サンフランシスコに来るなら、自己責任で。
お前、よくそんな所に、まだ住んでんなあ。
2ヶ月ぶりに、電話で話した友人に,そう言われた。
その彼も15年ほど前までは、ここに住んでいたのだが。
いや、俺はさあ、そこがよかった時期を知っているからなあ。
間違ってもそこには、近づきたくないよ、今は。
そう彼は、続けた。
かつて観光地として、人気のあったこの街、サンフランシスコは現在、
大して広くない市内の、いたる所で凶悪犯罪が増え続け、手がつけられない状態にある。
窃盗被害が増えたが、とっていく物の種類も多様化した。
最近では、結婚記念の写真を撮影していた、カメラマンが、撮影中に、とうのカップルの前で、襲われた。
https://abc7news.com/san-francisco-photography-robbery-photographers-not-visiting-photographer-assaulted-palace-of-fine-arts-attack/12453913/
プロの写真家達が、この街ではもう、写真を取りたくないと言うほど、被害が増大している。
人気の観光スポット、Twin peaks で、カナダからの撮影隊が襲われて、機材一切を奪われたのは、最近だった。
https://www.youtube.com/watch?v=x3BQgCuaOSE
以前なら、信じられない、場所、時間帯での犯罪発生が、日常化してしまった。
自分は現在、外に出ていく時、腕時計はしない。
どうしても着ける時は、しっかりと袖の下に隠して、人目のない場所で、時間をみたりしている。
ブランド物の、時計目当ての窃盗が、市内で何件もおきたからだ。
ここの州立大学を出て、しばらくこの街にとどまり、仕事をしていた時期もある友人。
彼が、ここに近づきたくない、と言うのも無理はない。
つい数年前まで、サンフランシスコという街は、ニューヨークや、ロサンジェルスなどのアメリカ都市部、と比べても住みやすかった気がする。
そこまで規模が大きくない割には、比較的なんでもそろっていて、アジア人も多い。
自分と同じ色の人種が、いることがいかに、心理的に楽か。
以前、ボストン近郊の人口のほとんどが、白人系の港町に、一年ほど住んでみて、そのことが良くわかった。
ここサンフランシスコにも、行かないほうがいい場所は、他のアメリカの都市と同様に、何カ所かあるが、それ以外のエリアは比較的安全だった。
それが、数年前から、薬物中毒者、ホームレスの数が激増した。
同時に犯罪も増加、多様化し始めて、コロナによるロックダウン後は、自分がここに来て、今までになかったぐらい増えた。
IT関連の企業がやたら増えたこと、それに伴い家賃などの急激な上昇についていけなかった人々が、住処から弾き出される形で、街に溢れ出し、ホームレスが増えた。そこに引き寄せられるように、街の外からも、比較的、寒くも暑くもならない、この街にホームレスが移りすんで来た。
訳ありの人間も、他の州から送り込まれてきたりもしていたようだ。
このニュースでは、サンフランシスコの有名な、金門橋を渡ってすぐの街、サンラファエル警察が、ホームレスをパトカーに乗せて、サンフランシスコまで来て、人目のあまり無い場所に降ろして、そのまま行ってしまったことが、報じられている。
似たようなことが、以前にもあったようで、ネバダ州からは、精神病院から24人の患者、ホームレスが、グレイハウンドという長距離バスに乗せられて、厄介者のようにここに、送られてきた。
余計な物は、よそに送って忘れよう。
ここはまるで、ゴミ集積所だ。
シアトル、ニューヨークなどから、片道のチケットを、行政機関に渡され
ここに移ってくる、という噂は前から聞いた事があった。
確かに、サンフランシスコという街は、昔から精神異常者が多かった。
ヒッピーカルチャーの影響で、LSD,その他の薬物利用者も多い。
日本から来た、学生の中にも、くすりで、人生のレールから、大きくそれていった者も、何人か目にした。
自分はここに来て、30年ほどになるが、以前から少し変わった人、奇行者も、よく街で目についたが、ほとんどは無害の連中だった。
マリファナその他の、ドラック服用者は、精神異常なのか、薬がキマッって夢の中なのか、区別がつかない時もある。
何故か、この土地にはそういう人間を惹きつける要素があるようだ。
こんな小さな都市なのに、カルト教団による集団自決事件、
猟奇殺人者、マンソンアンド ファミリーも一時ここにいた。
犯罪も増えたが、糞も、増えた。
犬じゃなくて、人の方だ。
自分が住んでいるのは、街の中心に近いが、普通に前を向いて歩ける場所と
そうではない場所がある。
注意して、下を見て歩かないと、人糞を踏んでしまうからだ。
一体、脳の中がどういうことになったら、人間、こんな事ができるんだろう。
野良犬、野良猫でも、一応辺りを気にして、何か、物影に隠れて、それを済ますと思うのだが、ここでは人様は、そういった行動が別に恥ずかしい事ではないようだ。
外で、堂々とヘロイン打ったり、その他の薬物を吸引しているのも、よくいるが、警察その他が、すべて取り締まったりしているひまがないので、特に珍しくなくなった。
こんなに小さな街なのに、犯罪ネタには困る事がない。
数日前にも、近くの公園で遊んでいた、生後10ヶ月の赤ん坊が間違って落ちていた薬物を口にしてしまい、命を落とすところだった。
幸い、ベビーシッターと、緊急隊員の素早い処置で、命に別状はなかったが、事件が起きた、このエリアは、市内でもかなり治安が良いほうだったが。
この状況が、少しでも改善されるかな、と思っていたが、少なくとも
数年は無理のようだ。
このニュースでは、皮肉なことに、私服の警察官が、車上荒らしにあったようだ。
彼女が言っているように、余りにも、警官が足りないので、911番(日本の110番)に通報しても
警察官が、犯罪現場に来るまでに、とても時間がかかる。
ちょっとした、窃盗(銃を使っていない)などでは30分ほどもかかる。
https://www.youtube.com/watch?v=n4112HGOCTQ
サンフランシスコは、現在400名ほど、警察の欠員が出ている。
サンフランシスコ警察全体の、25%ほどだ。
ここの警察官、結構稼ぐ。
初任給で、1000万円をこえる。
ベネフィットその他も、充実している。
それなのに、警察が、足らないのには、理由がある。
それについて書くと、長くなるので別の機会に、しようと思う。
まあ、こんなにドル高、わざわざ、日本から、この街に来るようなことは無いと思うが、万が一来てしまったら、常に身の回りに気をつけることを
お勧めする。