TechCrunch Disrupt 2023出張報告
DGDVの鈴木です。
9/19-21にサンフランシスコで開催されたTechCrunch Disrupt 2023に参加してきましたので、出張報告という形でnoteに残したいと思います。
Disruptがどんなイベントかの説明は他ウェブサイトで記載されていると思うので、割愛させて頂くとして、サンフランシスコ、トレンド、サイドイベントの3つのポイントで書いていこうと思います。
サンフランシスコについて
既にTwitterや記事でも取り上げられていますが、SFの街には、かなり大きなカルチャーショックを受けました。コロナの真っただ中に比べると人は街に戻りつつあるようですが、完全に戻り切ってはおらず、ダウンタウンを中心にサイバーパンクのような世界が広がっていました。
その一方で会場には世界中から多くの起業家、投資家、事業会社等が集まっていました。(人が多すぎて初日はパスを受け取るのに1時間以上並びました笑)
同時期にSFでフードテック関連、NYではClimate Tech関連のイベントが開催されており、イベント自体が分散化傾向にあるようですが、Disruptは引き続き米国のトレンドを定点観測できる有力イベントの1つだと感じました。
トレンドについて
Battlefield(TC Disrupt内でのピッチイベント)に選出された200社の選出方法にも特徴があり、AI、SaaS、Fintech、Security、Hardware、Sustainability、Spaceから万遍なくスタートアップを選んでいました。Y Combinatorがトレンドを強烈にフォローするのに対し、Disurptは幅広い領域からスタートアップを選出しているようでした。
完全に主観な部分がありますが、トレンドは大きく3つあると考えています。
1.web3
一時期と比べるとweb3というテーマは明確にピークアウトしているように感じました。Disruptでは毎回、いくつかテーマを定め、トークセッションやBattlefieldに参加するスタートアップを選出しているようですが、テーマの中にもweb3はなく、展示企業はあまり見かけませんでした。(今回のテーマはAI、SaaS、Fintech、Security、Hardware、Sustainability、Space)
一方でa16zのGPは引き続きweb3へのコミットを表明していました。投資家としてはトレンドから外れている今こそ、絶好の仕込みとも言えるでしょう。
2.AIトレンド
web3の代わりに一大勢力として躍進したのがAI関連のスタートアップでした。多くの企業が自社プロダクトやサービスにAIを組み込んであり、引き続き大きなトレンドになっています。一方、日本との大きな違いで言うと、「Generative AI(生成AI)」を謳うスタートアップはほぼいなかったように感じます。英語と日本語の表現の違いでしかない可能性もありますが、最先端をいく米国では既にGenAIのトレンドは一周しており、あえて区別しなくっているのでは感じました。
3.ディープテック
BattlefieldのFinalistを見ると、アセットライトなデジタルサービスを提供するスタートアップよりも、コアな技術を持つディープテックスタートアップが多いように感じました。実際、WinnerであるBioticsAIは胎児の奇形をAIを使って検出するサービスを開発しており、runner-upであるElectrified Thermal Solutionsは再エネ等を熱エネルギーとして貯蔵し、Industryで活用可能なバッテリーの開発を行っています。
日本においてもNEDOがディープテックスタートアップを支援する事業を行っていますが、Climate Techの盛り上がりも相まって、一大トレンドになっていると思います。
サイドイベントについて
6月に行われたIVS Kyotoと同じようにDisruptでもサイドイベントがあり、私もいくつか参加しました。
起業家、投資家の出会いという観点で言えば、サイドイベントに参加するだけでも十分に意味があることと思いますが、どのサイドイベントに参加するか、招待されるかがより重要というのを再認識しました。(あるイベントでは投資家パスを付けているだけで起業家に囲まれるなんてことも、、笑)
そんな中で偶然、参加したサイドイベントではY Combinatorの元PresidentのGeoff Ralstonとも会うことが出来ました。シードアーリー期のスタートアップのピッチイベントで、シードのスタートアップに矢継ぎ早にトラクション、顧客の反応を事細かに聞く姿勢は非常に刺激的でした。
以上、ざっくりですが、Disruptの出張報告でした。
お読み頂きありがとうございました!