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くも
このタイトルを見て、空に浮かぶふわふわした白い物を想像した人、すまん違う。
このタイトルは、地上にいる、あいつらだ、、、そう、蜘蛛。
(昆虫好きとかいたら本当ごめん。あと昆虫めっちゃ苦手って人も読まないで良いから)
あいつとの出会いは突然だった。
そう、あれは朝の割と混雑した時間帯の電車に乗っていた時のこと。
私は二日酔いのなのに席に座れず、吊り革に捕まっていた。そうして、何気なく隣のおっちゃんをみていた。
おっちゃんは中々オシャレなスーツを着ていた。
上は濃紺、下はベージュのスーツで、カフスボタンは銀の平打ち。(見出しの画像とはちょっと違うけどイメージこんなん)
「オーダースーツかしら、あらまオシャレ〜」
と心の中で思ったのも束の間、あいつは突然現れた。
そう、カフスボタンの影からひょっこりと。
まあまあの大きさで、私の体に戦慄が走った。
(私は虫が苦手なんで)
一瞬、時が止まったかと思った。
「何故、何故ここに?!?!?!」
あいつは悠々自適におっちゃんの左手側のカフスボタン周辺を彷徨いている。
「何故だ、何故おっちゃんは気づかないんだ、、、」
おっちゃんは遠い目をして吊り革に捕まっている。
「おっちゃん、気づいてないよな、、、いや、待てよ、まさか、、、ペットとして飼って一緒に通勤しているのか?!?!?!朝の散歩てきな」
二日酔いの回らない頭と、視力が悪くてボヤけた視界から導き出した結論は、まさかの[K=ペット]だった。(Gみたいにいうなよ)
いや、本当にそう思うくらいおっちゃんとあいつは一心同体かのように見えたのだ。
「この戦慄をnoteに書かねば!!!!」
と、一心不乱にスマホをいじった。
「わたしは次の駅で降りるが、おっちゃんwith Kはどうなる?!」
と、その後の動きを探るべく顔を上げると、あいつはいなくなっていた、、、
「え、マジやめて、どこ行ったの?」
そのまま電車は駅へ到着し、私は人混みに流されておっちゃんすらも見失った。
久しぶりにめっちゃ焦った3分間だった。