合うレイアウトを選択しておきます。
レイアウトを選択したが、うまく走者のゲーム画面が取り込められてなかったりしたらサイズの微調整設定も行います。
また、Voicemeeterで音声を調節し、以下の音声が正しいバランスで流れているか確認します。
・Discordの音声
・ゲームの音量
もし、一人の方の音量が大きい小さいと明確にわかる場合は、配信PCにあるDiscordから対象の人の音量を操作するということも必要です。
3. NodeCGでタイムの操作やツイートをレイアウト上に乗せる操作を行う
配信が開始したらNodeCG上にあるタイマーを走者や解説者の指示のもと、操作を行います。
RTAが始まったら、RTA in Japanに関係するツイートが多数流れるタイムラインがありますので、レイアウト上にツイートを表示させます。
なるべく数分に1回表示させて、不快になりそうなツイートは表示せずに走者にとって嬉しいツイートを表示させます。
例として、私が昨年NodeCG操作担当だった「Momodora: 月下のレクイエム」において、
以下の通りに配信されています。
https://www.youtube.com/watch?v=hbeg3YlBe0k
技術ボランティアで大切にしておきたいこと
1. わからないことや問題が発生したら真っ先に運営へ相談
本イベントはトラブルが発生せずに予定通りスムーズに進むということは難しいと考えたほうが良いと思います。
何かわからないことがあったら真っ先に運営の方へ相談するようDiscordに相談用のチャットがありますので質問事項を伝えてください。
ボランティアの中で個人的にOBSの操作が一番難しいのかと思います。
そこのトラブルが多いと思ったので、もし問題が発生したら躊躇なく運営に相談することが大切です。
2.慌てず確実に、ゆっくりでも良い
やっぱり初めてOBSやNodeCGを操作するのは、誰でも戸惑うかと思います。
運営の方からきちんとしたマニュアルがありますので、それを常時見ながらでも良いので確実に手順を踏んでソフトを操作するというのが大切です。
もし、遅れたとしても誰もあなたのことを責める人というのはいないです。
まとめ
・技術ボランティアには、走者配信確認と配信PC/NodeCGの2種類ある
・必要な機器として、それなりに良いPCとネットワーク環境、マイクが必要
・必要なソフトとして、Discord、Parsec、OBS、OBS Ninja、Voicemeeter、NodeCG
・走者配信確認の仕事の流れとして、
1. 走者と解説者の呼び出し
2. 走者と解説者の音声確認、OBS Ninjaでゲーム映像と音声確認
3. 前のゲームが終了してセットアップの画面に戻ったら走者たちをDiscordの本番環境へ移動させる
・配信PC/NodeCGの仕事の流れとして、
1. Parsecで配信PCへアクセス
2. OBSでゲーム画面やレイアウトの調整、Voicemeeterで音声調整
3. NodeCGでタイムの操作やツイートをレイアウト上に乗せる操作を行う
夏開催のためのゲーム募集が2021/05/24に終わり、1ヶ月後頃にはゲームもボランティアも決まるそうです。
でも、人気のイベントなので早めにボランティア募集が締め切ってしまう可能性もあります。
もし興味いただけたら最初にあるツイートのURLから応募してみてください!