放置されるローテでどう過ごすか

こんにちは。おにちゃんです。
悩んでいる人が多そうなので書きます。

初期研修がんばろう!将来選ぶ科じゃないけどしっかり勉強するぞ!
と思っているのに放置されるローテートだと、ちょっと辛いしやる気を削がれますよね。私も初期研修の時産婦人科が結構放置気味で嫌な気持ちだったのを覚えています。


今回は私なりの意見を書きます。

誰のせい?

まずはなぜ放置されるのかをしっかり鑑別しましょう。自分よりも先に回った同期に話を聞き、自分以外の人も放置されていたのかをチェック。自分が嫌われているだけ説を除外しましょう。
もし嫌われているだけなら、何が原因かをよく考えること。もちろん人間なので合う合わないはありますが、他の同期との扱いの差があまりにも大きい場合はおそらく相性とかいうレベルではない問題があります。

上級医に好かれるテクニックについてはこちらを参考にしてください。


研修医教育は贅沢品に成り上がった

他の同期も同じように放置されているなら、原因は上級医側にあります。ただし、上級医も人間ですし、正直研修医指導はボランティアの側面が強いので研修医教育に前向きでない先生を責めることはできません。
特に昨今の働き方改革で、上級医からすれば研修医教育を放棄するのに十分な邪魔が入りました。研修医教育ガチ勢の私でさえ、めんどくさいな(教育でなくて上層部とのやりとりが)と感じる事もあります。

私の質問箱にこんな質問をくれた先生もいました。

この先生は内心では研修医教育にもっと力を入れなきゃと思っている時点で、どちらかといえば教育熱心な方だと思います。本当に興味がない先生はそんなこと考えもしませんから。
また、最初は教育熱心でも、過去の研修医の態度が悪かったり、良かれと思って指導をしても残業させるなだのケチをつけられたり、ちょっと指摘しただけでパワハラだのと言われたり、「じゃあもう知らねえよ」ってなってしまった可能性もあります。卒業生がやらかして指定校推薦がなくなるみたいな感じで、これも先人を恨むしかないです。

ただこういう深層心理ではモチベーションがある上級医の場合、研修医の熱意さえあれば指導には前向きになってくれるケースも多いので、やはり上級医に好かれる努力をしてみる価値はあります。


問題はここから

問題は、本当に研修医教育に興味がない上級医のケースです。こう言う人も普通にいます。外科系の先生は割と面倒見がいい先生が多いですが、マイナー科やネチネチ内科だとちらほら、本当に研修医と関わりたくない人もいます。
「じゃあ研修医がいない病院で働けよ」というのも一理ありますが、研修医を雇っているのも病院、研修医教育無気力先生を雇っているのも病院。そもそも研修医教育に報酬がないので、この場合はもう仕方ありません。研修医も悪くないし、上級医も悪くない。どうしようもないです。

もし3年目以降、全く関わることがなさそうな領域(眼科志望の整形外科ローテなど)なら、もう割り切って楽をしてください。他の科の勉強をするなり、趣味に没頭するなり、恋愛に勤しむなり。それも立派な時間の使い方だと本気で思います。

問題は、3年目以降のためにも勉強したいけれど放置されるケースです。
その場合、大事なところに絞って注力してください。例えば私のように産婦人科ローテで放置される場合、まず、3年目以降に関わりが薄い分野はバッサリ諦めます。私の場合は内科医として最低限の婦人科知識を覚えたいと思っていたので、不妊治療や手術の術式の勉強は捨て(カイザーは見てるだけで感動しましたが)、救急外来から婦人科にコンサルトされたケースの”正解”や、子宮筋腫や付属器腫瘍などの画像診断と対応の流れなどに絞ります。
座学がベースにはなってしまいますが、やはり専門家からの”耳学問”での勉強をしたい。そのためにはこちらから質問するのが重要です。いくら研修医教育に興味がない先生でも、聞かれたことを教えないなんてことはないはずです。

この時のコツは、なるべくclosedな質問をすることです。
「卵巣出血の対応について教えて」ではなく、実際のカルテを見ながら「この患者さんあ救急外来で見た時に卵巣出血と診断する自信がないので教えて」「この患者さんは緊急手術になっているけど、この患者さんは保存的治療になっているのはなぜ」のように、なるべく実際の患者に即した、具体的な質問をすることです。
要はテーマを決めてレクチャーをしてもらうのではなく、特定の疑問を解決してもらうイメージです。ただし、closedな質問をするためには、そもそもの前提知識が必要です。だから結局は事前にしっかり勉強しておくのが大事という月並みの意見になってしまうんですが、でもそれが大事です。研修医教育に消極的な先生であっても、しっかり勉強をした上でclosedな質問をしてくる研修医に対してはやる気を出す可能性もあります。

じゃあどうやって前提となる基礎知識をつけるのかというと、やっぱり教科書を読むことになります。論文やUp to Dateでなくていいので、あんちょこ本や私のnoteを読んで最低限の知識を身につけて、”わかってる風”で質問してください。

そこまでやってダメなら、もう上級医が悪いです。諦めて他のことをやりましょう。ちなみに、精神的にしんどいのでそこまでする価値があるのかは分かりませんが、上記の戦略を診療科のトップにする、という荒技も存在します。トップの先生はそもそも研修医と話す機会が少ないので意外と積極的に教えてくれたり、「〇〇先生は教えてくれないの?」という雰囲気で微弱ながら圧力をかけてくれたりします。私もそこまでしたことはないのでやるなら自己責任でお願いします。


今回は以上です。ありがとうございました。


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