うちのやばちゃん
うちの会社にはやばちゃんがいる。
KA.BA.ちゃんでもなく、おばちゃんでもなく、やばちゃんである。
やばちゃんは一年前にうちの会社に、我ら営業事務をまとめる事務長的なポジションでやってきた。
やばちゃんは私の10歳上で、管理職も経験して年収もずっと上である。
でもやばちゃんは偉そうにするそぶりもなく、私のような平社員にも分け隔てなく接してくれる。
人当たりもよく、笑顔の絶えない素敵な人だ。
でも彼女のその性格でも補いきれないほど、ポンコツである。
これは悪口ではなく事実である。
そんな彼女を私は、愛と敬意と呆きれをもってやばちゃんと呼ぶ。
少しだけヤバちゃんのやばい武勇伝を説明しよう。
やばちゃんは文字を読むことが苦手なので、メールフォルダで432件以上未読のままになっている。(教科書読んでると寝るタイプだな、コラ♡)
ヤバちゃんはそそっかしいので、請求先を間違えたりする。(「なんで間違えたんでしょう〜?」ってこっちが聞きたいぞ♡)
ヤバちゃんは足し算が苦手なので11億も違う額で支払申請する。(やばちゃんにとっては端金でも庶民は違うぞ♡)
やばちゃんはいつも間違いを指摘される度に「ひゃー!本当にごめんなさい(>_<)」とメールで顔文字を使って謝罪するので、余計反感を買っている。
でも、私は一周回ってそんな彼女が可愛いと思う。
常にぺこちゃんをオマージュしているのか、間違える度にテヘっとやる姿も、毎月請求関係でミスを指摘されても他人事な姿も、他部署から間違いすぎてクレームが来ても「ようやく仕事わかってきて、できるようになってきたんです〜」と言い張れる姿も、全て清々しすぎて一周回って可愛いと思う。
そんな彼女の姿に、みんな勇気をもらってほしい。
私もミスをしょっちゅうするが、やばちゃんを見ていると全てのミスが可愛く思えてくる。
なので、ぜひみんなの明日の希望として、ヤバちゃんの観察日記を読んでいって欲しい。