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キャズム(深い谷)を超える時間

 前回の記事で、トークン投資におけるイノベーター層・アーリーアダプター層の話をしました。今回はその続きです。



キャズム理論とは

https://media.mar-cari.jp/article/detail/195

 マーケティングコンサルタントのジェフリー・ムーア氏は「イノベーター理論」を以下のように区分けしました;

  • 初期市場」; イノベーターとアーリーアダプターをまとめた層

  • メインストリーム市場」; アーリーマジョリティーからラガードをまとめた層


 この初期市場とメインストリーム市場の間には「キャズム」と呼ばれる深い溝があり、この溝を超えることが市場開拓において重要だとする「キャズム理論」を提唱しました。




キャズム(深い谷、隔たり)が生じる理由

 このキャズム(深い谷、隔たり)が生じる理由は以下のように考えられています;

  • 2つの市場のユーザーの価値観の違いが大きい。

  • 「初期市場」のユーザーは新しいことに価値を感じ、サービスを購入する傾向がある

  • 「メインストリーム市場」のユーザーは誰かがお墨付きを与えている、周囲の人々が使っているなど、安心して購入できる理由が必要になる


「初期市場」はイノベーターとアーリーアダプターをたしても約16%しかなく、残りの84%はメインストリーム市場となります。


 一般に、このキャズムを越えられないビジネスモデルやサービスは、市場が当初の予想よりも大きくならず、事業撤退するケースもしばしばあるとされています。




いつキャズムを越えるか

 セキュリティトークンやネイティブトークンに投資をしている方々にとっては、「はやくトークン単価が上がってほしい」という希望があると思います。

 今回紹介したように、イノベーター理論やキャズム理論と照らし合わせてみると、まだまだ「メインストリーム市場」(市場84%相当)のマジョリティ層・ラガード層がトークン投資の存在を認知し興味を抱くには、長い時間がかかると思われます。


 しかしながら、
「デジタル化社会」
「トークン化社会」
「デジタルID」
「CBDC」
などの施策は、グローバルリーダーや世界標準規格団体、金融界、大企業などが実現しよう計画・遂行している社会像です。

 どこかのタイミングで、「社会のルール」や「業界のルール」として取り入れられ、一気に普及していく可能性も高いです。




一般のビジネスとの違い

「一般のビジネス」におけるイノベーター理論では、あまり長い時間、キャズムを除去できない場合は、市場衰退・事業撤退の懸念があります。


 しかし、この「デジタル化社会」「トークン化社会」にイノベーター理論をあてはめると、キャズムの除去に時間がかかっていても、「トークン化社会が実現しない。撤退する」という可能性は、一般ビジネスに比べて低いと思われます。




トークン投資家はアンテナを張って気長に待つ

 将来のことは断言できませんが、
イノベーター層・アーリーアダプター層である方々(すでにトークン投資を行なっていたり、調査している方)は、気長にこの業界や各自投資しているトークン銘柄を引き続きウォッチしていくことが肝要ではないかと思います。


 また、あるひとつの分野で
「自分はイノベーター層」
「自分はアーリーアダプター層」
というふうに思っているとき、
自分の知らない場所・分野で、また新たな投資機会や技術、社会的計画が登場しているかもしれません。


 情報が氾濫し、不透明な現在においては、
チャンスにも、リスクにも、アンテナをはっておきたいところです。


以上

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