マッチングアプリ〜大和撫子編〜
まず大前提で言っておきたいのだが、私はアル中ではない。
ただ純粋にお酒が好きなのだ。(酒飲みってみんなこう言うよね〜笑)
別に毎日晩酌するわけではないが、酒は好きだし楽しい。
この大前提を頭に入れた上で以下を読み進めてほしい。
私はマッチングアプリをやっているのだが、もはや会いすぎて誰がいいとか分からなくなっていた。(控えめに言ってただのバカ)
とりあえず優しいの塊っぽい気がする大和撫子(私が勝手につけたあだ名)と美術館に一緒に行くことになった。
大和撫子というあだ名だが女性という意味ではない。(ややこしい)
大和撫子は男性だが、めっちゃ奥ゆかしいのだ。
常に私の半歩後ろをついてきて、口元を隠しながら穏やかな微笑を浮かべる。
平安貴族も興ざめするおしとやかさを持ったメンズだった。
私が暑さのあまり扇風機だして涼んでいる時も、大和撫子は扇子で優雅にあおいでいる。
いとをかし。
そもそも会う場所に美術館を設定してくるあたりかなりおしとやかだった。(でも私はこう見えて美術館とか図書館とか割と好き)
とりあえず美術館について、2人で感想をポツリポツリ言いながら鑑賞していた。
その時も決して私の前に行こうせず、半歩後ろをついてくる大和撫子。
黒い服装も相まって大和撫子がSPにしか見えなくなっていた。
常に私の行く先についてきて、私が話すまで口を開こうとしない。
令和の世の中には絶滅危惧種のような物静かさ。
あー！わたしに大和撫子のようなおしとやかさが爪の先ほどでもあればもう少しモテた人生だったのだろうか、、、、
なーんてアホな事を考えてしまい途中からこの状況が面白くてあんまり集中できなかった。
お昼はミュージアムショップのカフェ？みたいなところに行ったのだが、、、そこで運命のイタズラのような出会いがあった。
メニューを眺めながら向こうが決まるのを待っている時(基本私は爆速で決める)
私の視界に突然現れた、、、、
グラスに水滴をまとったクラフトビールが！！！！！
メニューにはあったけど想像の10倍美味しそうだった！！！！
ミュージアムショップなので期待してなかったのもあるが、とにかく夏の暑い空気にめっちゃ映える姿をしていた！！！！！！
グラスもこだわっている気がする！！！
そもそもこんなところでクラフトビール出すくらいだからこだわりがあるのだろう！！！
やっば！！！めっちゃビール飲みたい。
可愛くハンバーグにしようと思ったけどとりあえずビールにしたい！！！！
米の代わりにビールを飲みたい！！！！！
しかし、、、忘れそうになっていたが(失礼)
私は今日は大和撫子と共にいる。
友達ならみんな笑って一緒に酒飲んだり私が1人飲むのを許容してくれるが、相手は奥ゆかしい日本代表大和撫子。
「まだ会って間もない相手の前でお酒を飲むだなんて、、、！！！！」
って思われてドン引きされるかもしれない。
なんならアル中と誤解されるかもしれない。
まだ昼間だしオーダーするのはやめておこう。
しかし、メニューを必死に眺めている大和撫子とは会話がほぼない。
メニューを決めた私にとってこの時間はアディショナルタイム。
よって視界にちらつくビールのことしか考えられない。
頼みたい、いやでも、ああああうあ美味しそー！！！
、、、結果、私はクラフトビールを注文できなかった。(こんなところでひるむなよ)
ハンバーグはめっちゃ美味しかったが、ビールと一緒に食べるともっと美味しいだろうと考えると切なくなった。(それなら頼めや)
そう、私の心は完全にビールに持って行かれていたのだ。
大和撫子は食事中あんまり喋らないので余計に斜め前の人が注文したビールに集中してしまった。
めっちゃ美味しそうに飲むので余計に目がいく。
あー私も見栄を張らずに頼めばよかった、、、
冷静に考えると斜め前に座っていた人ごめん。
めっちゃビール見ている女がいてさぞ飲みづらかったと思う、反省。
大和撫子との会話は優雅だったが、正直ほぼ何を話したか記憶がない。(おい)
なぜなら私はこの後1人でどこに酒を飲みに繰り出すか考えていたからだ。(失礼)
今からいけばハッピーアワーに間に合う！！！
もう私はビールのこと以外は考えられなくなり、大和撫子に丁寧にお礼を言って脱兎のごとく駅へと向かった。
大和撫子はものすごい気が使えるし、すぐに人に席を譲る優しさの塊の人だった。
しかし、全く私の脳みそには大和撫子との思い出ではなく飲み損ねた夏の青空に映えるクラフトビールの煌びやかな姿しか残ってなかった。(マジでごめん大和撫子ー！！！)
酒、酒、酒、酒ー！！！！
脳内メーカーをやったら酒しかなかったと思う。
その後無事に居酒屋に駆け込み※1人、梅干しサワー✖️3杯をかち込んだ。(そこはビールじゃないんかい？！)
あー楽しかったし美味しかった。
大和撫子、あはれなりにけり。