過疎化の進む、アメリカで一番高い街
決済サービス大手の、PayPalが、サンフランシスコのオフィスを永久に閉めるらしい。
オフィスに勤務していた人数は数百人ほどなので、結構なスペースを借りていたと思う。
その部署で働いていた社員は、リモート、又はここから車で一時間ほどかかる、サンホゼでの勤務となるらしい。
現在のサンフランシスコのオフィススペース賃貸料金を考えると、リモートで同じ仕事ができるのなら、借りているだけ経費の無駄使いとなるので、
企業にとっては当然の動きに思える。
いわゆるテック系の大手で、オフィスの又貸しをしているのは、現在ではかなりの数になる。
建設がはじまった時には、色々と騒がれた、サンフランシスコで一番高い
Salesforceの, ビルでさえ又貸し状態で、Twitterの本社に至っては、富豪
イーロンマスクが、ホームレスの住居にしようか、などといっていたぐらい
使っていないようだ。
ロックダウンはとうの昔に終わっているんだが、ビジネスも、人も一向に
戻って来ない様だ。
このニュースによると調査の結果、ここサンフランシスコは全米一、市民が出て行きたい街という結果がでた。
別の調査ではまた、ここから出ていった人々は全く戻ってきていないようだ。
要するに、街の人口は減る一方らしい。
今週は、ここアメリカは月曜日は祭日だったので、金曜から仕事を休んで
旅行などに出かけた人が多くいたようだ。
週末、近くにある海にいったが、ここはサンフランシスコの有名な観光名所である Fishermans Warf に続いている。
ついでにその付近をちょっと散歩したが、異常な人の少なさ。
以前ならこの辺りは、人混みの中を歩くのがいやになるくらいの、賑わいだった。
そこから,China townの方向に歩いていったが、まるで昔住んでいた、
ボストン郊外の、田舎の港町を思い出す様な、閑散とした雰囲気だった。
ニュースではよく、この街から人が出ていっているのを聞いていたが、
実際、最近はどこも似たような感じで、本当に人がいなくなった。
当たり前か。
コロナロックダウン後、多数の企業が、リモートワークに移行し、戻る様子は無い。
市内の大手企業、Uber, Twitter, Air bnb , Salesforce なども大多数の社員は
リモートワークの状態を継続、というかずっとこれで行くらしい。
だったら、こんな家賃がバカ高く、汚くて、危険なところに住むことは無いだろ、といった風に、街からどんどん、人が去っていった。
家賃はいまだに下がっていない様子だ。
ワンルームで2000ドル(日本円で20万円ぐらいか)は安い方で、一軒家の部屋だけを1000ドルほどで貸しているのも、よく見かける。
このニュースによれば、現在、ここサンフランシスコでは40,000件以上の空き部屋がある。
実際、自分が住んでいるこのビルも、3割ほどしか、部屋が埋まっていないようだ。
それなのに、サンフランシスコは今でも建設ラッシュで、そのほとんどが居住用のコンドミニアム、アパートなど。
しかし、この先誰がこれらの新しいビルに住むのだろう?
それの加えて、一向に下がる気配のない
今回のインフレによる、ガソリンその他、全ての値上がりで、もっと多くの人が、この場所から出ていくのでは無いかと思う。
アメリカのゴールドラッシュで栄えて、その後ゴーストタウンになった西部に点在するような街と似てきた気がする。
でもこう言ってはなんだが、自分はむしろ、
ここが静かになって悪い気はしないでいる。
犯罪も、前より増えて、汚い連中も増えたが、ここはそういった街だった。
ロサンゼルスや、ニューヨークといったようなメージャな場所にはなれない、中途半端な規模の、都市と言っていいのか?ぐらいの大きさのここサンフランシスコ。
自分にとっては、その何処か、いい加減さが心地よかったからだ。
ここにはニューヨークのような、重厚な文化の厚みは無いのに、最近では、妙にきどった街になってしまっていた。
この場所を魅力のある場所にしていた、色々な人や物が消えてしまったが、
ここサンフランシスコ、今でも場所によっては、まだ昔とそう変わらないところもある。
自分はそういった、この街の変化できなかった部分が好きで、もうしばらくはここで暮らして行く気だ。