あるスーパーマーケットの、コロナによる人的被害。
たった 4ヶ月で Six millon(日本円で約6億円ほど)もの被害総額がだったと、
そのセキュリティーガードが教えてくれた。
You got to be shitting me.( ちょっとそれ本当かよ、といった感じの言い回し)
とつい、彼に言ってしまった。
その日、ちょっとした用事で久しぶりに近所のスーパーマーケット、SAFEWAY に来てみると店内の様子が以前と変わっていた。
なんとなく雰囲気が物々しい。
ここ、サンフランシスコ カストロ地区に近いこの店舗の規模は、
大手スーパーチェーン店 SAFEWAY のなかでも、標準ではないだろうか。
パーキングは車60台ほどを停めることができるが、店の品揃え、キャッシュレジスターの数などは、全て平均だと思う。
コロナによるロックダウン以前は、このスーパーに、日用品などを買いに来ていたが、ロックダウン中にInstacart その他の商品宅配サービスになれてしまい、
しばらく、直接店で買い物をする機会がなかった。
最後にここに来たのはいつだったか覚えていないが、それでも一年は経っていないだろう。
その短い期間の内に、店内はあきらかに変化していた。
中に入り、はじめに変だなと感じたのは、店の中にいるセキュリティガードの数とその装備。
(セキュリティガードには断って、後ろ姿だけを撮らせてもらった)
ここ、ただのスーパーだよな、そんなに高額の物を置いていたっけ?
body aromour (防弾、防刃チョッキ)、手錠、警察仕様と大きさの変わらない
催涙スプレーなど、ピストルを装備したガードマンもいる。
高級ブランド品をあつかうショップ、貴金属店、銀行を警備している、セキュリティーガードの様な装備だ。
しかも入り口付近にいる人数だけで4人。
1日にかかる経費も結構な額になるのではないかと、ふと思ってしまった。
SAFEWAYというスーパーマーケットは、アメリカの大手チェーンストアーの中でも、品物の単価はいたって普通だと思う。
特に高額な品物を置いているわけでもないのにこの警備は少し大げさではないか?
その次にスーパマーケットでは、あまり見たことがない物が目についた。
店内の全てのショッピングカートに、軍隊が無線電話に使うような、太く、
長いアンテナが付けられていた。
セキュリティーにしろ、この特別仕様?のショッピングカートにしろ
たかが一つのスーパーマーケットに、なぜこれほどの警備が必要になるのだろうか。
買い物をすませて店を出ようとしていた時、たまたま休憩室へ向かおうとしていた一人のガードマンを見つけたので、何がここで起きているのかを、聞いてみようと思い立った。
ここベイエリアの、窃盗などの、犯罪の現状はある程度、ニュースその他で見聞きしていたが、今回のように、特定の店舗の被害状況を知ったのは初めてだった。
彼が所属するセキュリティーカンパニーが警備を始めるまでに、4ヶ月ほどで
日本円で六億円程度の商品が盗まれたこと。
警備員が常駐するようになってからは、その被害額が1億少々で(それでも一億をこえているのが不思議だが)済んでいるのだとそのガードマンは教えてくれた。
一体どうやったらそんな金額の量の品物を持っていけるんだ?と彼に聞くと、
こう言った。
セキュリティーガードとして、このスーパーの警備につくまで、ここで買い物をしている時に何度か、窃盗の現場を見たことがある。
奴らは、商品の棚の端から端まで、ざあーっと全部カートに入れると、そのカートごと店の外に走っていって、外のパーキングで待っている車の仲間と一緒に、本当に短い間に逃げていくんだ。
ここのSAFEWAYは、警備する人間がいなかったし、連中をとめる人もいないんで、やりたい放題だったみたいだな。
そうか、カートに無線アンテナのような物がついていたのは、外にカートが出たらわかる様にしていたのかと納得した。
しかし、4ヶ月で一店舗のスーパーから6億円相当の品物を盗むには、何人が、何をどれだけ盗っていけばそうなるのだろうか、未だに見当がつかない。
スーパーで働いている人間も大変だ。その度に品物をストックして、また盗まれてと。
盗み このサンフランシスコだけではなく、ベイエリア全体で本当に増えたと思う。
手口も催涙スプレーなどを使ったり、以前では無かった様な悪どい物も出てきた。
先日もある記事に驚いた。
テレビの取材をしていたクルーの機材を盗もうとした連中がいて、警備をしていたガードマンが拳銃で撃たれて死んだ。
まさかテレビの取材機材まで狙われるとは、一体どうなっているんだ。
この数ヶ月の間に、大規模な窃盗のニュースも珍しくなくなってしまった。
警察力の弱体化を望む、人権擁護の活動家も少なくないが、これまでには無かった
規模の犯罪増加の対策はどうするのだろう。