![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53039621/rectangle_large_type_2_ad4a32154590721bc98c9fc878732398.jpg?width=1200)
心を開くこと
2007年製作、104分、アメリカ、配給:ロングライド、トム・マッカーシー監督、「The Visitor」。
キーワードは、不法移民、音楽、叩く。画は静かに始まって静かに終わる映画。でも、喜怒哀楽の感情表現がすごくジワリジワリと後から響いてくる。しかも最後は「怒」で終わる。その独演が圧巻で、心奪われた。
主人公はモチベーションなく生活の為の仕事、最愛のパートナーに寄り添うために始めたにも関わらず今は独り、寂しさを紛らわせる習慣にうまくいかず苛立ち…の悪循環。「私なんて…」と知らぬ間に心を閉ざしていく。そんな閉ざされた岩の扉に強引で軽快なノックと光で、扉を開けた青年。10年以上前の映画なのに、古さを感じさせないし、今も通じるストーリー。
当時4〜5回くらい映画館に足を運んで観た映画。だから、記憶にめちゃ残ってる。本当に良かった。すっごく心にジーンとくる。それがことのほか心地良くて。内容はハッピーエンドじゃないし、すごく考えさせられるテーマがちりばめられている。うちは両親とも健在なのだが、どこか、もしもの父の将来の姿を、主人公に重ねて観ていた自分がいたりした。
タレクやジャンベのような光は、我々の心が心から開かれる日はいつ届くのだろう。