おすもうさんと空(タツコン2024)
2024年。12月7日(土)~21日(土)という会期で開催されている「TATSUYA ART COMPETITION 2024」に作品を1点展示している。
通称「タツコン」はGALLERY龍屋の暮れのアートコンペだが、出展に年齢制限があったため、主につくる方々の営みをTLで拝見した後Webで投票する、が常だった。前回は特別に年齢制限が撤廃されて初めて出品した。ことしも引き続きだったのでエントリーできた。
テーマが「空」ということですぐそんなファーストネームを持つ関取を思い出すあたりはこの作者の特徴であるとして(すぐ忘れるんだ)、
空、という字面からいくつかの方向に言葉を転がして、案が出たり出なかったり(冒頭に配したのはその一例「空振り」……えっ?)して、結局つくった作品の構想へは割とすぐつながった。
されど、そこからの空回りとか空振りとか空を切ったりとかはいっぱいあった、かもしれない。
つきおし、というタイトルには割とすぐに至った。
せっかくなのでつきをおしてみようかと、キャンバスにふたつのつきを配してみたいと思った。ベースの支持体を四角く(F3)しようか丸くしようか散々まよった挙げ句にまるくして、まるいつきとの対比を考えることにした。
制作を軌道に乗せてわりとすぐに、突き押しを極めた大関貴景勝関が引退した。引退会見での「手をいっぱい伸ばしたけど、届かなかった」ということばが、とても印象に残り、この作品をつくるなかでも何度となく頭をよぎった(九州場所で湊川親方としてテレビの解説に登場し、その表現の豊かさ大きさあたたかさに非常に心惹かれたものだった)。おすもうさんは何百人もいて、それぞれがそれぞれのことばを持ち、スタイルを持ち、基盤をつくりながら少しでも上へとねがいながら、日々を送っている。ひとつひとつのおもいをそこに乗せたいと思った。
なんだかんだでおすもうを描き始めて4年目になっている。展示先では「おすもうを描くひとは珍しいですね」と云われることが多い。実際今回も160作品が集まって、おすもうが描かれているのは1作品だったようだ(今までなかったわけではなく、タツコンを見るだけができる状況の折に、ひとつお迎えした作品がそうだった。その作品をお迎えしたあとにも、結びで熱戦を繰り広げた対決が描かれている)。
ただし、実際におすもうを描く絵というのはあらゆる方向性で存在する。ちょっと違う土俵で、いろいろなおすもうの絵をこのんで見ている。それぞれにすばらしい技術と愛情を感じ敬意をもっている。いつかどこかで結ばれたらいいなあという願いはある(おすもうのグループ展のお誘いは万難を排して飛び出したい気持ちでいっぱいである)
「わたしが」おすもうを描くとは。どういう方向性であるのか、なにをどう描いていくのか。心を決められるきっかけになる作品がつくれた。だれがどうでではなく、わたしが。
始まったばかりのわたしの本場所(偶数月だけど)である。精一杯たたかいぬきたい。
40ばん よりきり 「つきおし」 プッシュをよろしくお願いします。
解説みたいなものはまた追って。